- 英語力ゼロでも入れる学校と、入れない学校の分かれ目
- 入学時の英語力の見られ方(4つのパターン)と、公式で確認できた学校の実例
- 年齢別(幼児・小学校低学年・高学年・中高生)の入りやすさ
- ESL・EALとは何か、英語サポートの有無と年額費用(3校の実額)
- 入学テストの中身と、最初の半年の現実
- 「話せる」と「授業がわかる」の差、家庭でできる準備、よくある誤解
- 見学・体験で学校に聞く10のこと、オンラインという選択肢
結論:英語が話せなくても入れる学校はある。ただし「入れる」と「ついていける」は別
「うちの子は英語がまったく話せないけれど、インターナショナルスクールに入れるのだろうか」。これは、検討を始めた保護者がまず抱く、いちばん大きな不安です。答えは「学校と年齢による」です。幼児のクラスや、英語が初めての子を受け入れる前提の学校なら、英語力ゼロで始める家庭は珍しくありません。一方で、小学校高学年以上になると、英語力を条件にする学校が増えていきます。
ここで大切なのは、「入学できるか」と「入学後に困らないか」を分けて考えることです。入学のハードルが低い学校でも、授業が英語で進む以上、最初の数か月は言葉の壁にぶつかります。反対に、入学時に英語力を求める学校でも、入ってからのサポートが手厚いとは限りません。入口と入学後の両方を見て、はじめて「うちの子に合うか」が判断できます。
| 年齢の区分 | 英語力ゼロでの入りやすさ | 先に確認したいこと |
|---|---|---|
| 幼児(プリスクール・幼稚部) | 入りやすい。英語が初めての子を前提にした園や、日本語のサポートがある園が多い | 英語を使う時間の割合、保育時間、無償化の対象か |
| 小学校低学年 | 学校による。面接や体験で様子を見て決める学校が多い | 英語サポート(ESL・EAL)の有無と年額、途中入学の可否 |
| 小学校高学年 | 厳しくなる。学年相当との差を条件にする学校がある | 何学年の差まで受け入れるか、サポートの時間数 |
| 中学・高校 | 最も厳しい。英検などの目安を示す学校もある | 授業の言語、卒業資格、進学先 |
この表は、公式サイトで確認できた各校の記載(後の章で一覧にします)と、年齢に応じて授業の難しさが上がるという一般的な事情から、編集部が整理したものです。全国の学校を網羅した統計は確認できませんでした。
英語力ゼロの不安は3つの軸で整理できます
細かい話に入る前に、この記事の骨組みを3つにまとめます。
01
入学時の見られ方
英語力を問わない学校から、複数年の英語教育を条件にする学校まで幅があります。
02
英語サポート
ESL・EALがあるかどうかと、年額の費用。確認できた3校では年14万〜50万円でした。
03
最初の半年
授業内容の理解に時間がかかる時期。家庭での受け止め方と学校との連絡が鍵になります。
金額は、にじいろが各校の公式サイトで確認した実額にもとづく目安です。
3つの軸のうち、いちばん見落とされやすいのは3つ目です。入学の可否ばかりに目が行きがちですが、実際に子どもが通い続けられるかどうかは、最初の半年をどう過ごすかで大きく変わります。この記事では、そこまで踏み込みます。
学校は英語力をどう見ているか——4つのパターン
インターナショナルスクールの入学選考は、学校によってかなり違います。公式サイトの記載を読み比べると、英語力の扱いは大きく4つのパターンに分けられます。どのパターンの学校かを知るだけで、準備の方向がはっきりします。
英語力の扱いは4パターンに分かれます
- 入学前の英語力は不問と書く学校
- 幼児クラスで「英語が初めてでも可」とする学校
- 入学後の英語サポートで追いつく前提
- 模擬授業や面接で、子どもの反応を観察
- 点数ではなく意欲や取り組み方を見る
- 英語力の「基準線」は書かれないことが多い
- 複数年の英語教育を受けていることを条件にする
- 英語で行う適性検査や面接がある
- 途中入学(編入)で特に厳しくなりやすい
- 保護者の少なくとも1人が英語に堪能であることを求める
- 学校との連絡が英語で行われる
- 家庭での学習支援も英語前提になりやすい
