- 中学生の習い事・学習塾の実施状況(ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の調査)
- 文部科学省「子供の学習費調査」でみる、中学生の学校外活動費と学習塾費の年額
- 部活動のガイドラインと、部活と習い事を両立させるときの考え方
- 部活に入らない・入れなかった中学生の習い事の選び方
- 学習・スポーツ・音楽・プログラミング・英語のジャンル別の目安
- 受験期に習い事を続けるか、休むかの判断材料
- 「やめたい」と言われたときの見極め方と、学校に合わない中学生の選択肢
掲載している数字は、文部科学省・スポーツ庁・厚生労働省・ベネッセ教育総合研究所・公文式の公式サイトなどの原典で2026年10月4日に確認できたものだけです。調査名・実施年・対象を本文に書き添えています。まとめサイトに載っているだけの数字や、出どころの確認できない「人気ランキング」は使っていません。料金や制度は変わることがあるため、申し込む前に必ず各教室・各自治体の最新情報を確認してください。
中学生の習い事は、みんなどのくらいしている?
最初に、全国の中学生が習い事や学習塾をどのくらい利用しているのかを見ておきましょう。「周りはどうしているか」を知っておくと、焦りすぎずに考えられます。
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で行っている「子どもの生活と学びに関する親子調査」(2015〜2023年)のデータ集では、中学生の習い事の実施率はおよそ5割とまとめられています。同じデータ集では、小学6年生から中学1年生にかけて(小中の接続の時期に)習い事をしている子の割合が大きく下がることも指摘されています。つまり、「中学生になると習い事をやめる子が増える」のは、全国的な傾向です。
一方で、習い事の内容に目を向けると、中学生でも「楽器・音楽教室」や「英会話・英語教室」は相対的に高い比率で推移していると、同じデータ集に書かれています。部活動で毎日の時間が埋まりやすい中学生でも、週1回の音楽や英語のように、生活の中に組み込みやすいものは続けやすいということだと読み取れます。
学習塾についても数字があります。同じデータ集によると、中学生の5割が学習塾に通い、中学3年生では6割が通っています。塾の種類は「補習塾」と「進学塾」に二分される傾向がある、とも整理されています。
全国の中学生は習い事が約5割、学習塾が約5割(中3は約6割)
ベネッセ教育総合研究所・東京大学社会科学研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査」(2015〜2023年)のデータ集より。
約5割
習い事をしている
中学生全体の実施率。小6から中1にかけて大きく下がります。
約5割
学習塾に通っている
補習塾と進学塾に二分される傾向があります。
約6割
中3で塾に通う
受験を意識する学年で、塾の利用が増えます。
「習い事をしていない中学生」は、決して少数派ではありません。
この数字から言えるのは、習い事をしていない中学生がいても、特別なことではないということです。習い事は「やっていないと遅れる」ものではなく、子どもの生活や気持ちに余白があるときに、好きなことや必要なことを足していくものです。この記事の後半で触れる、部活・睡眠・受験との折り合いも、まずこの前提から考えていきます。
なお、世帯の年収によって教育費の使い方に差があることも、同じ親子調査のデータ集で指摘されています。他の家庭と比べて落ち込む必要はありません。比べるべきなのは、「うちの子の今の生活」と「子ども本人がやりたいこと」です。
中学生の習い事にかかる費用|文部科学省の調査から
費用の目安は、文部科学省が公表している「令和5年度 子供の学習費調査」(実施期間は令和5年4月1日〜令和6年3月31日、中学校は公立1,327人・私立979人の回答)で確認できます。この調査は、保護者が1年間に子ども1人あたりに支出した学習費を、学校外の活動も含めて集計したものです。
