「ゲームばかりで大丈夫?」不登校の子のロブロックスが学びと居場所に変わるまで

「ゲームばかりで大丈夫かな」。お子さんがロブロックス(Roblox)に夢中な姿を見て、そう感じたことはありませんか。

特に学校へ行けない時期が続くと、「勉強をしないでゲームをしていて大丈夫だろうか」「このまま外とのつながりが減ってしまわないだろうか」と、心配になる保護者の方もいると思います。

NIJINアカデミーは、不登校の小学生・中学生などがオンラインでつながる、子どもたちの“居場所”であり“学びの場”です。ここでは、ロブロックスは「取り上げるもの」ではなく、子どもたちが仲間とつながり、つくり、表現するための入り口になっています。

この記事では、実際にNIJINアカデミーの子どもたちが、ロブロックスを通じてどのような時間を過ごし、遊びを学びや人とのつながりへ広げているのかをご紹介します。

この記事で分かること

  • 不登校の子にとってロブロックスが居場所になる理由
  • 遊びがデザインや動画制作、表現へ広がった実例
  • ロブロックスを通して子どもたちが使っている力
  • 保護者が確認しておきたい安全設定と見守り方
目次

ロブロックスは「遊びだけ」ではない

ロブロックスは、世界中のユーザーが公開しているゲームを遊ぶだけでなく、自分でキャラクターやアイテム、3D空間などをつくれるオンラインプラットフォームです。

Roblox公式の教育ページでも、ロブロックスは、子どもたちが探索や遊び、深い思考に向かうための新しい学びの入り口として紹介されています。

ただし、ロブロックスをしていれば、自動的にすべての力が伸びるというわけではありません。何をつくったのかを仲間に見せる、工夫したことを説明する、一緒に活動する人がいるといった環境が、遊びを学びへ広げていきます。

子どもたちが自分たちで“活動”をつくっている

オンラインフリースクールでロブロックスの活動をつくる子どもたち

NIJINアカデミーのロブロックスは、大人が用意したカリキュラムをこなすものではありません。子どもたち自身が「やりたい」を持ち寄って、活動が生まれています。

たとえば、人気のゲームをみんなで遊ぶ「ロブロックス会」は、クラスの時間割のなかに定期的に組み込まれています。「今日はクラス会議のあと、みんなでロブロックス」といった具合に、勉強や工作の時間とゲームの時間が地続きにつながっていて、子どもたちが自然に集まってきます。

決まった曜日に自由参加で開かれる回もあり、「見学だけ」「遊びに来るだけ」でも歓迎される、ゆるやかな場になっています。

なかには、特定のゲームをとことん極める子もいます。難易度の高いモードに挑戦して高いレベルまで到達したり、自分のプレイを動画にまとめて仲間に共有したり。「すごいね!」と友だちから声がかかり、それがまた次の挑戦につながっていく――そんな循環が生まれています。

実際の活動については、 「好きなゲームでつながる!ロブロックスサークル」 でも紹介しています。

遊びが「つくる」「表現する」に変わっていく

ロブロックスの魅力は、ただ遊ぶだけでなく、自分で世界をつくれるところにあります。アカデミーの子どもたちも、遊び手から作り手へと自然に歩みを進めています。

ロブロックス上でオリジナルの服をデザインしてみた子がいます。

「販売はできないけど、つくれるからつくってみた」

この一言に、“好き”を起点に自分から手を動かす主体性がよく表れています。

子どもがロブロックスでデザインしたオリジナル衣装のアバター
生徒がロブロックス上でデザインした、オリジナルの服を着たアバター(前姿・後ろ姿)。

さらに、自分だけのオリジナルキャラクター(OC)を生み出して、そのキャラクターを主役にイラストや物語を描いた子もいます。

子どもが描いたロブロックスのオリジナルキャラクター
「ロブロックスのキャラクターかいたよ」と共有された、子どもの手描きイラスト。

さらに、ロブロックス好きの仲間で情報を語り合うコミュニティを、子ども自身が立ち上げた例もありました。

好きなものが同じ仲間と出会い、自分たちで場をつくって盛り上げていく。こうした経験は、大人に教えられて身につけるのではなく、“夢中”の先で、子どもたちが自分からつかみ取っていくものです。

ロブロックスの中で子どもたちが使っている4つの力

子どもたちの様子を見ると、ロブロックスの活動のなかで、次のような力を使っていることが分かります。

  1. 考えて形にする力
    服やキャラクター、遊び方などを考え、自分なりの方法で形にします。
  2. 試してやり直す力
    うまくいかなかったときに、別の方法を調べたり、何度も挑戦したりします。
  3. 伝える力
    自分のプレイや作品を動画や画像にまとめ、仲間に工夫を説明します。
  4. 人と場をつくる力
    仲間を誘い、活動を考え、共通の「好き」を持つ人が集まれる場をつくります。