分類は、公式サイトの記載をもとにした編集部の整理です。1つの学校が複数のパターンを併用することもあります。
1つ目の「英語力を問わない」学校は、入学のハードルがもっとも低い一方で、入学後の授業が英語で進むことは変わりません。「不問」と書いてあるのは、入口で英語力を理由にしないという意味で、「英語ができなくても授業が楽」という意味ではありません。
2つ目の「面接・体験で様子を見る」学校は、数値の基準を出さない代わりに、子どもの様子を見て判断します。ここで見られているのは、英語の正確さよりも、知らない言葉の中に入っても落ち着いていられるか、先生の問いかけに反応できるか、といった力です。
3つ目と4つ目は、小学校高学年以上や、途中から入る場合に多くなります。保護者の英語力を条件にする学校があることは、見落とされやすい点です。子どもが英語ゼロでも、保護者が英語で書類を読み、先生とやりとりできることを求める学校があります。
公式サイトで確認できた、学校別の英語力の扱い
ここでは、にじいろが公式サイトで確認できた範囲で、学校ごとの英語力の扱いを並べます。対象は一部の学校だけで、全国のインターナショナルスクールを網羅したものではありません。記載がない項目は「確認できませんでした」としています。
| 学校 | 確認できた英語力の扱い | 出典 |
|---|---|---|
| AICJ大阪校 | 随時募集では、インターナショナルスクールなどで複数年の英語教育を受けている、またはそれと同等の英語教育を受けていることが条件。選考は英語を主とする適性検査と児童面接(第1学年〜第5学年は若干名) | 公式の出願案内 |
| 関西学院大阪インターナショナルスクール | 英語力の基準は、確認したページに明記なし。面接と、能力やニーズの評価を行う。学習面の特性は個別に評価し、受け入れ可否を判断すると記載 | 公式の入学案内 |
| 横浜インターナショナルスクール | 保護者の少なくとも1人が、英語で話す・読む・書くことに堪能であることを求める記載。専用の英語サポート制度は、確認したページでは確認できませんでした | 公式の出願案内 |
| LCA国際小学校(一条校) | 英語力の条件は明記なし。模擬授業(日本語・英語)でコミュニケーションを取りながら様子を観察 | 公式の入学案内 |
| オキナワインターナショナルスクール | 初等部は英検の級より意欲を重視。中等部は英検3級以上が目安、高等部IBは英検2級以上が目安 | 既存記事で確認 |
| 沖縄クリスチャンスクールインターナショナル | 小学低学年は面接で確認。高学年は学年との差が2学年以内、中学は1学年以内、高校は学年相当の英語力 | 既存記事で確認 |
同じ「インターナショナルスクール」でも、条件の置き方は正反対と言ってよいほど違います。沖縄クリスチャンスクールインターナショナルのように、学年が上がるごとに「許される英語力の差」を縮めていく学校もあれば、AICJ大阪校のように、英語教育の経験そのものを条件にする学校もあります。
許される英語力の差は、学年が上がるほど小さくなる
沖縄クリスチャンスクールインターナショナルの入学条件を、「学年との差」で並べました(高校は学年相当)。
出典:にじいろの既存記事で確認した同校の入学条件。小学校低学年は「面接で確認」とあり、学年との差の数値は確認できませんでした。
このグラフの意味は単純です。小学校のうちは「少し遅れていても受け入れる」が、中学では1学年、高校では学年相当まで求められる。つまり、英語ゼロから始めるなら、早いほど選択肢が広いということです。

年齢別に見る、英語力ゼロでの入りやすさ
英語力ゼロでの入りやすさを、いちばん大きく左右するのは年齢です。理由は2つあります。1つは、学年が上がるほど授業の内容が抽象的になり、英語力の遅れがそのまま理解の遅れにつながること。もう1つは、学校側が「追いつくのに必要な時間」を見積もって、受け入れるかどうかを決めることです。
年齢が上がるほど、入口の条件は厳しくなります
公式サイトの記載と、学年が上がると授業が難しくなる一般的な事情をもとにした、編集部の整理です。