公立中学校に通う子の学習費総額は年間542,450円。そのうち学校外活動費(塾や習い事などにかかる費用)は356,018円で、月あたりに直すと約29,700円です。内訳は次のとおりです。
| 区分 | 項目 | 公立中学校(年額) | 私立中学校(年額) |
|---|---|---|---|
| 補助学習費 | 家庭内学習費 | 12,884円 | 28,802円 |
| 補助学習費 | 通信教育・家庭教師費 | 21,248円 | 31,386円 |
| 補助学習費 | 学習塾費 | 230,385円 | 168,058円 |
| 補助学習費 | その他 | 7,057円 | 8,740円 |
| その他の学校外活動費 | 体験活動・地域活動 | 2,867円 | 10,300円 |
| その他の学校外活動費 | 芸術文化活動 | 24,077円 | 42,789円 |
| その他の学校外活動費 | スポーツ・レクリエーション活動 | 33,990円 | 32,487円 |
| その他の学校外活動費 | 国際交流体験活動 | 4,305円 | 66,503円 |
| その他の学校外活動費 | 教養・その他 | 19,205円 | 33,916円 |
公立中学校では、学校外活動費の大部分を学習塾費(年額230,385円)が占めていることがわかります。これに対して、芸術文化活動(音楽・美術・書道など)は年額24,077円、スポーツ・レクリエーション活動は年額33,990円です。12で割ると、芸術文化活動は月約2,000円、スポーツ・レクリエーション活動は月約2,800円ですが、これは調査対象の平均で、実際の月謝とは別物です。月謝は教室や種目によって大きく違うため、あくまで「公立中学生の家庭全体の平均的な負担感」を知るための数字として見てください。
学習塾費は学年が上がるほど大きく増えます。公立中学校の学年別の学習塾費は、次のとおりです。
中3の学習塾費は、中1の約2.6倍
| 学年 | 年額(平均) | 月あたりの目安 |
|---|---|---|
| 中学1年生 | 133,647円 | 約11,100円 |
| 中学2年生 | 213,759円 | 約17,800円 |
| 中学3年生 | 341,220円 | 約28,400円 |
※文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」。月あたりの目安は年額を12で割った概算です。2026年10月4日確認。
習い事全般の費用が気になる場合は、ジャンル別の月謝相場や入会金・教材費などの隠れたコストを習い事の月謝相場|ジャンル別の費用と、年間いくらかかるかで整理しています。中学生の場合は、習い事そのものの月謝よりも、受験期に膨らむ学習塾費をどう見込むかが家計の大きなポイントになります。
この調査の数字は平均値です。「平均がこうだから、うちもこのくらい払わなければ」と考える必要はありません。むしろ、年額で考えたときに、受験学年の塾代を見据えて、中1・中2のうちは習い事の費用をどこまで使うかを家族で決めておくと、後で慌てずにすみます。

部活動と習い事の両立|時間と体力をどう配分するか
中学生の習い事の最大のハードルは、やはり部活動です。平日の放課後と土日の多くが部活で埋まると、習い事を入れる余地はほとんどありません。ここでは、部活動に関する国のルールと、両立のための考え方を整理します。
部活動のガイドラインでは、休養日が決められている
スポーツ庁が2018年3月に策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、休養日を週2日以上設けること、活動時間は平日でおおむね2時間程度、週あたりの活動時間の上限は16時間未満が望ましい、といった基準が示されています。ガイドラインの目的は、スポーツ障害やバーンアウトのリスクを減らし、成長期の生徒が無理なく力を伸ばすことです。
