- 外出への不安が強かった中学生が、どんな順番で人とのつながりを取り戻していったか
- 「好きなこと」を入口にしたコミュニケーションが、なぜ子どもの世界を広げるのか
- 1対1の専任サポートと、同じ「好き」で集まるサークルの役割の違い
- NIJINアカデミーの実際の雰囲気(動画あり)
この記事は、全国から1,000名を超える子どもたちが入学したオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」に実際に在籍する生徒の歩みをもとにご紹介しています。ご本人・ご家族の同意を得て、お名前はイニシャルにしています。
「家にいても、することがない」——Tさんが抱えていた気持ち
中学2年生のTさんが外出することに不安を感じるようになったのは、小学5年生の終わり頃のことでした。
家では楽しく過ごせていたものの、最近では「家にいても、することがない」と落ち込むことも増えていきました。学校に行けているかどうかよりも、その子の毎日から「楽しみ」と「人とのやりとり」が少しずつ減っていくことのほうが、ご家族にとっては心配だったといいます。
人とコミュニケーションをとることの楽しさを、もう一度感じてほしい。友だちがほしい。そんな思いから、Tさんと専任サポートとの1対1の時間が始まりました。
「好きなこと」なら、いくらでも話せる
専任サポートは、担当スタッフが週1回の面談とチャットで、その子だけに伴走する仕組みです。「何をするか」を先に決めるのではなく、「その子に今、何が必要か」から始めるため、100人いれば100通りの時間になります。
Tさんとの時間で話題になったのは、大好きなポケモンやトレーナーのことでした。
「このポケモンが好き」「このトレーナーが好き」。好きなものについて話す時間は、少しずつ「会話を楽しむ時間」に変わっていきました。
もう一つの「好き」は、ゲーム「トモコレ」のデザイン
そして、Tさんにはもう一つ大好きなことがありました。ゲーム「トモコレ」でのデザインです。Tさんが作ったキャラクターや服を見せてもらうと、その完成度の高さに驚かされます。

1対1の安心できる関係の中で、自分の「好き」を深め、それを誰かに伝える。そんな小さな経験を重ねる中で、Tさんは少しずつ「好きを話すって楽しい」という感覚を取り戻していきました。
先に「友だちを作ろう」と目標を置くと、子どもにとってはハードルが高くなりがちです。先にあるのは「話したいことがある」という状態。好きなものについて安心して話せる相手が一人いることが、その後のつながりの土台になります。
次の一歩は、「ポケモンサークル」への見学
そんなTさんに、あるきっかけが訪れます。
NIJINアカデミーには、好きなことをテーマに子どもたちが集まるさまざまなサークルがあります。ポケモン、ロブロックス、フォートナイト、鉄道、イラスト——学年も住んでいる地域もばらばらの子どもたちが、「好き」だけを共通点に集まる場所です。
Tさんは、大好きなポケモンをテーマにした「ポケモンサークル」を見学することにしました。
「見てみる」だけのはずが
最初は「見てみる」だけだったはずが——なんと、そのままサークルに入ることになりました。
1対1の専任サポートとの会話から、少しずつ仲間のいる場所へ。Tさんの世界が、広がった瞬間でした。
「大好きなポケモン」を、今度はみんなに
そして、その翌月。
Tさんは、大好きなポケモントレーナーについてのクイズを作り、サークルのみんなに披露しました。Tさんが出すクイズに、みんなが答えていきます。会場は大盛り上がりでした。
自分が大好きなものを、自分の言葉で伝える。そして、それを仲間が「面白い!」「もっと知りたい!」と受け止めてくれる。そこには、以前のTさんにはなかった新しいコミュニケーションの形がありました。
「好き」を話すことが、誰かとつながることになる。Tさんにとって、それは大きな発見でした。
「好き」が、また別の「好き」につながっていく
Tさんの世界が広がったのは、ポケモンだけではありません。
イラストが好きなNIJINアカデミー生とつながり、今度は「アイビスペイント」の使い方を教えてもらうことに。また、「トモコレ」好きの仲間と集まって、自分で描いた作品をみんなに披露しました。

「上手!」「すごい!」
自分の「好き」を見てもらい、認めてもらう。その喜びは、また誰かと話してみたいという気持ちにつながっていきます。
Tさんが飛び込んだのは、どんな場所?
NIJINアカデミーは、oViceを使ったバーチャル校舎に、全国どこからでも入れるオルタナティブスクールです。8〜10人程度の少人数・異年齢クラスで、授業だけでなくホームルームやクラス会議、そしてサークル活動が行われています。
言葉で説明するより、実際の様子を見ていただくのが早いかもしれません。子どもたちが自分の興味を発表し合う「全校ホームルーム」の一場面です。
カメラや音声をオフにしたままの参加、チャットやリアクションボタンだけでの参加も可能です。「顔を出す」「声を出す」こと自体がハードルになっている子でも、まずは見ているだけのところから始められます。
Tさんの世界を広げた大きな一歩
まずは、人と話すこと。好きなことを話してみること。誰かに自分のことを知ってもらうこと。そして、自分の「好き」を誰かと共有すること。
1対1の安心できる関係から始まったコミュニケーションは、少しずつ仲間とのつながりへと広がっていきました。
「ポケモンが好き」「イラストが好き」「トモコレが好き」。そんな何気ない「好き」が、誰かと出会うきっかけになる。そして、「もっと誰かとつながってみたい」という次の一歩を生み出していきます。
Tさんの物語は、子どもの世界を広げるのは、必ずしも大きな一歩ではないことを教えてくれます。その子が安心できる場所で、その子の「好き」に耳を傾けること。そこから生まれた小さな「話してみたい」が、やがて「誰かとつながりたい」に変わっていくのかもしれません。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。話さない子、動かない子に見えていたとしても、その子の中には必ず語りたい「好き」があります。それが安心して出せる場所かどうかだけが、違いを生んでいるのだと思います。
よくある質問
まとめ
Tさんの歩みを振り返ると、順番がはっきりしています。安心して話せる大人が一人できたこと。その相手に「好き」を話せたこと。同じ「好き」で集まる場所を、まずは見学したこと。そして、自分から発信してみたこと。どの一歩も、飛び越えるような大きさではありませんでした。
お子さんが今、家の中で「することがない」と言っていたとしても、その子の中の「好き」がなくなったわけではありません。それを安心して差し出せる相手と場所があれば、世界は少しずつ広がっていきます。専任サポートでは、一人ひとりの「好き」を大切にしながら、子どもたちが自分らしく誰かとつながれる場所をつくっていきます。
「好き」から始められる居場所を、のぞいてみませんか
Tさんのように、1対1の専任サポートから始めて、少しずつ仲間とつながっていく子がたくさんいます。NIJINアカデミーは全国どこからでも通える小中一貫のオルタナティブスクール。見学だけ、カメラ・音声をオフにしたままの参加でも大丈夫です。
NIJINアカデミー
「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。
無料体験に申し込む ▶