「英語が初めてでも可」は、藤沢市の記事で確認した幼児クラスの記載です。今回あらためて原文を開いた際は、該当の文言までは読み取れませんでした。
幼児期は、英語を「勉強」ではなく「環境」として受け取れる時期です。園での遊びや歌、先生とのやりとりを通じて、自然に英語の音に慣れていきます。この時期に英語ゼロから始める家庭が多いのは、そのためです。ただし、園の中で英語を使う時間の割合や、日本語での保育がどれだけ入るかは園によって違います。「インターナショナル」と名乗っていても、英語で過ごす時間が短い園もあるので、見学で必ず確認してください。
小学校に上がると、事情が変わります。読み書きや算数が授業の中心になり、先生の説明も英語です。低学年ならまだ「面接で様子を見る」学校が多いのですが、高学年になるほど、学年相応の内容を英語で学ぶ力が前提になります。英語ゼロからの途中入学は、早いほど選択肢が残ります。
中学・高校では、授業そのものが高度になるため、英語力の目安を明示する学校が出てきます。オキナワインターナショナルスクールの例では、中等部は英検3級以上、高等部のIBは英検2級以上が目安でした。英語ゼロの状態からこの年齢で入るのは、学校の種類を選ばないと難しいのが現実です。
ESL・EAL(英語サポート)とは何か。あるのか、いくらかかるのか
ESLは「English as a Second Language(第二言語としての英語)」、EALは「English as an Additional Language(追加言語としての英語)」の略で、英語を母語としない子どもが、授業についていけるように英語を教える仕組みのことです。学校によって名称は違い、「英語サポート」「英語補習」「Language Support」などと呼ばれます。
ここで注意したいのは、英語サポートがあるかどうかは学校ごとに全く違い、サポートがあっても別料金の学校が多いことです。授業料の表には載らず、別紙の費用一覧に書かれていることがあります。にじいろが公式サイトで確認できた3校では、英語サポートの費用は次のとおりでした。
英語サポートの年額——3校で約3.6倍の差
同じ「英語サポート」でも、費用は学校によって大きく違います。
出典:にじいろの既存記事(学費・選び方)で、各校の公式サイトから確認した金額。支援の時間数や期間は、今回確認できませんでした。
年14万円と年50万円では、3倍以上の差があります。ただし、金額だけで比べるのは危険です。週に何時間受けられるのか、少人数なのか個別なのか、何学年まで受けられるのか、といった中身が違えば、同じ金額の意味は変わってきます。各校の支援の時間数や形式は、今回確認できませんでした。見学で必ず聞いてください。
授業料と英語サポートの費用を足すと、負担の全体像が見えてきます。下のグラフは、小学生の年間授業料に英語サポートの年額を重ねたものです。
授業料に英語サポートを足すと、年間の負担はこうなります
小学生の年間授業料と、英語サポートの年額を重ねました。
授業料と英語サポートは、にじいろの既存記事で公式サイトから確認した金額。合計は編集部の試算で、入学時の費用・バス・給食などは含みません。
仮に英語サポートを2年間受けるなら、沖縄クリスチャンスクールで約28万円、大阪YMCAで約35万円、ホライゾンジャパンで約100万円になります(編集部の試算。料金が変わらず、毎年同額という仮定です)。英語ゼロで始める家庭は、授業料のほかに、この「英語サポート×年数」を最初から予算に入れておくのが安全です。
学費の全体像は、インターナショナルスクールの学費を実額で整理した記事にまとめています。入学時の費用や12年間の総額まで含めた予算づくりには、そちらを併せて使ってください。
英語サポートがある学校でも、知っておきたい「限界」
英語サポートがある学校に入れば安心、とは言い切れません。サポートには限界があるからです。知っておきたい点を3つに分けて整理します。
- 授業で使う英語の語彙や言い回しを、別の時間に補う
- 先生の指示や教室での会話に慣れる
- 授業の内容を、やさしい英語で説明し直す
- 学年が上がるほど増える、読み書きの量への対応
- 母語(日本語)での学びの継続