これはあくまで目安で、学校や部活によって実際の活動日数や時間は違います。ただ、休養日は「休むための日」として示されているものです。その休養日の夜や休日に、さらに習い事を詰め込めば、休養日の意味がなくなってしまうことも覚えておきたい点です。
休日の部活動は「地域展開」に動いている
文部科学省・スポーツ庁・文化庁は、2025年(令和7年)5月16日に部活動改革の最終とりまとめを公表しました。この中で、2031年度(令和13年度)までに、休日の部活動について原則すべての地域展開を実現することを目指す方針が示されています。地域クラブ活動の認定制度づくりや、国による財政支援なども施策として挙げられています。
これは、中学生の「休日の過ごし方」が少しずつ変わっていく流れでもあります。学校の部活ではなく、地域のクラブやスクールで活動する選択肢が、今後は増えていく可能性があります。ただし、地域によって進み方には差があるので、お子さんの通う中学校や自治体の最新の発表を、学校からのお知らせや教育委員会のページで確認するようにしてください。
両立させるための3つの考え方
決めておくと迷わない3つのルール
「両立できるか」は、根性ではなく設計の問題です。
01
休養日は守る
部活の休養日に、さらに予定を詰め込まない。週に最低1日は何もない日をつくります。
02
週の合計で考える
部活・習い事・宿題・睡眠を、1週間の時間で書き出します。足りなければ何かを減らします。
03
試験前は見直す
定期テストの1〜2週間前は、習い事を軽くするか休む選択肢を、あらかじめ決めておきます。
「やれるだけやる」ではなく、「ここまで」を先に決めておくのがコツです。
睡眠時間と運動時間のデータも気にしたい
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月公表)では、中学生・高校生には8〜10時間の睡眠の確保が推奨されています。部活が終わって、習い事に行って、帰ってから宿題をすれば、この時間はあっという間に削られてしまいます。
スポーツ庁の「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(2025年4〜7月実施、国公私立の中学2年生などが対象)の概要では、1週間の総運動時間が60分未満の割合は小中学校の男女ともに増加傾向、420分以上の割合は減少傾向とされています。睡眠時間が8時間以上の割合は増加傾向、平日の学習以外のスクリーンタイムが3時間以上の割合も増加傾向です。
つまり、「部活で毎日忙しい子」と「ほとんど運動していない子」の二極化が進んでいる可能性があり、どちらに寄っているかで、習い事に求めるものも変わります。部活で動き疲れている子には、体を休めながらできる音楽や読書、創作系の習い事。運動不足の子には、無理なく体を動かせる教室。そんな視点で考えてみてください。
習い事を複数掛け持ちしたときの考え方は、習い事はいくつが適切?掛け持ちの目安と、続けられるスケジュールの組み方で詳しく書いています。
部活に入らない・入れなかった中学生の習い事
「部活に入らなかった」「入ったけれど合わなくてやめた」という中学生は、決して珍しくありません。人間関係、顧問の先生との相性、上下関係の厳しさ、時間の拘束の長さなど、理由はさまざまです。ここで大事なのは、部活に入っていないことを、「問題」として扱わないことです。
放課後の時間が、そのまま「余白」になる
部活に入っていない中学生には、平日の放課後に比較的まとまった時間があります。この時間を、習い事で埋めてしまうのではなく、まずはゆっくり休む、好きなことをして過ごす、友だちと遊ぶことに使えるようにしておくのも大切です。学校で緊張して過ごしてきた子ほど、帰ってからの時間が必要なことがあります。
そのうえで、「何かやってみたい」という気持ちが本人から出てきたときが、習い事を始めるタイミングです。親が「部活に入っていないのだから、何か習い事をしなさい」と言うと、本人にとっては「やらされるもの」になりやすく、続きにくくなります。
