東京都は、フリースクール等に通う小中学生の家庭に対して利用料の月額上限2万円を助成しています。さらに港区・品川区・荒川区・足立区・板橋区・北区・葛飾区の7区は、都の助成に上乗せする独自制度を設けています(2026年8月時点で公式ページを確認できたもの)。この記事では、都の制度の中身、区の上乗せ、申請の順番、注意点を、すべて公式ページの記載にもとづいて整理しました。

結論|東京都で使える助成は「都の月2万円」+「7区の上乗せ」の2階建て
まず全体像です。東京都にお住まいでフリースクール等を利用している(または利用予定の)小中学生の保護者は、東京都の助成金が土台になります。そのうえで、お住まい・在籍校のある区に上乗せ制度があれば、あわせて申請できます。
| 段 | 制度 | 助成額 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 1階 | 東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金) | 利用料の月額上限2万円 | 東京都(オンラインまたは郵送) |
| 2階 | 区独自の上乗せ助成(7区で確認) | 月額1万〜2万円 | お住まい・在籍校のある区 |
区の上乗せは、いずれも「東京都の助成金の交付決定を受けていること」が前提条件です。順番としては必ず都の申請が先になります。
東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)とは
東京都生活文化局私学部が所管する、不登校の小中学生がフリースクール等を利用する際の利用料を助成する制度です。以前は「調査研究への協力金」という枠組みで実施されていましたが、現在は助成金として運用されています。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 助成額 | フリースクール等の利用料に対し月額上限2万円(利用料が2万円以下の場合はその実額) |
| 対象外の費用 | 入会金・施設維持費・教材費は対象外 |
| 対象の子ども | 都内在住の不登校の小・中学生で、日中にフリースクール等へ通所している(通所予定を含む)。夜間・休日のみの利用は対象外 |
| 対象の保護者 | 都内在住の子の親権者または未成年後見人/利用料を負担している/子どもが在籍する学校と日常的に連絡を取ることができる方 |
| 対象となる施設 | 民設民営の通所型施設/不登校支援を主たる目的とする/週1日以上開所/学校・教育委員会と連携可能/反社会的勢力でないこと |
| 申請受付期間 | 令和8年5月27日〜令和9年2月12日(令和8年4月分まで遡って申請可) |
| 支給 | 四半期ごと |
| 申請方法 | オンライン(マイページ登録)または郵送 |
出典:東京都フリースクール等利用者等支援事業(公式サイト)/制度の詳細ページ/東京都生活文化局「フリースクール等に関連する支援事業について」
見落としやすい3つのポイント
区の上乗せ助成|公式に確認できた7区の一覧【2026年8月時点】
以下は、各区の公式ページで内容を確認できたものです。いずれも都の助成金の交付決定が前提で、都の助成を差し引いた自己負担分に対して支給される形が一般的です。
| 自治体 | 制度名 | 対象 | 上限額 | 受付 |
|---|---|---|---|---|
| 港区 | 港区フリースクール等利用料助成金 | 都助成金の交付決定を受けた区内在住の保護者 | 月額2万円 | 令和8年9月1日〜令和9年3月31日 |
| 品川区 | 品川区フリースクール等利用料助成金 | 都助成金の交付決定を受け、区立学校に在籍する児童・生徒の保護者 | 月額2万円 | 四半期ごと(締切 令和9年3月31日) |
| 荒川区 | 荒川区フリースクール等利用児童生徒支援補助金 | 都助成金の交付決定を受け、区内在住かつ区立学校在籍 | 月額2万円(年間24万円) | 四半期ごと(締切 令和9年3月31日) |
| 足立区 | 足立区フリースクール等利用者支援助成金 | 都助成金の交付決定を受けた区内在住の保護者等 | 月額2万円 | 初回申請 令和9年3月30日必着 |
| 板橋区 | 板橋区フリースクール等利用料助成金 | 都助成金の交付決定を受けた区内在住の保護者 | 月額2万円 | 令和8年8月10日〜令和9年3月31日 |
| 北区 | 北区フリースクール等利用者支援事業助成金 | 都助成金の交付決定を受け、区立学校に在籍する児童・生徒の保護者 | 月額1万円 | 令和8年8月3日〜令和9年3月31日 |
| 葛飾区 | 葛飾区フリースクール等利用者支援事業助成金 | 都助成金の交付決定を受け、保護者・児童生徒ともに区内在住 | 月額1万円 | 令和8年7月22日〜令和9年3月31日 |
各区の公式ページ:港区/品川区/荒川区/足立区/板橋区/北区/葛飾区。金額・受付期間は年度ごとに変わります。申請前に必ず各区の最新ページをご確認ください。
上記以外の区市町村はどうなっている?