- 学校外の宿題や、保護者への英語の連絡の負担
1つ目の限界は、時間です。英語サポートは、授業時間のうち一部に充てられるのが一般的で、残りの時間は通常の授業に参加します。サポートの時間が短ければ、通常の授業の理解は家庭の力に頼ることになります。
2つ目は、期間です。サポートを受けられる期間や学年を区切っている学校もあります。「入学後の1年間だけ」「小学校の間だけ」といった条件がつくことがあるので、入学前に確認が必要です。各校の期間は、今回確認できませんでした。
3つ目は、母語の問題です。英語中心の環境に入ると、日本語の読み書きが後回しになりがちです。国語や日本の歴史・文化を、学校がどれだけ扱うかは学校によって違います。この点は、帰国後の進路や、日本の学校への転校の可能性とも関わるため、義務教育との関係を整理した記事も参考にしてください。

入学テストでは何を見られるのか
「英語力ゼロだと、入学テストで落とされるのではないか」と心配する声は多いものの、入学選考で見られているのは、英語の点数だけではありません。公式サイトの記載を読むと、学校が見ようとしているものは、おおむね次の4つに整理できます。
入学選考で見られているのは、4つのこと
英語力は、そのうちの1つにすぎません。
01
子どもの様子
知らない大人や環境の中で、落ち着いていられるか。先生の呼びかけに反応できるか。LCA国際小学校は、模擬授業で様子を観察すると案内しています。
02
学習の基礎
年齢相応の算数や言語の力。関西学院大阪インターナショナルスクールは、面接と能力やニーズの評価を行うと案内しています。
03
英語の経験
AICJ大阪校の随時募集のように、複数年の英語教育を条件にする学校もあります。
分類は、公式サイトの記載をもとにした編集部の整理です。
ここから分かるのは、英語ゼロの子が落ちる理由は、英語力だけではないことです。学校が「うちの教室で、この子が安心して過ごせるか」「サポートが足りるか」を見ていることが多く、英語力の不足がそのまま不合格になるとは限りません。
一方で、AICJ大阪校のように、英語教育の経験を明確に条件にしている学校では、英語力ゼロは出願の資格を満たしません。出願の前に、募集要項の「出願資格」を必ず読み、書かれていない場合は問い合わせてください。募集の時期や定員も、学校によって違います。AICJ大阪校の場合、第二回の募集は2026年10月25日から11月18日の出願で、第1学年のみが対象と案内されていました。随時募集は、第1学年から第5学年まで若干名です。
選考の流れは学校ごとに違いますが、典型的な形は次のとおりです。
入学までの流れは、5つのステップが典型です
学校ごとに違いがあります。
湘南ホクレア学園の例では、家族面接が約45分、選考料は1名あたり22,000円と案内されていました(2026年度の募集案内)。
出願の費用や入学時の費用は、学校によって幅があります。くわしくは、入学条件を整理した記事で、出願資格・書類・時期をまとめています。
入学してからの最初の半年は、こう過ごすことが多い
入学が決まったあとの、最初の半年の現実を整理します。以下は、特定の家庭の体験談ではなく、第二言語として英語を学び始める子どもについて、一般的に想定される流れを編集部が整理したものです。実際の様子は、子どもの年齢・性格・学校のサポートによって大きく変わります。
最初の半年は、3つの時期に分けて考えます
あくまで一般的な想定で、すべての子に当てはまるものではありません。
期間の目安は、編集部が一般的な第二言語習得の考え方を踏まえて整理したものです。一次資料での裏づけは、今回確認できませんでした。
ここで保護者に知っておいてほしいのは、「黙っている時期」があるのは珍しくない、ということです。子どもは、話さなくても聞いて理解を積み上げています。この時期に「どうして話さないの」と責めると、子どもは英語そのものを避けるようになります。まずは「聞こえるようになってきたね」と、小さな変化を認めることが大切です。