部活の代わりではなく、「自分の居場所」を探す
部活は、学校内の人間関係と結びついています。そこにうまくなじめなかった子にとって、学校の外に、年齢も学校も違う人と関われる場所があることは、気持ちの支えになることがあります。習い事は、そうした「学校の外の居場所」として機能することもあります。
選ぶときの目安は次のとおりです。
- 少人数、または個別で進める形式(大人数の集団が負担になりやすい子の場合)
- 上下関係や勝ち負けが前面に出にくいもの(成績や順位より、本人のペースを大切にする教室)
- 通う回数を調整しやすいもの(体調や気分に波がある時期でも、無理なく続けやすい)
- 見学・体験ができるもの(雰囲気を確かめたうえで決められる)
絵を描くことが好きな子なら、絵を描くのが好きな子の習い事|イラスト教室・お絵かき教室・オンライン講座の違いも参考になります。続けることに自信がない子には、習い事が続かない・やめたいと言われたら|理由の見極め方とやめどきの判断もあわせて読んでみてください。
ジャンル別|中学生に向いている習い事の考え方
ここからは、ジャンルごとに「中学生が通うときにどう考えるか」を整理します。個々の教室の評判ではなく、ジャンルの特徴と、公式で確認できた事実をもとにまとめています。
| ジャンル | 中学生にとっての特徴 | 向いている子 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 学習系(学習塾・公文式・通信教育) | 定期テストや受験に直結しやすい | 学校の勉強に不安がある子、目標がはっきりしている子 | 量が多いと睡眠・休養を圧迫する |
| スポーツ(水泳・武道・ダンスなど) | 部活とは別に、体を動かす機会をつくれる | 体を動かすのが好きな子、部活に入っていない子 | 部活との掛け持ちは休養日を確保する |
| 音楽(ピアノ・ギター・ボーカルなど) | 中学生でも実施率が比較的高い | 表現が好きな子、一人でコツコツ進めたい子 | 練習時間をどう確保するか |
| 英語・英会話 | 学校の英語と受験の両方に関わる | 英語が得意・好きな子、将来の選択肢を広げたい子 | 英検などの目標が本人のものか確認する |
| プログラミング・ものづくり | 自宅でも取り組みやすい形式が多い | 作ることが好きな子、パソコンやゲームが好きな子 | 「作りたいもの」が決まっているかで続き方が変わる |
学習系|公文式の中学生向けコースを例に
学習系の習い事は、中学生にとって最も身近な選択肢です。ここでは、全国に教室がある公文式の公式サイトで確認できた中学生向けの情報を紹介します(2026年10月4日確認)。
- 教科は算数・数学、英語、国語の3教科。
- 通室は週2回が標準。教室の開室時間(午後2時30分〜午後7時ごろ)の中で、来室のタイミングは自由です。
- 月会費は中学生で1教科あたり8,580円(東京都・神奈川県以外)、9,130円(東京都・神奈川県)(いずれも税込)。入会金は不要と公式に書かれています。
- 公式サイトには「部活との両立が可能」と案内されています。
1教科だけなら月8,580円(一部地域は9,130円)ですが、2教科・3教科と増やせばその分の月会費が加わります。「1教科から始めて、必要に応じて増やす」という考え方のほうが、負担の見通しが立てやすくなります。ほかの学習塾や通信教育は、料金体系や指導方法が大きく異なるため、体験授業で、本人が「ここなら通えそう」と感じるかを確かめるのがおすすめです。
スポーツ・武道・ダンス
部活に入っていない中学生や、部活が文化系で体を動かす機会が少ない中学生には、スポーツ系の習い事が体力づくりの場になります。水泳、武道、ダンス、テニスなど、地域の施設や民間のスクールで、中学生が通えるコースが用意されていることもあります。ただし、対象年齢や中学生向けのクラスの有無は、教室ごとに違います。小学生クラスは多いのに中学生クラスがない、ということも珍しくありません。事前に必ず確認してください。
