- 熊本市内で確認できた5校の所在地・対象学年・費用(公式に載っている範囲)
- 小学校から通える3校の初年度費用を並べた比較(約145万〜184万円)
- 国の無償化(2026年10月から認可外は3〜5歳で上限月40,300円)と、熊本市の公式ページの現状
- 一条校・各種学校・無認可の違いと、就学義務・就学支援金への影響
- 市外の通学圏の学校、卒園後の進路、見学で聞く10のこと
結論:熊本市で選べる学校(早見)
先に全体像です。熊本市内で確認できた5校に、市外の通学圏で公式の一次情報を確認できた公立校を加えて、対象と費用の目安だけに絞って並べました。小学生以降の全日制は、市内では3校だけです。幼児向けの2校(ヒルトップ・メープルツリー)は、卒園後の進路まで含めて考える必要があります。
| 学校名 | 場所 | 対象 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 熊本インターナショナルスクール(KIS) | 熊本市東区(西原キャンパス=幼児部/戸島西キャンパス=初等部〜高等部) | 幼児部(2歳〜年長)、初等部(1〜6年)、中等部(7〜10年)、高等部(11年) | 初等部:入学金30万円+学費月83,000円ほか(2027年度) |
| 九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部(LIS) | 熊本市中央区 | 小学1〜6年 | 入学金30万円+授業料年95万円ほか |
| 熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部(KCI) | 熊本市北区龍田陳内 | 小学生(2026年4月開校) | 入学金30万円+授業料年102万円ほか |
| ヒルトップインターナショナルスクール | 熊本市北区龍田陳内 | 未就学児(英語の幼稚園) | 月謝58,000円・入園金60,000円 |
| メープルツリーインターナショナルスクール | 熊本市東区佐土原(東町校) | 1〜5歳、小学部(週1〜4回) | 小学部は月18,000〜50,000円。幼児の保育料は公式サイトで確認できませんでした |
| 熊本大学教育学部附属学校の国際クラス | 熊本市内の国立大学附属の小学校・中学校 | 小・中(2026年度開始) | 2026年度の秋の募集は外国人・帰国児童枠のみ。授業料は公式サイトで確認できませんでした |
| 熊本県立八代高校(市外) | 八代市 | 高校(IB DP候補校) | 公立。IBの費用は公式サイトで確認できませんでした |
学校を比べる3つの軸
早見表を見て「結局どう選べばいいのか」と迷ったときは、次の3つに分けて考えると整理できます。学校の良し悪しではなく、家庭の条件との相性で決めるためです。
比べる軸は3つだけ
5校は、通える学年も、学費の重さも、学校の位置づけも大きく違います。
01
通わせたい学年
小学生から通える全日制は市内3校。幼児だけならヒルトップやメープルツリーも選べます。卒園後に誰がどこへ進むかを先に考えます。
02
学費と入学時の費用
初年度は小学生で約145万〜184万円(公式の数字から編集部が足し算した試算)。入学金が30万円の学校が3つあり、年額の授業料より先に一時金がかかります。
03
制度上の位置づけ
IB認定・IB候補・ケンブリッジ認定など、学校ごとに「何を認められているか」が違います。一条校かどうかは、就学義務と高校の就学支援金に関わります。
この3つを、次の章から順に確かめていきます。

熊本市のインターナショナルスクール事情と費用相場
熊本市のインターナショナルスクールは、この数年で姿が大きく変わっています。熊本日日新聞は、台湾積体電路製造(TSMC)の進出をきっかけに、熊本インターナショナルスクールで台湾から来た子どもたちが増え、受け入れの環境を広げていることを報じています。九州ルーテル学院が小学部を新設したときの入学式の報道では、見出しに「台湾出身5人含む30人」とあり、2026年に開校した熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部の説明会は、日本語に加えて英語・台湾華語でも開かれています。熊本市の動きは「外国から来る家庭の受け皿づくり」と「地元の家庭の選択肢の広がり」が同時に進んでいる点に特徴があります。
一方で、費用の相場を一言で言うのは難しい状況です。公式サイトで金額を確認できた学校だけを並べると、小学生の授業料は年間およそ95万〜102万円、入学金は30万円が3校という構図になります。同じ「インターナショナルスクール」でも、IBの認定を目指す大きな学校、キリスト教を土台にした少人数の学校、幼児向けの英語保育など、中身はまったく別物です。費用を比べるときは、授業料だけでなく、入学金・施設費・教材費を足した初年度の総額で見るのが安全です。