もう1つは、疲れです。1日中、わからない言葉に囲まれて過ごすのは、大人が想像する以上にエネルギーを使います。帰宅後に機嫌が悪くなったり、朝に行き渋ったりすることは、環境が変わったときによくある反応です。ただし、学校に行きたがらない状態が長く続く場合は、担任やサポートの先生に早めに相談してください。
学校に合わない、通えない、という悩みは、英語の問題ではなく、環境との相性に原因があることもあります。その場合は、にじいろの他の記事(不登校や学校に合わない子の選択肢)も参考になります。
「話せる」と「授業がわかる」は、別の力
英語ゼロから始める家庭が最も誤解しやすいのが、この点です。友だちと遊んで英語で会話できるようになると、「もう大丈夫」と思いがちです。ところが、日常会話ができることと、英語で授業を理解することは、別の力です。
日常の会話と、授業の英語は別ものです
- 身ぶりや表情、状況がヒントになる
- 短い文・やさしい語で通じる
- 数か月で伸びを感じやすい
- 抽象的な言葉・書き言葉が多い
- 教科ごとの専門用語を覚える必要がある
- 伸びを感じるまでに長い時間がかかる
言語教育の分野で広く知られた考え方(日常会話と学習言語の区別)を、編集部が整理しました。必要な年数の目安は、今回一次資料で確認できませんでした。
日常会話は、身ぶりや場面がヒントになるため、比較的早く身につきます。しかし、理科の実験の仕組みを説明したり、歴史の出来事を論理的に書いたりする英語は、まったく別の語彙と文の組み立てを必要とします。この「学習言語」が追いつくには、日常会話よりずっと長い時間がかかると言われています。具体的な年数は、確認できた一次資料がないため、ここでは示しません。
だからこそ、英語サポートの内容には「会話」だけでなく「教科の英語」が含まれているかを確認してください。サポートが日常会話中心なら、授業の理解は家庭や学校外の学びで補う必要が出てきます。
同時に、日本語の力も守る必要があります。母語で考える力が育っていると、第二言語の学習にも良い影響があるとされます。日本語の読書や、家庭での会話を大切にしてください。英語と日本語のどちらも中途半端になる事態は、避けたいところです。

入学前に家庭でできる準備
英語ゼロの状態で入学するなら、入学前の準備は「英語を詰め込むこと」ではありません。むしろ、新しい環境に入る子どもの気持ちを整えることが中心です。家庭でできる準備を、優先度の高い順に並べます。
入学前の準備は、5つの順番で進めます
順番は、編集部が整理した一般的な目安です。
もう少し具体的に言うと、子どもに英語を教え込む必要はありません。そもそも、入学前に急いで英語を詰め込むと、「英語は苦しいもの」という印象が先に残ってしまう危険があります。大切なのは、英語の音や響きに対して「楽しい」「知っている」という感覚をつくっておくことです。
保護者の準備も、見落とされがちです。学校からの連絡が英語で届く場合、読み取る手段がないと、持ち物や行事の連絡を逃してしまいます。翻訳アプリを使う、先生に簡単な英語や日本語で伝えてよいか聞く、日本語のできる事務スタッフがいるか確認するなど、入学前に連絡のしかたを決めておくと安心です。
なお、英語の学習歴がある程度あれば、入学時の条件が広がる学校もあります。ただ、英検などの資格取得を目的に詰め込む必要はありません。オキナワインターナショナルスクールの初等部が「英検の級より意欲を重視する」と案内しているように、年齢が低いほど、資格より子どもの意欲が見られる傾向にあります。
よくある誤解——「英語ゼロは無理」「入れば自然に話せる」
英語ゼロの家庭にまつわる誤解を、整理します。極端な思い込みは、学校選びの判断を誤らせます。
よくある誤解と、実際に確認できること
| よくある誤解 | 実際には |
|---|---|
| 英語ゼロは入学できない | 英語力を問わない学校や、面接で様子を見る学校がある。ただし、複数年の英語教育を条件にする学校もある |
| 入れば、自然に英語が話せるようになる | 日常会話は早く伸びやすいが、授業の英語は別の力。サポートや家庭での補い方が影響する |
| 英語サポートがあれば安心 | 別料金のことが多く、時間数や期間の上限もある。内容の確認が必要 |