ダンスについては、千葉県の子ども向けダンス教室で、千葉県内の教室を紹介しています。地域の例は山武市の習い事ガイドのように、市町ごとの記事でも確認できます。
音楽|実施率が比較的高いジャンル
先ほどのベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の調査では、中学生でも楽器・音楽教室の比率は相対的に高いとされています。ピアノ、ギター、ドラム、ボーカルなど、種類が多く、個人レッスンなら自分のペースで進めやすいのが特徴です。部活が忙しい子でも、週1回のレッスンなら両立しやすいという声はよく聞かれます。
楽器は、レッスンに通うだけでなく、家での練習が必要になります。住宅事情で音を出せない家庭は、電子楽器やヘッドホン対応のものを選ぶと続けやすくなります。レッスンの料金は教室ごとに違い、入会金や施設費が別にかかることもあるため、見積もりを出してもらってから決めましょう。
プログラミング・ものづくり
中学生になると、プログラミングの学び方は「ゲームを作る」「アプリを作る」「ロボットを動かす」など、より本格的になります。中高生向けのプログラミングスクールとしては、たとえばLife is Tech!が、中高生向けに春・夏・冬休みのキャンプ、教室や自宅で学べるスクール、中学校・高校向けのクラウド型教材を公式サイトで案内しています。料金や詳細なコース内容は、それぞれの専用ページで確認する必要があります。
プログラミングは、「最初は楽しかったのに続かない」という相談も多いジャンルです。その理由と、続けるための選び方はプログラミング教室が続かない理由は「作りたいものがない」からで詳しく整理しています。始める年齢の目安はロボット教室は何歳から?が参考になります。
英語・英会話
英語は、中学校の教科としても、高校受験・将来の進路にも関わる分野です。英会話教室や英語の通信教育、オンライン英会話など、選択肢は幅広くあります。ただし、「英語を話せるようになりたい」のか、「学校の英語の成績を上げたい」のか、「英検などの資格を取りたい」のかによって、合う教室は変わります。目的がはっきりしないまま始めると、期待とのズレから続かなくなりやすいので、最初に目的を言葉にしておきましょう。
習い事の選び方を、小学生も含めて5つの手順で整理した記事は習い事の選び方|子どもに合う習い事を見つける手順にまとめています。

受験期の習い事は、続ける?休む?
中学3年生になると、「習い事をやめて、受験勉強に集中させるべきか」という悩みが出てきます。ここでは、判断の材料になる事実と考え方を整理します。
受験期は、学習塾費が最も大きくなる
先ほどの文部科学省の調査では、公立中学校の学習塾費は中学3年生で年額341,220円と、中学1年生の約2.6倍に増えています。受験期は、学習塾の費用負担が大きくなる時期です。一方で、習い事の月謝も続けるとなると、家計への負担はさらに重くなります。「費用」と「本人の気持ちの余白」の両面から、続ける習い事を選び直す時期だといえます。
「やめる」か「続ける」かの二択にしない
受験期に習い事を扱うとき、「全部やめる」か「全部続ける」かの二択にする必要はありません。次のような中間の選択肢があります。
- 頻度を減らす:週1回を月2回にする、など。教室によっては相談に応じてくれることがあります。
- 休会する:一定期間休んで、受験後に再開する。休会制度や休会中の会費は教室ごとに違うため、確認が必要です。
- 息抜きとして続ける:音楽やスポーツなど、気分転換になるものだけを残す。
- 受験に直結するものだけに絞る:学習系に集中する。
どれが正解というものではありません。本人が「続けたい」と言っているなら、気分転換としての意味を認めてあげるのも一つの考え方です。反対に、本人が「もうやめたい」と言っているなら、受験を理由にやめるのは、きっかけとして自然です。
高校入試の調査書では、習い事はどう扱われる?
