こんにちは!NIJINアカデミー(以下、ニジアカ)のボランティアスタッフ、コージーです。
今回は、小学5年生の かしわもちさんにインタビューをしました。
1年生の頃から学校に行けない日々が続いていた彼が、ニジアカとの出会いをきっかけに、少しずつ自分の世界を広げています。
今回は、かしわもちさんとお母さまのお話を交えながら、その歩みと想いを紹介します。
「夏バテ」から始まった“行きたくない”の日々
かしわもちさんが不登校を経験し始めたのは、小学1年生の夏から。
一言で不登校について彼に形容してもらったら、「夏バテです!!」とのことでした。いろいろな事に疲れて学校を休み、少しずつ登校できなくなっていきました。
当時のことを、かしわもちさんは淡々と話します。
家では、ドラえもんなどのアニメを見たり、レゴで遊んだりして過ごす日々。
学校から離れて、時間の流れがゆっくりになっていきました。
タツロー校長との出会いが、世界を少し変えた
転機が訪れたのは、運動会の季節。
お母さまがインターネットで「不登校 運動会 行けない」と検索したときに、タツロー校長のYouTube動画を見つけたことが、すべての始まりでした。
「お兄ちゃんも不登校で、最初はお兄ちゃんのために調べていたんです。
そして、タツロー校長の動画を見つけて考え方にすごく感動しました。
そこからニジアカのHPにたどり着き、“ここなら前向きになれるかもしれない”と感じ、体験に申し込んだんです。そのとき、弟のかしわもちにも『一緒にやってみようか』と声をかけました。」
お母さまはそう振り返ります。
当時は、パソコン操作もほとんど経験がないので、「難しいかもしれない」と思っていたそうです。
体験授業に参加してみると――。
「授業の入り方を丁寧に教えてもらって、入りやすかったです」
と、かしわもちさんは振り返ります。
初めてのオンライン授業に少し緊張しながらも、「ここなら続けられるかもしれない」と感じた瞬間でした。

「やってみたい!」が広がっていく毎日
今、毎日自分のペースでサッカーの練習をしています。
目標はリフティング30回。現在は2回ほどですが、「休みの日は必ず練習している」と笑顔で話します。
チームに所属するよりも、自分のペースで挑戦する方が性に合っているようです。
もうひとつの得意分野はパソコン。
今では、マイクラをパソコン版で楽しみ、マイクラ部にも所属。
「最初はスイッチで遊んでいたけれど、今はパソコン。操作もすっかり覚えました。」
さらに、Canvaを使ってプレゼン資料を作り、EDIX大阪セミナーでは企業ブースで”navimaの学習効果”について発表した経験もあります。
お母さまも驚くほどの吸収力。
「最初はローマ字表を横に置いてタイピングしていたのに、いつの間にかローマ字表を見ないでタイピングできるようになっていました」と笑います。

自分のペースで過ごせる“自由な居場所”
かしわもちさんがニジアカを好きな理由を聞くと、少し考えてからこう答えました。
「気軽に行けること。休みたいときは休めるし、ゆっくり入れるのがいい。自由がある」
その「自由」は、彼にとって安心の土台です。
マイペースに活動しながらも、やりたいことが見つかればすぐ動く。
最近では運動会の企画運営チームに初めて参加し、仲間と一緒に種目を考えています。
「運動会にはいろいろな種目があるから、想像力が必要で頭をつかって大変です。
自分の頭の中をアウトプットするのが難しいけど、資料を作ったり台本を練習したりしています。」
発表の準備も、見やすさや話す順番まで工夫するようになりました。