| 早く入れるほど有利 | 幼児期は入りやすいが、日本語の力や子どもの成長に合うかも大切。年齢だけで決めない |
| 保護者の英語力は関係ない | 保護者の英語力を条件にする学校がある(横浜インターナショナルスクールの例) |
| インターナショナルスクールなら日本の卒業資格が出る | 一条校なら出るが、各種学校や無認可の学校では出ない。くわしくは学費・義務教育の記事で確認 |
特に重要な誤解は、「早く入れるほど有利」というものです。確かに、英語を身につけるには、低年齢のうちから英語に触れるのが有利と言われます。ただし、子どもの性格や、日本語の発達、家庭の方針との相性によっては、時期をずらしたほうがうまくいくこともあります。「今すぐ決めなければ手遅れ」というものではありません。
もう1つの誤解は、「英語サポートがあるから、英語ゼロでも問題ない」という考えです。サポートの質や量は学校によって差があり、子どもによって合う合わないもあります。サポートの有無ではなく、中身を確認することが大切です。
英語ゼロの家庭の選択肢を、並べて比べる
英語ゼロから始めるときの選択肢は、通学型のインターナショナルスクールだけではありません。幼児なら英語プリスクール、そして自宅で学べるオンラインのインターもあります。それぞれの特徴を、「英語ゼロでの始めやすさ」「日本の卒業資格」「通学の負担」「費用の軽さ」で比べます。
英語ゼロの家庭の4つの選択肢
○は有利、△は学校による、×は不利を表します。
| 通学型(一条校) | 通学型(各種学校) | 英語プリスクール | オンラインのインター | |
|---|---|---|---|---|
| 英語要件のなさ | △ | △ | ○ | ○ |
| 日本の卒業資格 | ○ | × | 対象外 | × |
| 通学の負担 | × | × | △ | ○ |
| 費用の軽さ | × | × | △ | 未公表 |
編集部の整理です。オンラインのインターの「日本の卒業資格」は、NIJIN GLOBAL ACADEMYの公式ページで高卒資格の発行をしないと案内されていることにもとづきます。費用は、公式ページで金額が公表されていませんでした。
「どれがいちばん良いか」は、家庭の優先順位で決まります。日本の卒業資格を重視するなら一条校、英語ゼロからの始めやすさと通学の負担の軽さを重視するならオンラインや幼児向けの園が候補になります。それぞれのメリットと注意点は、メリット・デメリットの記事と、オンラインのデメリットを整理した記事で、くわしく整理しています。
学校の種類ごとの違いと、選ぶときの順番は、選び方の記事にまとめました。幼児のプリスクールと、小学校以降のインターの違いは、プリスクールとインターの違いの記事を参照してください。

見学・体験で学校に聞く、英語ゼロの家庭の10のこと
ここまでの内容を、学校に問い合わせるときの質問にまとめました。英語ゼロの家庭は、通常の質問に加えて、英語サポートと入学後の連絡に関する質問が欠かせません。見学や体験の前に印刷するか、メモに写しておいてください。
英語ゼロの家庭が、学校に聞いておく10のこと
質問は、公式サイトの記載の読み方と、この記事で確認できた各校の条件にもとづく編集部の整理です。
質問に対する答えは、必ず書面かメールで残してください。口頭の説明だけだと、入学後に「聞いていた話と違う」ことが起きやすいからです。特に、英語サポートの時間数・期間・費用は、入学後に変更されることもあるため、いつの時点の条件かを確認しておくと安心です。
見学では、教室での子どもたちの様子も見てください。英語がまだ流暢でない子が、どのように授業に参加しているか、先生がどんな声かけをしているかは、パンフレットには載らない情報です。ただし、見学で見られるのは、その日の1コマにすぎないことも忘れないでください。
費用の見積もりは、無償化・補助金の記事もあわせて確認してください。幼児期は、無償化の対象になる園とならない園があり、実際の自己負担が大きく変わります。
通えない・合わないときの選択肢——オンラインのインターナショナルスクール
