「欠席が多いと、高校に行けないのでは」。中3のこの時期、いちばん重くのしかかる不安だと思います。
先にお伝えしたいことが1つあります。出席日数は、合否を決める基準として置かれているものではありません。そもそも調査書に出欠の記録を書く欄がない都道府県があります。2027年度(令和9年度)入試から、欄を外す県もあります。
使われる資料は県ごとに違います。だから、全国共通の答えを探すより、お住まいの県の調査書の様式を1回見るほうが、ずっと早く安心できます。
いま、やることは3つだけです
- 「〇〇県 公立高等学校入学者選抜 実施要項」で検索する(教育委員会のページを開きます)
- 調査書の様式を開いて、出欠欄があるかを自分の目で見る
- 要項の中を「不登校」で語句検索する(Ctrl+F、Macは⌘+F)
うちの県の調査書に、欠席日数は載る?
県によって違います。そもそも書く欄がない県があります。
たとえば東京都です。東京都教育委員会の令和8年度東京都立高等学校入学者選抜の調査書の作成についてを見ると、記載欄はこうなっています。
「学籍の記録」「各教科の学習の記録」「総合的な学習の時間の内容及び評価」「諸活動の記録」など。出欠の記録を書く欄はありません。つまり都立高校では、欠席日数そのものが調査書で伝わることはありません。
どの県が欄をなくしたかは、調査書には何が書かれる?記載項目と、出欠欄をなくした県・開示請求のことにまとめています。

欠席が多いと、受験できないの?
「欠席が多いから出願できない」は、国が避けるよう求めている扱いです。
文部科学省は毎年、都道府県に通知を出しています。最新版が高等学校入学者選抜等における配慮事項等について(通知)令和8年6月30日です。今の中3が受ける入試が対象です。
書かれていることを、意味とセットで並べます。
| 通知が求めていること | 保護者にとっての意味 |
|---|---|
| 在籍する学校における出席の状況のみをもって不利益な取扱い(例えば、欠席日数のみをもって出願を制限するなど)をしないようにすること | 「欠席が多いから出願できない」は国が避けるよう求める扱い |
| 欠席日数欄を設ける場合は、欠席の理由を記載できる欄を設けたり、入学志願者が自ら欠席の理由について申告できる機会を設けたりすること | 日数だけが独り歩きしないよう、理由を伝える手段がある |
| 生徒の自己申告書や学校以外の場(家庭におけるオンライン学習を含む。)における学習状況に係る資料等を選抜において適切に勘案すること | 学校の外での学びも選抜の資料になり得る |
| 不登校生徒が志願しやすいように募集時の内容を工夫すること | 不登校生を対象にした枠を置く自治体がある |
3つめに注目してください。家でのオンライン学習も、選抜の資料になり得ると国が書いています。学校に行けた日数だけで見る、という前提ではありません。
2019年10月25日の不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)にも、同じ趣旨があります。「高等学校で学ぶ意欲や能力を有する不登校生徒について、これを適切に評価することが望まれること」。
実際に、どんな配慮があるの?
調査書を出さない選抜や、全員が出す自己申告書など、県ごとに道が用意されています。
公開されている3つの県の例を見てみます。
埼玉県|2027年度入試から、調査書に出欠を書かない
令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施基本方針では、調査書の記載項目を2つと定めています。「各教科の学習の記録」(9教科5段階の評定)と「総合的な学習の時間の記録」です。
従来あった「出欠の記録」は、項目から外れました。そのかわり全受検生が「自己評価資料」を提出し、それに基づく面接が行われます。
もう1つあります。同実施要項には「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」があります。出願できるのは、在学中学校長が該当を認めた者です。この選抜は調査書を資料としません。学力検査・面接・特色検査の得点と、自己申告書の内容で選抜します。
東京都|チャレンジスクールは調査書を出さなくていい
東京都立高等学校チャレンジスクール入学者選抜実施要綱には、こう明記されています。「調査書の提出は必要としない。また、自己PRカードに代えて学校所定の志願申告書を提出する」。
学力検査も実施しません。面接と作文で選抜します。対象は六本木・大江戸・世田谷泉・稔ヶ丘・桐ヶ丘・小台橋・立川緑と、八王子拓真のチャレンジ枠です。
大阪府|自己申告書は、原則全員が出す
大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項では、自己申告書は「原則として、志願者が作成する」とされています。高等学校長はこれを「アドミッションポリシー(求める生徒像)に基づく選抜を行う際の資料」とします。
書き方は高校入試の自己申告書とは?書き方と、欠席が多いときに使える都県別の仕組みで詳しく扱っています。