授業料は月に5.8万〜8.5万円
公式サイトに載っている月額(または年額÷12)です。給食・制服・送迎・入学金などは含みません。
小学生向けは赤・緑、幼児向けは黄土色で表示しています。KCIの月額85,000円は公式の表記、LISの月額は編集部が年額を12で割った数字です。メープルツリーの幼児の保育料は公式サイトで確認できませんでした。
グラフから読み取れるのは、小学生向けの3校の授業料が月額ではほぼ同じ水準(約79,000〜85,000円)にまとまっていることです。差がつくのは、入学金と、学校ごとに名前の違う「施設費・教育充実費・教材費」のほうです。たとえば熊本インターナショナルスクールは施設維持費が年34万円、九州ルーテル学院は教育充実費と施設費が各10万円で、授業料の見かけの差よりも、この諸費用の差が総額を動かします。
また、全国の傾向と比べると、熊本市の小学生向けの授業料は、首都圏の外国人学校系の大規模校のように年300万円を超える水準ではありません。ただし、これは「安い」という意味ではなく、通う学年の範囲や学校の規模が違うためです。熊本市内で小学校から高校まで一貫して通える学校は、現時点では熊本インターナショナルスクールだけで、他の2校は小学部(初等部)が中心です。
費用の早見表:入学金・授業料・諸費用を1枚で
各校の公式サイトに載っている数字を、そのまま表にしました。年度や月数の数え方は学校ごとに違うため、右端の「初年度の目安」は編集部が公式の数字を足し算した試算です。試算には、給食・制服・通学の送迎・保険などは含めていません。
| 学校名 | 入学金 | 授業料など | 初年度の目安(試算) |
|---|---|---|---|
| 熊本インターナショナルスクール 幼児部 | 150,000円(1回のみ) | 保育料 月70,000円(兄弟は月56,000円)/施設費 年45,000円/保護者会費 月300円/保険 年1,150円/給食 1日440円 | 約104万円(給食を除く) |
| 熊本インターナショナルスクール 初等部 | 300,000円(1回のみ) | 学費 月83,000円(兄弟は月49,000円)/施設維持費 年340,000円/カリキュラム・教材費 年70,000円 | 約171万円(学費を12か月分として計算) |
| 熊本インターナショナルスクール 中等部・高等部 | 300,000円(1回のみ) | 学費 月83,000円/施設維持費 年340,000円/カリキュラム・教材費 年200,000円/高等部はDP費用 1,258ドル(2年間合計) | 約184万円(学費を12か月分として計算・DP費用を除く) |
| 九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部 | 300,000円 | 授業料 年950,000円/教育充実費 年100,000円/施設費 年100,000円/受験料 10,000円 | 約145万円(制服・教材費などを除く) |
| 熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部 | 300,000円(返金不可) | 授業料 年1,020,000円(月85,000円)/施設維持費 年2回×100,000円/テクノロジー・教材費 年50,000円 | 約157万円 |
| ヒルトップインターナショナルスクール | 入園金 60,000円 | 月謝 58,000円/施設費 年26,500円/給食 1食300円/新年度用品 10,000〜20,000円/保険 5,000〜10,000円 | 約80万円〜(給食を除く) |
| メープルツリーインターナショナルスクール | 公式サイトで確認できませんでした | 小学部は週1回18,000円・週2回25,000円・週3回40,000円・週4回50,000円(月額)。ほかに入会金・材料費・教材費・設備費・保険代が必要 | 幼児の保育料は公式サイトで確認できませんでした |
最初に払う入学金は6万〜30万円
合格・入学の手続きで最初にかかる一時金です。年額の授業料とは別に、まとまった額が必要になります。
公式サイトの入学金・入園金です。メープルツリーは公式サイトで確認できませんでした。
表を見るときの注意点が3つあります。1つ目は、年度の表記です。熊本インターナショナルスクールの入学案内は2027年度、ヒルトップの料金表は2025年4月からの料金、九州ルーテル学院の募集要項は2026年度のものでした。学校によって「いつの料金か」が違うため、実際の出願時には最新の募集要項を必ず確認してください。2つ目は、兄弟の割引です。熊本インターナショナルスクールの初等部は、兄弟割引で学費が月83,000円から49,000円になり、ヒルトップも2人目から月15,600円引き、熊本クリスチャンインターナショナルスクールも月30,000円の減額があります。3つ目は、入学金の扱いです。熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部は入学金が返金不可と明記されています。