文部科学省の「令和7年度 高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」では、都道府県ごとの調査書の扱いがまとめられています。調査書には部活動やスポーツ・文化活動の記録を書ける欄があり、都道府県によっては校外での活動を記入対象にしている例もあります。ただし、どの活動をどのように評価に使うかは、都道府県によって大きく違います。
そのため、「習い事を続ければ入試に有利」「習い事をやめないと不利」と一概には言えません。お住まいの都道府県の入試の募集要項や、中学校の進路指導の先生に確認するのが確実です。習い事は、入試のためというより、本人の成長や気持ちのために位置づけるほうが、長い目で見て続きやすくなります。

中学生の習い事を選ぶときのチェックリスト
ここまでの内容をふまえて、習い事を選ぶときに家族で確認したい項目を整理しました。申し込む前に、本人と一緒に見てみてください。
- 本人が「やってみたい」と言っているか(親が決めていないか)
- 体験レッスンに、本人が自分から「また行きたい」と言ったか
- 部活・宿題・睡眠を合わせた1週間の時間に、無理なく収まるか
- 通う場所・時間が、自分で通える範囲か(帰宅時間が遅くなりすぎないか)
- 月謝のほかに、入会金・教材費・施設費・発表会費などがかからないか
- 受験学年で、休会・頻度の調整ができるか
- やめるときのルール(退会の手続き、締切)が事前にわかっているか
- 先生・講師との相性を、体験で確かめたか
このうち、特に大切なのは最初の2つです。中学生は、自分で決めたことでないと続きにくい年齢です。親が良いと思って選んだ教室でも、本人が気乗りしないまま通っていれば、いずれ限界がきます。反対に、少しハードルが高く見えても、本人が心から「やりたい」と言っているなら、一度体験させてみる価値はあります。
体験の場では、「楽しかった?」ではなく、「何がいちばん面白かった?」「また行きたい?」と聞いてみてください。具体的に話せるなら、続く可能性は高くなります。逆に、「別に」「まあまあ」という返事なら、無理に押さないほうがよいでしょう。
「やめたい」と言われたときの、やめどきの考え方
中学生が習い事を「やめたい」と言い出す理由は、さまざまです。飽きた、上達の壁にぶつかった、先生や仲間との関係がうまくいかない、部活や勉強で忙しくなった、疲れている——。理由によって、対応は変わります。
| やめたい理由 | 考えられる対応 |
|---|---|
| 忙しくて時間がない・疲れている | 頻度を減らす、休会する、試験や大会の時期だけ休む |
| 上達が止まって面白くない | 目標を変える、レベルやコースを変える、少し休む |
| 先生・仲間との関係がつらい | 先生やクラスを変える、別の教室を探す。話を聞くことを優先する |
| 興味がなくなった | やめて次を探す。「ここまでやった」ことを認める |
| 理由をはっきり言えない | 急かさずに、時間をおいて聞く。心身の疲れのサインがないか見る |
中学生は、親にうまく言葉で説明できないことも多い年齢です。「やめたい」の裏に、学校での人間関係や部活のストレス、睡眠不足など、習い事とは別の疲れが隠れていることもあります。習い事だけの問題として扱わずに、最近の生活全体の様子を見てみてください。
やめることは、失敗ではありません。「自分で決めて、始めて、やめた」という経験そのものが、次の選択につながります。「ここまで続けたから、やめてもいいよ」と認めてあげることが、次にやってみたいことを言い出しやすい関係をつくります。くわしい見極め方と声かけは、習い事が続かない・やめたいと言われたらにまとめています。
「合う習い事が見つからない」中学生のために
ここまで読んで、「どれも今の子には合わない気がする」と感じた方もいるかもしれません。中学生には、次のような壁があります。
習い事が見つからないのは子どものせいではない
01
好きなことが教室にない
ゲーム制作、動画づくり、イラスト、Vtuberなど、好きなことに合う教室が近くにないことがあります。
02
時間と体力に余裕がない
部活、宿題、通学で毎日が埋まり、習い事の時間も体力も残っていないことがあります。
03
集団や学校がしんどい
学校での集団生活に疲れ、さらに別の集団の場に行くことが負担になる子もいます。
「学び方」を変えることで解ける壁もあります。
学校に行きづらい中学生は、決して少なくない