自分の県のことは、どこで調べる?
教育委員会のサイトで、調査書の様式を1回見るのがいちばん早いです。
- 「〇〇県 公立高等学校入学者選抜 実施要項」で検索する。ドメインが
pref.〇〇.lg.jpなどの教育委員会のページを開きます。「令和9年度」が今の中3の入試です。 - 「様式集」か「調査書」のPDFを開き、出欠欄があるか自分の目で見る。あるなら、欠席理由や本人申告の欄も確認します。
- 要項の中を「不登校」で検索する。PDFはブラウザ上で Ctrl+F(Macは⌘+F)で語句検索ができます。特別選抜や自己申告書の扱いは、たいていここに書かれています。
- 公表時期を押さえる。東京都の令和8年度分は前年9月下旬、大阪府は前年10月中旬の公表でした。まだ出ていなければ、前年度版で全体像をつかんで大丈夫です。
- 進路指導担当に、県の様式を見ながら聞く。「うちの県はどうですか」より、様式を指さして聞くほうが話が早いです。
出席扱いにしてもらうと、受験に効く?
日数が増えるだけではありません。学びの中身が記録に残ります。
フリースクールや自宅でのICT学習が出席扱いになると、その日は欠席ではなく出席として指導要録に記録されます。調査書は指導要録をもとに作られるので、出欠欄がある県ではそこに反映されます。
ただし、反映されるのは日数だけではありません。ここが大事なところです。
自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについてには、こうあります。学習の成果を評価に反映する場合は「学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合」とし、指導要録には「児童生徒の学習状況を文章記述するなど」適切に記載する、と。
つまり、学びの中身を学校に伝えておくことが、記述や評定につながり得ます。日数を数えるだけの制度ではありません。
要件は、保護者と学校との十分な連携・協力関係、訪問等による対面指導、理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムなどです。詳しくは不登校の「出席扱い」完全ガイド、学校への頼み方は不登校の出席扱い、学校にどう頼む?にまとめています。
学校の外で過ごす場には、フリースクール、教育支援センター(適応指導教室)、家から参加できるオンラインの居場所(NIJIN放課後プロジェクトスクールなど)があります。どこで過ごしても、記録の残し方の考え方は同じです。
中3の9月から申請しても遅い?
正直に言うと、いまから積み上がる日数は限られます。ただ、目的を「日数を増やすこと」から「話せる材料をつくること」に置きかえると、意味が変わります。自己申告書や面接で、何に取り組んだかを具体的に説明できる。そのための記録づくりだと考えるほうが実際的です。
出席日数があまり関係しない進路はある?
あります。調査書そのものを出さない高校もあります。
| 進路 | 選抜のしくみ(確認できた例) |
|---|---|
| チャレンジスクール(東京都立) | 調査書の提出が不要。学力検査を実施せず、志願申告書・面接・作文で選抜 |
| クリエイティブスクール(神奈川県立) | 県の説明では学力検査を行わず特色検査(面接)を共通の検査として実施し、調査書は観点別学習状況を資料とする |
| 定時制課程 | 東京都では学力検査を5教科のうち3教科を下らない範囲で各校が定め、面接を実施 |
| 通信制課程 | 選抜方法は学校ごとに別に定められ、書類・面接・作文などで行われる |
ここは誤解されやすいところです。これらは「学力に自信がない子の受け皿」ではありません。通い方や学び方の設計そのものが違う学校です。
今からだと、何をいつやればいい?
9月にやることは1つ。県の調査書の様式を見ることです。
- 9月中|県の様式と、不登校を対象にした選抜の有無を確認する。出欠欄があるかないかで、この先の作戦が変わります。ここが出発点です。要項が未公表なら前年度版で見ておきます。
- 10月|進路面談で、志望の幅を紙に出す。全日制・定時制・通信制・チャレンジスクール系を並べます。出願資格と必要書類を一覧にすると、比べられるようになります。
- 10月〜11月|説明会・個別相談に申し込む。本人が行けないこともあります。保護者だけで参加できるかを、先に問い合わせてください。
- 11月〜12月|自己申告書の下書きを始める。欠席の理由より、何に取り組んだかを具体的に書きます。いきなり清書しなくて大丈夫です。
- 12月〜1月|出願書類の準備と、受検当日の配慮の相談。別室受検や休憩が必要なら、中学校を通じて早めに申し出ます。

出席日数が気になる中学生と、その先の高校選びへ
中学生のうちは、学校外で学んだ日を出席扱いにしてもらう道があります。NIJINアカデミー(にじいろと同じ株式会社NIJINが運営)では希望した生徒の97%が在籍校で出席扱いになっています(2026年4月までの実績/出席認定のページ)。高校は、出席日数よりも自分のペースで高卒資格をめざせるニジ高(NIJIN高等学院)という選択肢もあります。受験の不安は、相談・体験会でそのまま質問できます。
学校のことで子どもがつらい気持ちを抱えているときは、24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(子ども本人からも保護者からも・文部科学省の案内)。
よくある質問
同じ質問をよく受けます。短くお答えします。
Q. 欠席日数が何日を超えると不利になりますか
「何日で不利」という全国共通の基準は、公表されていません。文部科学省は、在籍校での出席の状況のみで不利益な取扱いをしないよう求めています。数字を探すより、お住まいの県の調査書に出欠欄があるかを確認するほうが確実です。
Q. 私立高校の入試ではどうなりますか
私立は各校が選抜方法を定めます。そのため、出願条件に欠席日数の目安を置く学校もあります。募集要項の「出願資格」を確認してください。個別相談で「欠席が多いのですが出願できますか」と直接尋ねるのも早いです。
Q. 自己申告書には欠席の理由を正直に書くべきですか
理由の説明より、これから何をしたいかに紙面を使うほうが伝わります。大阪府の様式はこう問うています。「中学校等の生活でどんな経験をし、何を学びましたか。また、それを高等学校でどのように生かしたいと思いますか」。この設問に答える形で書けば大丈夫です。
Q. 中3の今からでも出席扱いの申請は間に合いますか
申請自体はいつでもできます。認められれば、以後の日数が出席として扱われます。残り期間で積み上がる日数は限られますが、学習の記録が残ります。自己申告書や面接で示せる材料になる点に価値があります。
受験と並行して、学校の外の時間も考えておきたい人へ
自己申告書や面接で「何に取り組んできたか」を話せるようになるのは、日数を数えることからではありません。夢中になれる時間があることからです。NIJIN放課後プロジェクトスクールは、家から参加できる放課後の居場所です。イラスト、配信、メタバースでの活動など、やることは子どもの「好き」から決まります。送り迎えは要りません。どんな時間を過ごしているのか、のぞいてみてください。