熊本市内のインターナショナルスクール(5校)を1校ずつ
ここからは、公式サイトで実在と内容を確認できた5校を、「どんな学校か」「費用」「こんな家庭に」の順で見ていきます。評判や口コミは載せていません。公式サイトに書かれている事実だけを使っています。
熊本インターナショナルスクール(KIS)|東区・幼児部から高等部まで
熊本インターナショナルスクール(KIS)は、2003年に「ピカソプリスクール」として、熊本市中心部の賃貸スペースで15人の子どもから始まった学校です。公式サイトによると、現在は19の国と地域から集まる300人以上の児童・生徒が学び、教職員は常勤の教員とスタッフを合わせて60人以上います。授業は英語を中心に、日本語と中国語を組み合わせた3言語です。IBについては、初等プログラム(PYP・1〜6年)が認定、中等プログラム(MYP・7〜10年)が候補校、ディプロマ・プログラム(DP・11〜12年)が認定と公式サイトに書かれています。熊本日日新聞は、高等部が県内で初めてIBの認定を受けたと報じています。
キャンパスは2つに分かれています。幼児部(2歳〜年長)は東区の西原キャンパス、初等部・中等部・高等部は東区戸島西4丁目の戸島西キャンパス(〒861-8043)です。入学案内には、出願の前に保護者が入園・入学説明会に参加することが必須で、参加していない場合は願書を受け付けないと書かれています。定員は各学年「若干名」で、2027年度の入学案内として掲載されています。
費用は、幼児部が入学金15万円(1回のみ)、保育料月70,000円、施設費年45,000円、保護者会費月300円、保険年1,150円、給食1日440円です。初等部〜高等部は入学金30万円、学費月83,000円、施設維持費年34万円(3人目からは年21万円)、カリキュラム・教材費は初等部が年7万円・中等部と高等部が年20万円です。高等部にはDP費用1,258ドル(2年間合計)が別にかかります。兄弟割引は、幼児部の保育料が月56,000円、初等部以降の学費が月49,000円になると記載されています。
こんな家庭に。幼児期から高校まで同じ学校で通し、IBの学びを一貫して受けたい家庭に向いています。一方で、「一条校(学校教育法第1条に定められた学校)かどうか」「各種学校の認可を受けているかどうか」は、今回確認した公式ページには書かれていませんでした。この点は、説明会で必ず質問してください(理由は「制度」の章で説明します)。幼児部が国の無償化の対象になるかどうかも、公式サイトで確認できませんでした。
九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部(LIS)|中央区・小学1〜6年
九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部(LIS)は、熊本市中央区にある九州ルーテル学院の小学部で、熊本日日新聞によると2024年春に開設されました。公式サイトによると、授業は英語を中心に進み、日本の学習指導要領に準拠したカリキュラムで、探究型の学びを大切にしています。IBについては、PYP(初等プログラム)の「候補校」で、認定に向けた申請段階にあると明記されています。公式サイトには「候補校であることは、認定を保証するものではない」という注記もあります。
募集要項(2026年度)に載っている条件は次のとおりです。募集定員は1学年につき20名を上限とし、新1年生は2019年4月2日〜2020年4月1日生まれ(外国籍の場合は2020年8月31日まで生まれた子も出願可)。出願資格には、キリスト教教育への理解を示すことが入っています。受験料は10,000円、入学金は30万円、授業料は年額95万円、教育充実費が年額10万円、施設費が年額10万円です。そのほか、制服、体操服、教材費、書籍費、後援会費、行事積立金、災害備蓄品費などがかかり、給食とスクールバスを使う場合は別に費用がかかります。兄弟が入学する場合は2人目から授業料の割引があります(割引額は公式サイトで確認できませんでした)。
LISに入るまでの5ステップ
公式の募集要項(2026年度)にある流れです。2027年度の日程は公式の入試情報ページで確認してください。
こんな家庭に。日本の学習指導要領を土台にしながら、英語での授業と探究型の学びを小学校から取り入れたい家庭に向いています。キリスト教教育への理解が出願の資格になっているため、宗教的な方針が家庭に合うかは、事前によく話し合っておく必要があります。小学部のみのため、中学以降の進路は別に考える必要があります。
熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部(KCI)|北区・2026年4月開校
熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部(KCI)は、北区龍田陳内2丁目15-10(〒861-8005)にある、2026年4月に開校した小学校段階の学校です。公式サイトには、クラスは最大15人までで、授業はすべて英語、経験のあるネイティブ・ノンネイティブの教員が担当すると書かれています。国際キリスト教学校協会(ACSI)には2025年9月に加盟し、2026年9月から認定に向けた取り組みを進めること、沖縄クリスチャンスクール・インターナショナル(OCSI)から指導を受ける「CAJ並行プログラム」があることも載っています。
費用は、入学金30万円(返金不可)、授業料は年額102万円(月85,000円)、施設維持費は年2回・各10万円、テクノロジー・教材費は年5万円です。兄弟姉妹には月額3万円の減額と入学金の割引があります。入学試験は、原則として英語による学力・語学力の評価テストを受ける形で、英検に合格している場合(年長なら5級以上など)は免除できると書かれています。
KCIに入るまでの6段階
公式の入学案内に書かれている流れです。
こんな家庭に。少人数のクラスで、英語での授業とキリスト教の価値観を土台にした教育を受けさせたい家庭に向いています。2026年に開校したばかりの学校のため、卒業生の進路の実績や、学年が上がったときの体制は、これから見えてくる段階です。上の学年の学級編成や中等部以降の計画は、公式サイトで確認できませんでした。
ヒルトップインターナショナルスクール|北区・英語で過ごす幼稚園
ヒルトップインターナショナルスクールは、北区龍田陳内にある、英語で過ごす未就学児向けの園です。サイトの表題には「熊本市で英語が学べる幼稚園」とあります。熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部の公式サイトには、ヒルトップが約400メートル離れた場所にある、同じ運営組織の「イマージョン方式の保育施設」と書かれており、初等部とは系列の関係です。
料金表(2025年4月から)では、月謝58,000円、入園金60,000円、施設費は年1回26,500円、給食は1食300円、新年度用品は年1回10,000〜20,000円、保険は年1回5,000〜10,000円です。延長保育は月極で、14:30〜16:30が9,500円、14:30〜17:30が11,900円、14:30〜18:30が14,000円(1日預かりは1,000円・1,300円・1,500円)となっています。園児の兄弟姉妹は、2人目から月謝が15,600円引きです。春・夏のスクールの料金も別に載っています。
こんな家庭に。幼稚園の時間帯を基本にしながら、15:00ごろからの延長保育も選びたい家庭に向いています。対象年齢や、国の無償化の対象かどうかは、今回確認した料金ページには書かれていませんでした。同じ系列の初等部が近くにあるため、卒園後の行き先の1つとして、見学のときに質問できます。
メープルツリーインターナショナルスクール|東区・幼児から小学生まで
メープルツリーインターナショナルスクールは、東区佐土原1丁目10-70(東町校・〒862-0916)にある学校です。公式サイトでは、1〜2歳児の英語保育園、3〜5歳児の英語幼稚園を一体にした園で、国が定める基準を満たした「幼児教育・保育の無償化対象園」と書かれています。2024年6月には、ケンブリッジ大学の機関であるケンブリッジ国際教育の認定を受け、九州で初めてのケンブリッジ国際認定校になりました。運営は株式会社POWER OF EDUCATIONです。開校日は月〜金が9:00〜19:00、土曜が10:00〜17:00(日曜・祝日は休み)です。
小学部は、平日の放課後や休日に通う形です。英語圏の子どもが学ぶ算数・理科・社会・音楽・スポーツ・STEAMなどを英語で学ぶCLIL形式の授業に加えて、プレゼンテーションやディスカッション、英検対策のクラスがあります。授業料は月額で、週1回が18,000円、週2回が25,000円、週3回が40,000円、週4回が50,000円です。ほかに入会金、材料費、教材費、設備費、保険代がかかります。幼児の保育料は、今回確認した公式ページでは確認できませんでした。
こんな家庭に。小学校は地元の学校に通いながら、放課後に英語の時間を確保したい家庭に向いています。ここで大事なのは、小学部が「全日制の学校」ではない点です。日本の小学校に通いながらの週1〜4回の通学になるため、毎日の授業をすべて英語で受けたい場合は、先に紹介した3校が候補になります。