文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2025年10月公表)では、中学校の不登校生徒数は216,266人、在籍生徒1,000人あたり67.9人でした。小学校(137,704人)と合わせた小中学校全体では353,970人で、過去最多、12年連続の増加と報告されています。増加の勢いは前年度より鈍っていますが、中学生の約15人に1人が不登校という数字です。
学校に行きづらいとき、習い事に通えるかどうかは、子どもの状態によって大きく変わります。無理に通わせようとせず、まずは家で安心して過ごせる状態を優先することが大切です。そのうえで、本人から「何かやってみたい」という気持ちが出てきたら、家から参加できるものや、少人数で気を張らずに過ごせる場所から始めるのがよいでしょう。
学校の外の学びの場については、フリースクールが近くにないときに考えたいことで選択肢を整理しています。千葉県にお住まいの場合は、千葉県の教育支援センター一覧も参考になります。自宅から参加できる習い事については、オンライン習い事の選び方|自宅で始められる種類・料金と、不登校・学校に合わない子の習い事で詳しく書いています。

NIJIN放課後プロジェクトスクールという選択肢
「うちの子の好きなことは、近くの教室にない」「部活や学校で疲れていて、外に通う元気がない」。そんな中学生の選択肢として紹介したいのが、NIJIN放課後プロジェクトスクールです。公式サイトでは「全国どこからでも通えるオンライン習い事」と紹介されていて、対象は小学生・中学生。今の学校に通いながら、放課後や休日に参加できます(学費ページには高校生の記載もあります)。
「習う」のではなく、自分でプロジェクトを立ち上げる
一般的な習い事は、ピアノなら曲、英語なら教材と、決まったカリキュラムを順番に進めます。このスクールの特徴は、子どもの興味を起点に、子ども自身がプロジェクトを立ち上げることです。公式サイトでも「子どもたちが自分で立ち上げ、進行中のプロジェクト」として、マインクラフトのプロジェクト、Vtuberのプロジェクト、沖縄に住む小学生が立ち上げた観光課題解決のプロジェクトが紹介されています。
中学生なら、たとえば「好きなゲームの攻略情報を、自分の言葉でまとめて発信する」「自分の趣味を同じ興味をもつ仲間と深める」「部活では扱えない、好きな分野をテーマにする」——こうしたテーマもプロジェクトの入口になりえます(これらはあくまで想定の例で、実際にこのスクールで動いている企画ではありません。どんなテーマにするかは、体験会で子ども自身が考えていきます)。
家の中で止まっていた「好き」が、外に届く
好きなことを家でひとりで続けていると、作ったものを見てくれる人がいない、次に何をすればいいかわからない、というところで止まりがちです。このスクールでは次のような仕組みで、その先に進めます。
- 週1回のクラス会議で、担任の先生と少人数の仲間とプロジェクトを進める
- メタバース校舎には平日毎日入れて、クラスの時間以外も仲間と活動できる
- YouTubeで生配信される発表会で、作ったもの・考えたことを発表する(保護者も配信で見届けられます)
- イベント・コンテストや企業・クリエイターとの共創に参加できる
公式サイトで紹介されている実例には、JTBと組んだマインクラフトのコンテスト(旅行業界のプロが審査員を務め、小学6年生がグランプリを2連覇)や、人前で話すのが苦手だった小学4年生がYouTube配信でのプレゼンに挑戦し、学校でも発言できるようになった例があります。
中学生の家庭にとってのメリット
いちばん大きいのは、送迎がいらないことです。PCかタブレットとインターネット環境があれば自宅から参加でき、保護者の同伴も必要ありません。部活や宿題で忙しい中学生にとって、移動の時間がかからないことは、時間と体力の面で大きな違いです。
また、リアル校舎は千葉県東金市と神奈川県川崎市(武蔵新城)にあります。普段はオンラインで参加し、実際に集まる場がほしくなったときの選択肢として、頭の片隅に置いておく程度でかまいません。お住まいによっては、通える距離ではないことも多いはずです。
部活・学習塾・オンラインを5つの観点で
| 部活・地域の スポーツ教室 | 学習塾・ 通信教育 | PJ メタバース校舎 | |
|---|---|---|---|
| 送迎・移動なしで 参加できる | × 通う必要がある | △ 通信教育なら可 | ○ 自宅から |
| 子どもの好きな テーマで学べる | △ 種目が決まっている | △ 教科が中心 | ○ 自分で立ち上げ |
| 体を動かす・ 対面で習う | ○ | ○ 通う塾なら対面 | × 画面越し |
| 月の費用 | △ 学校・団体による | △ 公立中の塾費は 平均で月約19,200円 | △ 月12,683円 |