マインクラフトでも、ゲームでの建築が創造、設計、発信などへ広がる子どもたちがいます。詳しくは、不登校の子がマイクラから学ぶ|ゲームが強みに変わる理由で紹介しています。

保護者の方から届いた声

ロブロックスに対して、はじめは戸惑いを感じていたという保護者の方からも、こんな声が届いています。

我が家にとって、ロブロックスは世界を広げたり、親子でコミュニケーションが取れるツールにもなっています。一緒に自然遊びができる仲間ができたり、少しずつ心の氷が溶けていくのを感じています。

ゲームが親子の会話のきっかけになり、オンラインでの出会いが現実の友だち関係にもつながっていく。お子さんの毎日に小さな成長が積み重なっていく様子を、保護者の方が近くで見守れることも、アカデミーならではの魅力です。

知らない人との交流は大丈夫?確認したい安全設定

先生が見守るオンラインフリースクールの活動

「ゲームに夢中になりすぎないか」「知らない人とつながって大丈夫か」「勝手に課金してしまわないか」といった不安は、多くのご家庭が抱くものだと思います。

Robloxでは、保護者用アカウントを子どものアカウントと紐づけることで、年齢などに応じて次のような設定を管理できます。

  • 1日のスクリーン時間
  • アクセスできるコンテンツの範囲
  • 友達やチャットなどの交流範囲
  • 課金額や支出上限
  • プライバシーに関する設定

詳しい設定方法は、Roblox公式「保護者コントロール」で確認できます。

NIJINアカデミーでは先生が活動を見守る

NIJINアカデミーでは、子どもたちの活動をスタッフ(先生)が見守りながら進めています。クラスの時間割のなかに活動が位置づけられているからこそ、遊びっぱなしにならず、「みんなで」「安心して」楽しめる場になっています。

活動の中では、年齢に応じたルールやネットマナーも学びます。言葉の行き違いや困ったことが起きたときに相談できる大人がいることも、オンラインで活動するうえで大切です。

オンラインで安心して友達とつながれる場所の選び方については、ホームスクーリングでも友達とつながれる|マイクラで全国交流でも詳しく紹介しています。

“好き”を我慢させるのではなく、“好き”を安心して深められる。その環境が、子どもの主体性や創造性、仲間とのつながりを育てていきます。

「ゲームをやめさせる」前に、子どもが見ている世界を聞いてみる

画面に向かう時間が長いと、保護者が心配になるのは自然なことです。睡眠や食事、運動などとのバランスを考えることも必要です。

そのうえで、すぐにゲームをやめさせる前に、子どもがロブロックスの中で何をしているのか、少し聞いてみてください。

「今、どんなゲームをしているの?」

「どこが一番おもしろい?」

「この服はどうやってつくったの?」

「誰かに見せるとしたら、どこを見てほしい?」

評価や指導をするためではなく、興味を持って聞くことが、子どもの考えを言葉にするきっかけになります。

学校へ行けていない時期にも、学びが止まっているとは限りません。好きなことに集中し、試し、つくり、仲間に伝えている。その力を安心できる人や場所とつなぐことで、ゲームは次の活動へ進む入り口になります。

動画で見る|【マイクラ】「理想の学校づくりコンテスト」で優勝した小学生の建築がすごかった!

この記事の内容を確かめるための一次資料

学校以外の学びの場は、この10年で制度が大きく変わりました。いまは「学校復帰だけがゴールではない」というのが国の公式な立場です。選択肢の全体像と、それぞれが制度上どう扱われるかを押さえておくと、進路の話が現実的になります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」全国84校。旧・不登校特例校の全リスト
文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」高校に通わずに大学受験資格を得る制度
文部科学省「就学援助」学用品費・給食費などの経済的支援
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?

A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。

Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?

A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。

Q. 費用が心配です

A. 教育支援センターは原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。

Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?

A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。

Q. 近くに通える場所がありません

A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

NIJINアカデミーを見学してみませんか

ロブロックスに限らず、NIJINアカデミーには、マインクラフト、Scratchでのゲームづくり、写真、イラストなど、子どもたちの「好き」を起点にした活動がたくさんあります。

それぞれの子が、自分のペースで、自分の興味から学びと居場所を見つけています。

「うちの子にも合うかな?」と少しでも気になった方は、ぜひ一度、アカデミーの様子をのぞいてみてください。


本記事は、アカデミー内での子どもたちの活動をもとに作成しています。掲載にあたっては、子どものプライバシー保護のため、氏名・アカウント情報など個人が特定できる情報は掲載していません。

参考情報
・Roblox Education
・Roblox公式「保護者コントロール」

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