5校が認められているのは何か
公式サイトに書かれている認定・加盟・位置づけを、校ごとに分けました。
| KIS | LIS | KCI | ヒルトップ | メープルツリー | |
|---|---|---|---|---|---|
| IB(PYP)の認定 | ○ | △ | × | × | × |
| 学習指導要領に沿うと明記(全体または日本語) | × | ○ | ○ | × | × |
| ケンブリッジ国際教育の認定 | × | × | × | × | ○ |
| 国の無償化の対象園と明記 | × | × | × | × | ○ |
| 小学生が毎日通える全日制 | ○ | ○ | ○ | × | × |
○=公式サイトに明記 △=候補校(LISはIB PYPの候補校で、認定を保証するものではないと公式に記載) ×=今回確認した公式ページに記載なし(制度上「ない」という意味ではありません)。2026年10月6日時点。
この記事に載せなかった学校と、載せなかった理由
一覧記事で大事なのは、載せた学校より、載せなかった学校の理由が分かることです。次の学校は、今回の基準(公式サイトで実在と内容を確認できること)を満たせなかったため、5校の本編には入れていません。
外国人・帰国児童枠が中心の国際クラスは、一般的な意味の「インターナショナルスクール」とは入口が違います。ただ、国立の附属学校が英語で授業をするクラスをつくったという動きは、熊本市で国際的な学びへの需要が高まっていることを示しています。将来、日本人の家庭にも枠が広がるのかどうかは、公式サイトのお知らせで確認しておくとよいでしょう。

初年度の費用と、6年間の見通しを並べる
ここでは、費用を2つの角度から比べます。1つ目は「入学した最初の年にいくらかかるか」、2つ目は「小学校の6年間通い続けたらどのくらいになるか」です。どちらも、公式サイトの数字を編集部が足し算した試算で、制服・給食・送迎・保険・行事費などは含みません。
初年度の総額は約80万〜184万円
色で「何にいくらかかるか」を分けました。
KISの学費は月83,000円×12か月で計算しています(公式は月額表記で、請求の月数は確認できませんでした)。ヒルトップの「そのほか」は、施設費と新年度用品・保険の下限額で計算しています。
グラフで目立つのは、小学生向けの3校の間で、初年度の総額に最大約26万円の差があることです(九州ルーテル学院が約145万円、熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部が約157万円、熊本インターナショナルスクール初等部が約171万円)。差の大部分は、授業料の年額ではなく、施設維持費・教育充実費・教材費といった「そのほか毎年の費用」から生まれています。パンフレットの授業料だけで比べると、実際の負担を見誤りやすい点に注意が必要です。
小学校の6年間では約720万〜874万円
初年度の金額が6年間続くと仮定して、編集部が足し算しました(値上げや諸費用の変更は含みません)。
KISは(学費996,000円+施設維持費340,000円+教材費70,000円)×6年+入学金。KCIは(1,020,000円+200,000円+50,000円)×6年+入学金。LISは(950,000円+100,000円+100,000円)×6年+入学金。
ここで3校の差は、6年間で最大約154万円になります。ただし、年数がたつにつれて、学校の施設拡充や物価の変化で料金が改定される可能性は十分にあります。特に2026年に開校したKCIや、2024年に開設したLISは、学年が上がるごとに学校の体制が整っていく段階です。入学前に「過去に値上げがあったか」「学年が上がると費用の項目が増えるか」を質問しておくと、見通しが立てやすくなります。
市外の通学圏の学校と、通える学年の範囲
熊本市に住んでいても、通える範囲を市外まで広げると選択肢が増える場合があります。ただし、通学の距離と時間は家庭ごとに違うため、ここでは学校の事実だけを書き、通えるかどうかの判断は読者の皆さんに委ねます。
熊本県立八代中学校・八代高等学校(八代市)|公立でIBに取り組む
熊本県教育委員会の公表資料によると、県は令和3年度から県立八代中学校・高校にIB(国際バカロレア)の導入を進めてきました。2025年2月には八代高校がIBのDP(ディプロマ・プログラム)の「候補校」に認定され、令和9年度(2027年度)のDP導入を目指しています。八代中学校は、令和6年度入学の1年生からMYP(中等教育プログラム)を試行しています。県は、MYPとDPに認定されれば九州の公立校では初になる、としています。公立校のため、私立のインターナショナルスクールとは入学の仕組みも費用も異なります。入試の条件や費用は、今回確認した県のページでは確認できませんでした。