世田谷区・渋谷区・中央区・江戸川区・千代田区・新宿区・文京区・台東区・墨田区・江東区については、東京都の公式ポータルで確認した限り区独自の上乗せ制度の記載はありませんでした(=都の月額2万円のみ)。ただし各区とも、ほっとスクール(世田谷区)、けやき教室(渋谷区)、わくわく21(中央区)、みらいサポート教室(江戸川区)といった無料の教育支援センターを設けています。
目黒区・大田区・中野区・杉並区・豊島区・練馬区、および八王子市・町田市など多摩地域の市部については、今回の調査では独自制度を確認できませんでした。「無い」と断定できるものではないため、お住まいの教育委員会に直接ご確認ください。
区市町村別の支援内容は、東京都のTOKYO多様な学びの場・居場所ナビ(区市町村別支援)で一覧できます。

申請の流れ|「施設を決める → 都に申請 → 区に申請」の順番
助成金と「出席扱い」は別の制度です
混同しやすいのですが、助成金の交付決定は「出席扱い」を保証するものではありません。出席扱いは、文部科学省の通知にもとづき、在籍校の校長が教育委員会と連携して判断します。
| 東京都の助成金 | 出席扱い | |
|---|---|---|
| 決めるのは誰 | 東京都(生活文化局) | 在籍校の校長(教育委員会と連携) |
| 目的 | 利用料の経済的負担の軽減 | 指導要録上の出欠の取扱い |
| 共通の前提 | どちらも「保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること」が土台になります | |
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日・元文科初第698号/自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて/文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」
助成金以外に、東京都で使える支援
| 支援 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| バーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP) | 3Dメタバース空間の居場所・学びの場。令和8年度は全40自治体等が参加 | 無料 |
| 区市町村の教育支援センター(適応指導教室) | 日中に通える公的な居場所。区ごとに名称が異なる | 無料 |
| 東京都教育相談センター/相談ほっとLINE@東京 | 子ども・保護者向けの相談 | 無料 |
| 不登校の子供を支える保護者のひろば | 保護者向けセミナー・トークイベント・個別相談 | 無料 |
| 受験生チャレンジ支援貸付事業(福祉局) | 学習塾等受講料30万円・受験料等。所得要件あり。無利子・進学すれば返済免除 | 貸付 |
| 就学援助(実施主体は区市町村) | 学用品費・修学旅行費・給食費・オンライン学習通信費など。金額は自治体ごと | 給付 |
出典:東京都教育委員会「令和8年度バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業」/VLP公式サイト/東京都の支援/不登校の子供を支える保護者のひろば/受験生チャレンジ支援貸付事業/文部科学省「就学援助制度について」/東京都教育委員会「不登校・中途退学対策」
つらい気持ちが続くときは、ひとりで抱えこまないでください。24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省・24時間365日・無料)は、子どもからでも保護者からでもかけられます。
校長・星野達郎の解説(YouTube)
制度の話の前に、まず子どもの状態をどう見るか。不登校の子と暮らす家庭に向けた解説です。
ここまでは制度の話でした。ただ、保護者の方がいちばん知りたいのは「実際にその子はどうなったのか」だと思います。NIJINアカデミーに通う子どもたちと保護者の話を、そのまま記事にしています。
実際に通っている子どもたち・保護者の話
助成の対象になる通い先を、まず見学から探せます
NIJINアカデミーは全国のリアル教室と、自宅から参加できるオンラインの両方があります。在籍校と連携した出席認定の実績も公開しています。見学・相談だけでも大丈夫です。
NIJINアカデミー
「ALL HAPPY」を掲げる小中一貫のオルタナティブスクール。累計1,000名以上が入学し、在籍校と連携した97%の出席認定率を公表しています。
助成を使うと、実際の負担はいくらになる?