かつて家の中で過ごしていた頃には想像もできなかった、「チームで何かを作る」経験。
お母さまは、そんな息子の変化をやさしく見守っています。
「以前は家から出たがらず、外に出るのをすごく嫌がっていました。
ニジアカに入ってから、外出の機会が増えて、自分の想いを話せる場所ができた。
クラス内での発言、お友達との会話など、いろいろな場所で話せるようになりました。
また、いつもやりたいことを探しているように見える。それが、大きな変化です」
自分では気づかない「変化」
「自分では、あんまり変わっていないと思う」
そう言いながらも、かしわもちさんの表情はどこか柔らかい。
お母さまによると、以前は感情をうまく表現できず、癇癪を起こすこともあったそうです。
それが今では、やり切ったあとの満足そうな笑顔を見せるようになりました。
「人から見たら変わったかもしれないけど、自分ではちょっとだけ。
サッカーもできるようになったし、プレゼン力も上がったかな」
ほんの少しの変化を、確実に積み重ねている。
その姿は、まさに「自分のペースで進む」ニジアカの学び方そのものです。
「中学生になったら、YouTuberになりたい」
将来の夢を尋ねると、迷いなくこう答えてくれました。
「YouTuberになりたい!」
理由を聞くと、少し照れながら「家でYouTubeを見ていて、やってみたいと思った」と笑顔。
ただし、今は準備期間だと話します。
「中学生になったらやる。今はプレゼン力とか、人前で話す力を鍛えてるところ」
夢に向かって一歩ずつ。
“やる前に学ぶ” という姿勢が印象的です。

「決めたらぱっぱとやればいい」
最後に、これからニジアカに入ろうと思っている人にメッセージをお願いしました。
「決めたらぱっぱとやればいい。とりあえずやってみる。突っ走れ!」
なぜそう思うのかと尋ねると、
「人生は短いから。やりたいことをやった方がいいと思う」と答えました。
小学生とは思えないほど、まっすぐで潔い言葉。
「やらない理由より、やる理由を探す」――そんな生き方を、彼はもう実践しています。
お母さまのまなざしから
お母さまは、インタビューの最後にこんな言葉を残してくれました。
「子どもって、吸収力がすごいですね。
最初は私が心配していたパソコン操作も、今では子どもに教えてもらっています(笑)。
もしニジアカに出会っていなかったら、家に閉じこもっていたかもしれない。
でも今は、挑戦できる場所があって本当にありがたいです。」
終わりに
ニジアカで過ごす中で、かしわもちさんは“やってみる”力を育てていました。
これからも、自信をもって自分の未来を切り拓いていくことでしょう。
ニジアカは、そんな彼が自分のペースで挑戦し、表現できる大切な場所。
私たちは、これからもその歩みをそっと見守っていきたいと思います。

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この記事の内容を確かめるための一次資料
不登校をめぐる情報は、体験談と一般論が混ざりやすい分野です。いま国が何を方針としているかを押さえておくと、学校や自治体とのやりとりで迷いにくくなります。とくに出席扱いの要件は、知っているかどうかで選べる道が変わります。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| 文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」 | 全国84校。旧・不登校特例校の全リスト |
| 文部科学省「生徒指導提要」 | 学校の生徒指導の基本方針(改訂版) |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 学校を休ませてもいいのでしょうか?
A. 教育機会確保法の第13条は「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と条文で明記しています。休むことは制度の外側にある逸脱ではなく、法律が想定している状態です。
Q. どこに相談すればいいですか?
A. まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)です。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。
Q. 学校以外に、どんな場所がありますか?
A. 教育支援センター(適応指導教室)は原則無料の公的な居場所、学びの多様化学校は特別の教育課程を組める正式な学校、ほかにフリースクールとオンラインがあります。
Q. 出席扱いにできますか?
A. 要件を満たせば校長の判断で可能です。通所する場合は別記1、自宅でICT等を活用して学ぶ場合は別記2の要件があります。令和6年度は学校外の機関等で42,978人、自宅ICT学習で13,261人が出席扱いになっています。
Q. この先どうなるのか不安です
A. 不登校の経験がその後を決めるわけではありません。不登校を公表した著名人12人のように、別の道で力を発揮している人は多くいます。いまは先を決めるより、目の前の回復を優先してよい時期です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