福岡県の学校|九州新幹線沿線の選択肢
九州で最もインターナショナルスクールの選択肢が多いのは福岡県です。熊本市から福岡市へは九州新幹線で結ばれていますが、毎日の通学として現実的かどうかは、学年と家庭の事情で大きく変わります。福岡県内の学校は、にじいろの福岡県のインターナショナルスクール一覧と福岡市のインターナショナルスクール一覧で、公式サイトの内容を整理しています。通学が難しい場合は、引っ越しを前提にした検討や、オンラインの選択肢を合わせて考えることになります。
学校によって通える学年の範囲が違う
色のついた部分が、その学校に日中通える学年です。
メープルツリーの小学部は放課後に通う形(週1〜4回)、熊本大学附属の国際クラスは外国人・帰国児童枠が中心、八代中・高は公立でIB導入の途中段階です。KISの高等部は11年生のみ(公式の2027年度の記載)。
この図から分かるのは、市内の学校を学年で並べると「小学生以降は3校、幼児は2校、中学・高校は1校」という構図です。中学以降は、熊本インターナショナルスクールの中等部・高等部のほかに、全日制で英語中心の学校は、今回確認した範囲では市内に見つかりませんでした。小学校でインターに通ったあと、中学以降をどうするかは、入学前に家庭で決めておきたいポイントです。
区ごとに見る、学校の場所と選び方
熊本市は5つの区に分かれていますが、今回確認できた学校は、東区・中央区・北区に集まっています。通学の負担は、学年が低いほど家庭に直接かかります。
学校がある区は3つだけ
今回、公式サイトで確認できた学校(国際クラスを含む6施設)を区別に数えました。
国際クラスは外国人・帰国児童枠が中心の施設です。西区・南区の施設は、今回公式サイトで確認できませんでした。
東区:KISの2キャンパスとメープルツリー
東区は、市内で最もインターナショナルスクールが集まるエリアです。熊本インターナショナルスクールは、幼児部の西原キャンパス(〒861-8029)と、初等部以降の戸島西キャンパス(〒861-8043)の2か所に分かれており、子どもの学年で通う場所が変わります。メープルツリーは東町校(佐土原)で、月〜金の9:00から19:00まで開いています。幼児から小学生までの通学を東区で完結させたい家庭にとっては、選択肢が最も多い区です。
中央区:国立附属と私立の小学部
中央区には、九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部と、熊本大学教育学部附属学校の国際クラスがあります。九州ルーテル学院は、既存の学校法人のなかに生まれた小学部で、日本の学習指導要領に準拠しながら英語での授業を行う、という立ち位置が特徴です。
北区:同じ運営組織の幼児園と初等部
北区の龍田陳内には、ヒルトップとKCI初等部が約400メートルの距離で並んでいます。幼児期に英語イマージョンの園に通い、小学校段階でそのまま初等部に進むという一本の道筋があります。ただし、KCIは2026年に開校したばかりで、学年が上がるごとに学校が整っていく段階です。入学前に、中等部以降の計画をどのように考えているか質問しておくと安心です。
西区・南区・その他:今回は確認できませんでした
西区・南区では、公式サイトで実在と内容を確認できた学校が見つかりませんでした。「近くに学校がない」ことは、選択肢が閉ざされているという意味ではありません。通学型が難しい場合は、地元の学校に通いながら、放課後や休日に英語の学びを足す方法や、オンラインで学ぶ方法もあります。

制度を知る:一条校・各種学校・無認可で何が変わるか
インターナショナルスクールを選ぶとき、費用の次に見落としやすいのが、学校の「制度上の位置づけ」です。日本の学校制度では、学校は大きく3つに分かれます。学校教育法第1条に定められた「一条校」、都道府県知事の認可を受けた「各種学校」、そして認可のない「無認可」の学校です。同じ「インターナショナルスクール」の名前でも、この区分によって、就学義務・卒業資格・高校の就学支援金の扱いが変わります。詳しくは、にじいろのインターナショナルスクールは義務教育になる?と、インターナショナルスクールとはにもまとめています。
3つの区分で制度上の扱いはこう変わる
| 一条校 | 各種学校など | 無認可 | |
|---|---|---|---|
| 就学義務を果たしたことになる | ○ | × | × |
| 日本の小中学校の卒業資格 | ○ | × | × |
| 高校の就学支援金 | ○ | △ | × |
○=当てはまる △=文部科学省が指定した学校のみ ×=当てはまらない。文部科学省の資料をもとに作成(2026年10月時点)。