「月額上限2万円」と言われても、自分の場合いくら軽くなるのかは見えにくいものです。フリースクールの利用料は施設によって幅がありますが、月2〜5万円あたりが中心的な価格帯です。都の助成と区の上乗せを当てはめると、実質負担はこう変わります。
| 月々の利用料 | 都の助成のみ | 都+区の上乗せ(月2万円の区) | 都+区の上乗せ(月1万円の区) |
|---|---|---|---|
| 20,000円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 30,000円 | 10,000円 | 0円 | 0円 |
| 40,000円 | 20,000円 | 0円 | 10,000円 |
| 50,000円 | 30,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
あくまで考え方を示した目安です。区の上乗せは「利用料の1/2から都の助成額を引く」(港区)など算定式が区ごとに違い、そのとおりの金額にならないことがあります。実際の額は必ず各区の公式ページ・窓口でご確認ください。入会金・施設維持費・教材費は助成の対象外です。
この表を見ると、月2万円前後の施設なら都の助成だけで実質負担がゼロに近づくことがわかります。見学のときに「月々の利用料はいくらか」を、入会金や教材費と分けて聞いておくと、この計算がすぐにできます。
併給できない場合があります
品川区のように「他自治体の同種助成との併給不可」と明記している区があります。また荒川区は「前年度分の住民税・国民健康保険料を滞納していないこと」を条件に挙げています。区ごとに条件が異なるため、都の交付決定通知が届いたら、まず区のページを頭から読み直してください。
フリースクール側への支援制度もあります
ここまでは保護者が受け取る助成の話でしたが、東京都には施設(事業者)側への補助もあります。「東京都フリースクール等支援事業」で、常勤職員の人件費に対し補助率3/4・上限150万円、非常勤は補助率3/4・上限75万円と公表されています。
保護者にとって直接の給付ではありませんが、これは施設選びのときのひとつの目安になります。都の支援事業に参加している施設は、都・学校・教育委員会との連携を前提に運営しているということだからです。見学のときに「都の支援事業の対象になっているか」「都の利用者助成の対象施設か」を聞いてみてください。
出典:東京都フリースクール等支援事業(事業者向け)/東京都報道発表(令和7年度・事務局および所管課の記載)
見学のときに聞いておくと、あとで困らない5つのこと
| 聞くこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 月々の「利用料」はいくらか(入会金・施設維持費・教材費と分けて) | 助成の対象は利用料のみ。申請書に書く金額がここで決まります |
| 週に何日開所しているか | 都の対象施設要件が「週1日以上開所」です |
| 日中に通う形か、夜間・休日のみか | 夜間・休日のみの利用は都の助成の対象外です |
| 学校・教育委員会との連携実績はあるか | 都の対象施設要件であり、出席扱いの相談にも直結します |
| 在籍確認や利用実績の証明書を出してもらえるか | 申請時に施設側の書類が必要になる場合があります |
よくある質問
Q. 東京都の助成金は、どのフリースクールでも使えますか?
A. 対象は「民設民営の通所型施設で、不登校支援を主たる目的とし、週1日以上開所し、学校・教育委員会と連携可能な施設」と公表されています。検討している施設が対象になるかは、施設側と都の公式ページの要件で確認してください。
Q. オンラインのフリースクールも対象になりますか?
A. 都の制度は通所型の施設を対象としています。オンライン中心の場合は対象外となる可能性があるため、必ず事前に事務局へ確認してください。
Q. 去年もらったので、今年は申請しなくていいですか?
A. いいえ。公式ページに「毎年度の申請が必要」と明記されています。前年度に交付決定を受けていても、再申請・再審査になります。
Q. 入会金や教材費も助成されますか?
A. 対象は利用料のみで、入会金・施設維持費・教材費は対象外と公表されています。見学時に費目を分けて確認しておくと申請がスムーズです。
Q. 助成金をもらえば、学校の出席にもなりますか?
A. 別の制度です。出席扱いは在籍校の校長が判断します。どちらも「学校との連携が保たれていること」が前提になるので、担任・管理職への相談は早めに通しておいてください。
Q. 都外に引っ越したら、同じ制度はありますか?
A. 制度は自治体ごとに大きく違います。全国の状況はフリースクールの補助金・助成金 全国まとめで確認できます。
🔗 あわせて読みたい
制度の全体像はフリースクールの補助金・助成金 全国まとめ、費用の相場はフリースクールの費用はいくら?にまとめています。東京都内の施設を探すなら東京のフリースクール一覧、制度そのものを知りたい方はフリースクールとは?完全ガイドから。学年別では小学生のフリースクール完全ガイド・中学生のフリースクール完全ガイド、手続きは不登校の「出席扱い」完全ガイド、自宅から通える選択肢はオンラインフリースクール比較をどうぞ。
まとめ|東京都は「2階建て」。順番を間違えないことがいちばんの近道
東京都のフリースクール助成は、都の月額上限2万円が土台で、7区がその上に月1〜2万円を上乗せしています。区の制度はすべて都の交付決定が前提なので、必ず都 → 区の順で進めてください。
そしてもうひとつ。都の助成の保護者要件には「在籍校と日常的に連絡を取ることができる方」が含まれています。学校との関係を細くても保っておくことが、助成にも、出席扱いにも、そして子どもが戻れる場所を残しておくことにもつながります。制度は年度ごとに変わるので、申請前には必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。
「〇〇市から通えるフリースクール5選」もあります
お住まいの市から実際に通える範囲にしぼって、通学時間・費用・開所日を比較した記事もあります。