| 作品を外に 発表する場 | △ 大会・発表会など | × 基本はなし | ○ YouTube配信 |
○=対応 △=一部・条件つき ×=非対応 / ※公式情報と文部科学省の調査をもとにした一般的な傾向です。塾費は「令和5年度 子供の学習費調査」の公立中学校の学習塾費年額230,385円を12で割った概算。2026年10月時点。
比較のとおり、体を動かす習い事や、先生と対面で技術を身につける習い事の代わりにはなりません。体力づくりは部活や地域のスポーツ教室、学校の勉強の補いは学習塾や通信教育、「好きなことを形にする」部分はオンライン、というように組み合わせて考えるのが現実的です。学習塾に代わるものでもありません。
費用・対象・参加方法
| メタバース校舎 | リアル校舎(東金校) | |
|---|---|---|
| 月謝(税込) | 12,683円 | 23,683円 |
| 入学金(税込・初回のみ) | 22,000円 | 22,000円 |
| 参加形態 | 全国どこからでもオンライン/週1回のクラス会議 | 東金市八坂台/毎週木曜15:30〜17:30 |
| 必要なもの | PCまたはタブレット、インターネット環境 | — |
対象は小学生・中学生です。学費ページでは、月謝にプロジェクト活動・メタバース校舎の利用・イベント参加などが含まれ、教材費やイベント参加費などの追加費用はかからないと案内されています。一方、よくある質問のページには、備品・教材費や希望制の特別行事で追加費用が必要になる場合があるとの記載もあるため、体験会で確認しておくと安心です。
運営は、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営するNIJINグループです。なお、公式サイトにある「累計入学者数900名超」「リアル教室52か所」は母体のNIJINアカデミーの実績で、放課後プロジェクトスクール単体の数字ではありません。無料体験が用意されているので、まずは子どもと一緒に雰囲気を見てみるのがおすすめです。
よくある質問
まとめ|中学生の習い事は「本人の余白」から決める
- 中学生の習い事の実施率は約5割、学習塾も約5割(中3は約6割)。習い事をしていなくても少数派ではない
- 公立中学校の学校外活動費は年額356,018円で、その大部分が学習塾費。中3は中1の約2.6倍
- 部活動には週2日以上の休養日の目安がある。睡眠は8〜10時間の確保が推奨されている
- 部活に入っていない場合も、放課後の余白を大切にして、本人が「やりたい」と言ってから始める
- 受験期は「やめる」「続ける」の二択にせず、頻度を減らす・休会するなどの中間の選択肢を考える
- 合う習い事が見つからないときは、自宅から参加できるオンラインの選択肢もある
中学生の習い事は、「周りがやっているから」「受験に役立つから」ではなく、本人の気持ちと生活の余白を軸に選ぶのが、結局は続きやすい近道です。この記事の数字は、あくまで判断材料の一つにしてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」結果のポイント・調査結果の概要(ポイント/調査結果の概要)/公表数値等の訂正(ページ)
- ベネッセ教育総合研究所・東京大学社会科学研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査」2015-23 学校外の学びの状況 習い事・学習塾に関するデータ集(PDF)
- 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」令和6年度(発表ページ/統計資料)
- 文部科学省・スポーツ庁・文化庁「部活動改革に関する最終とりまとめ」(2025年5月16日)(ページ)
- スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」FAQ(ページ)
- スポーツ庁「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について(概要)」(PDF)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月)(PDF)
- 文部科学省「令和7年度 高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)」(PDF)
- 公文式「会費とお支払い方法」(ページ)/「中学生・高校生の公文式」(ページ)
- Life is Tech!(公式サイト)
- NIJIN放課後プロジェクトスクール(トップ/学費/プロジェクト/よくある質問)
いずれも2026年10月4日に確認しました。