小学生・中学生の年齢の子どもは、法律上、保護者に「就学させる義務」があります。この義務は、一条校に通うことで果たしたことになります。つまり、一条校ではないインターナショナルスクールに全日制で通うだけでは、就学義務を果たしたことにならず、地元の学校に籍を置いたまま通うかどうか、自治体や学校とどのように調整するかを、あらかじめ確認しておく必要があります。熊本市内の5校は、公式サイトで一条校かどうかの明記を確認できたものがありませんでした(九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部は、日本の学習指導要領に準拠すると書かれていますが、一条校の区分は今回確認した公式ページに書かれていませんでした)。
高校の就学支援金も、区分によって扱いが変わります。一条校の高校は対象になりますが、各種学校は文部科学省が指定した学校だけが対象です。熊本インターナショナルスクールの高等部は、公式サイトにはIBのDP認定と書かれていますが、就学支援金の対象になるかどうかは確認できませんでした。高校段階で検討する場合は、必ず学校と熊本県に確認してください。費用の全体像は、インターナショナルスクールの学費の記事も参考になります。
無償化と助成:熊本市の公式ページで確認できたこと
幼児期のインターナショナルスクールには、国の「幼児教育・保育の無償化」が使える場合があります。熊本市の公式ページ(2026年9月30日更新)によると、3〜5歳児クラスは月額37,000円まで、0〜2歳児クラスの住民税非課税世帯は月額42,000円までの利用料が無償化の対象で、いったん施設に利用料を払い、あとから領収書を付けて市に申請する「償還払い」です。国の制度では、2026年10月から認可外保育施設の上限額が、3〜5歳児クラスで月40,300円、0〜2歳児クラスの非課税世帯で月45,700円に引き上げられました。熊本市の公式ページは、確認した時点で旧い金額の表記のままでした。実際の上限額は、お住まいの区役所の保健こども課で確認してください。
上限額は2026年10月に引き上げられた
認可外保育施設を利用する場合の、月あたりの上限額です。
緑は2026年10月以降の国の上限額、黄土色は熊本市の公式ページに載っていた金額です。熊本市の独自の上乗せ助成は、今回確認した市のページでは見つかりませんでした。
対象になるための条件も、確認しておきましょう。熊本市のページには、無償化の対象になるためには、市から「保育の必要性の認定」を受ける必要があること(就労などの要件があり、認可保育所の利用と同等)、認可外保育施設は「認可外保育施設の基準を満たす旨の証明書」を持っていて、市が確認を行った施設・事業が対象になること、が書かれています。つまり、「インターナショナルスクールだから対象になる」わけではなく、施設ごとに、証明書と市の確認の両方が必要です。メープルツリーは公式サイトに無償化の対象園と明記していますが、ほかの施設は、今回確認した公式サイトでは確認できませんでした。
無償化を使うまでの5ステップ
熊本市の公式ページに書かれている流れをもとに、編集部が整理しました。
無償化の仕組みの全体は、にじいろのインターナショナルスクールの無償化・補助金でも説明しています。なお、無償化は「小学校に上がる前」までの制度です。小学生以降の授業料には、この制度は使えません。
卒園・卒業後の進路:3つの道を比べる
幼児期に通った園を出たあとの行き先は、大きく3つに分かれます。市内のインターの小学部に進む道、地元の小学校に通いながら放課後に英語の学びを足す道、地元の小学校に通いながらオンラインで英語を学ぶ道です。詳しくはインターナショナルスクールの卒業後の進路をご覧ください。
卒園後の3つの道を比べる
| 市内のインター小学部 | 地元校+放課後 | 地元校+オンライン | |
|---|---|---|---|
| 日本の小学校の卒業資格 | △ | ○ | ○ |
| 毎日の授業が英語中心 | ○ | × | △ |
| 初年度の費用が約145万円以上 | ○ | × | × |
| 通う場所が家から近い | △ | ○ | ○ |
○=当てはまる △=学校・家庭によって異なる ×=当てはまらない。編集部の整理。市内のインター小学部の卒業資格は、学校の区分(一条校かどうか)で変わります。
市内のインター小学部に進むと、毎日の授業が英語中心になる一方で、費用は大きくなり、中学以降の進路を別に考える必要が出てきます。地元の学校+放課後の道は、費用が小さく、小学校の友だちとの関係も続けやすい反面、英語の量は限られます。地元の学校+オンラインは、費用と時間を調整しやすく、住んでいる場所に関係なく選べる点が特徴です。どの道が正解ということはなく、子どもの性格と、家庭の仕事・生活のリズムで決まります。

通える範囲に見つからないなら:オンラインという選択肢