英語ゼロの家庭にとって、通学型のインターナショナルスクールは、入学条件・費用・通学の負担のいずれもハードルが高くなりがちです。そんな家庭の選択肢の1つが、自宅から学べるオンラインのインターナショナルスクールです。にじいろは、オンラインインターナショナルスクール「NIJIN GLOBAL ACADEMY(NGA)」を運営する株式会社NIJINが編集しています。ここでは、NGAの公式ページで確認できたことを、弱点も含めて正直に書きます。
NIJIN GLOBAL ACADEMYの、公式ページで確認できたこと
- 英語要件なし。日英バイリンガルのメンターが伴走し、日本語のサポートを受けながら英語に触れる
- 対象は6〜18歳。オンラインのライブ授業
- 少人数(8名)の対話型。授業言語は英語と日本語
- フルスクール型(平日昼間中心)と、ダブルスクール型(放課後16:00〜と土曜)を選べる
- 開校は2027年9月予定。まだ開校していない
- 日本の高卒資格そのものは発行しない(希望者はCambridge IGCSE/A-Levelの取得が可能)
- 学費の金額は公式ページでは未公表。開校情報メールの登録者へ、最初に案内される予定
- オンラインのため、対面で友だちと過ごす時間とは性質が違う
出典:NIJIN GLOBAL ACADEMY公式ページ(2026年10月7日時点)。無料体験クラスは2026年9月から毎月開催予定、個別相談は随時受付と案内されています。
NGAの特徴は、英語ゼロの子が、日本語のサポートを受けながら英語に触れていける設計になっていることです。通学型の学校では「英語サポートが別料金で、時間も限られる」ことが多いのに対し、日英バイリンガルのメンターが伴走する形は、英語ゼロの家庭にとって負担の軽い入口になり得ます。
一方で、弱点も正直にお伝えします。まず、開校は2027年9月の予定で、現時点ではまだ通えません。日本の高卒資格を発行しないため、日本の大学受験や進学に必要な資格は、別の方法で整える必要があります。学費の金額は公開されておらず、通学型と比べてどれだけ抑えられるのかは、確認できていません。オンライン学習そのもののデメリットは、別の記事で整理しています。
通学型のインターに行けない、または入ってからの不安が大きい。そんな家庭にとっては、「まず無料体験で、子どもが英語に触れる様子を見る」という進め方もあります。入る・入らないを決める前に、実際の授業の雰囲気を見られるのは、オンラインの利点です。
よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- AICJ大阪校「出願について」(ページ)
- Osaka International School of Kwansei Gakuin「Admissions」(ページ)
- Yokohama International School「Admissions」(ページ)
- LCA国際小学校「入学案内・募集要項」(ページ)
- 湘南ホクレア学園「新入学のご案内」(ページ)
- 神奈川インターナショナルスクール「クラス」(ページ)
- Shonan International School「Grade School」(ページ)
- 文部科学省「就学事務Q&A」(ページ)
- 文部科学省「大学入学資格について」(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY公式ページ(ページ)
- オキナワインターナショナルスクール、沖縄クリスチャンスクールインターナショナル、大阪YMCAインターナショナルスクール、ホライゾンジャパンインターナショナルスクールの条件・費用は、にじいろの既存記事(入学条件・選び方・学費)で各校の公式サイトから確認したものを引用しています。
確認できなかった点:各校の英語サポートの時間数・期間、保護者の英語力を条件にする学校の全体像、英検の級の目安、第二言語習得に必要な年数の一次資料、小学校の外国語(英語)の授業時数。いずれも推測では書いていません。藤沢市の幼児クラスの「英語が初めてでも可」、湘南ホクレア学園の「入学前の英語力は不問」は既存記事で確認した記載で、今回あらためて原文を開いた際には読み取れませんでした。