ここまで見てきたとおり、熊本市で小学生以降に毎日通える全日制のインターは、3校に絞られます。西区・南区に住んでいる、仕事の都合で送迎が難しい、費用が合わない、といった事情があるときは、通学型だけを探し続けるのは大変です。そのときの選択肢の1つが、オンラインのインターナショナルスクールです。ここでは、にじいろを運営する株式会社NIJINのオンラインインター「NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)」を、弱点も含めて正直に紹介します。
通学型・一条校の国際系・オンラインを5つの観点で
それぞれに得意・不得意があります。
| 通学型インター | 一条校の国際系 | オンライン(NGA) | |
|---|---|---|---|
| 毎日の通学が必要ない | × | × | ○ |
| 住んでいる場所に関係なく選べる | × | × | ○ |
| 日本の学校としての卒業資格 | △ | ○ | × |
| 顔を合わせる友だちと毎日会える | ○ | ○ | × |
| 費用を抑えやすい | × | △ | ○ |
○=当てはまる △=学校による ×=当てはまらない。編集部の整理。NGAは2027年9月開校予定のため、現在できることは体験・個別相談などに限られます。
NIJIN GLOBAL ACADEMYは、6〜18歳を対象にした、アジア・オセアニア向けのオンラインインターナショナルスクールで、開校は2027年9月の予定です。授業は録画ではなくライブで、1クラス8人。英語と日本語のバイリンガルのメンターがサポートします。全日制(平日の午前、9:30開始)と、地元の学校に通いながら受ける「ダブルスクール」(夕方16:00と土曜)の2つの形があります。カリキュラムには、ケンブリッジのIGCSE・Aレベルを選べる仕組みがあり、入学に試験や選抜はなく、対話を中心にした入学の流れになっています。公式サイトによると、2026年9月から無料の体験授業が毎月予定され、個別相談も受け付けています。
弱点も正直にお伝えします。1つ目は、まだ開校前であることです。2027年9月の開校予定のため、いまから毎日通える全日制の学校として使うことはできません。2つ目は、オンラインの学校であるため、NGAは日本の高校の卒業資格を直接発行しないことです。3つ目は、学費の具体的な金額が公式サイトではまだ公開されておらず(登録した家庭に先に案内される形)、今回の記事で金額を比較できていない点です。4つ目は、画面越しの学びでは、毎日同じ教室で過ごすような友だち関係とは違う形になることです。
それでも、熊本市の家庭にとって意味があるのは、「通学圏にこだわらない」という選び方ができる点です。通学型のインターでは、初年度に約145万〜184万円がかかります。対して、NGAは校舎を持たないため、既存のインターより手の届く学費をめざしている、と公式サイトに書かれています。オンラインの利点と注意点は、オンラインインターナショナルスクールのデメリットで、メリットとあわせて整理しています。通学型とオンラインのどちらにするか迷う場合は、インターナショナルスクールの選び方も合わせてご覧ください。
見学・説明会で聞く10のこと
公式サイトの情報だけでは分からないことは、説明会や見学で直接聞くのが確実です。今回の記事で「確認できませんでした」と書いた項目は、ここで質問してください。
熊本市でインターを見るときに聞くこと
よくある質問
一次資料(確認した公式サイト・公表資料)
- 熊本インターナショナルスクール 公式サイト「入学案内」(ページ)
- 同「学校概要」(ページ)
- 九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部 公式サイト「募集要項(2026年度)」(ページ)
- 同「学校紹介」(ページ)
- 同トップページ(ページ)
- 熊本クリスチャンインターナショナルスクール初等部 公式サイト「入学案内」(ページ)
- 同トップページ(ページ)
- ヒルトップインターナショナルスクール 公式サイト「料金表」(ページ)
- メープルツリーインターナショナルスクール 公式サイト(ページ)
- 同「小学生コース」(ページ)
- 熊本大学教育学部附属学校 国際クラス 公式サイト「入学関連」(ページ)
- 熊本市「認可外保育施設について」(令和8年9月30日更新)(ページ)
- 熊本県教育委員会「熊本県立八代高等学校における国際バカロレア(IB)DP候補校の認定について」(ページ)
- 熊本日日新聞「台湾から来た子どもたち」(ページ)
- 熊本日日新聞「九州ルーテル学院 インターナショナルスクール小学部 公開授業」(ページ)
- 熊本日日新聞「国際バカロレア、熊本市のKIS高等部認定」(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(ページ)


