“なんでも挑戦したい”――ゆづさんが見つけた、自分らしくいられる場所

こんにちは。ボランティアスタッフのコージーです。

「なんでも挑戦したいと思ってる。チャンスがあれば、やってみたいって思うんだ。」

そう語ってくれたのは、NIJINアカデミー(以下、ニジアカ)に通う小学5年生のゆづさん。
元気でまっすぐ、自分の言葉でまっすぐ話す姿からは、かつて不安や戸惑いを抱えていたとは思えないほどの成長がにじみ出ていました。

今回は、そんなゆづさんにこれまでの歩みや今取り組んでいること、そしてこれからについて、じっくり話を聞きました。

目次

「飽きたな」と思ったあの日から

ゆづさんが学校に行かなくなったのは、小学1年生の後半ごろのこと。

「特別な理由があったわけじゃないけど、なんとなく“飽きたな”って思って。それで、行かなくなったんだ。」

その後は、3年生のころに支援センターにも通いましたが、そこも「なんとなく行かなくなった」と言います。
そんなとき、ゆづさんのお母さんがネットで見つけてくれたのが、ニジアカでした。

「とりあえずやってみよう」で始まったニジアカ生活

入学のきっかけは、お母さまがネットで見つけた紹介画像。
そこに映っていたのは、みんなで楽しそうにご飯を食べる姿。
「ご飯が好きだから、これはいいなって思った」と即決し、体験を飛ばして本入学。
「3か月くらいやって、面白くなかったらやめよう」と思っていたそうですが、気づけばニジアカの生活がすっかり日常になっていました。

最初はオンラインから

入学当初は外出が難しく、オンラインでの参加が中心でした。メタバースの校舎も不便を感じず、むしろ安心できたといいます。授業で顔出しをするのは最初だけ緊張しましたが、「回数を重ねるうちに自然と平気になった」とのこと。これも小さな成長の一つです。

最初はオンラインから

サッカーとゲーム、好きなことに夢中になれる日々

今、ゆづさんがもっとも頑張っているのは「サッカー」。

週に5日、多いときは毎日練習があるほどの本格派。平日は1時間、土日は2〜3時間。
試合では、学年によってフォワードとディフェンダーを使い分ける。ポジションごとの視点の違いにより、サッカーをより深く理解する。試合では得点を決める瞬間も、仲間のゴールを守りきる瞬間も、どちらも胸が高鳴るといいます。

さらに、サッカーと並んで好きなのが「ゲーム」。

フォートナイトサークルにも所属しており、「難しいけど楽しい」と笑顔を見せます。こうしたサークル活動は、ニジアカでの交流を広げる大切な時間になっています。

「自由があるって、めっちゃいい」

ニジアカの魅力を聞くと、「なんでもできること!」と笑顔で答えてくれました。

「先生が優しいし、いろんなことができるのが良い。すぐ馴染める子も多いし、自由があって、すごくいい。」

学びもサークルも、自分のペースで参加できます。
「勉強は、ぜんぜんやってない!」と笑って話しながらも、課題の提出はきちんとできているとのこと。
自分に合ったやり方で、無理なく学び続ける力が育っているように感じました。

ニジアカでは、生徒主体で授業内容を決めたり、新しくサークルを作ることができます。生徒の「やりたい気持ち」を先生が全力でサポートします。

小さな変化と成長

ニジアカに入る前は、長時間パソコン画面を見ると気分が悪くなっていましたが、「2か月くらいで慣れた」と克服。外出の機会は減ったものの、その分オンラインでの活動や自宅での趣味に集中できるようになりました。

サマーセミナーでの挑戦

2025年夏、ゆづさんは「愛知サマーセミナー」に講師として参加しました。

サマーセミナーでの挑戦


サッカーの講座を企画し、子どもたちにサッカーの楽しさを伝える役割を果たしました。

「やりたいなって思ったことは、やらないでいるより、なんでもチャレンジした方がいいと思ってるから。」

参加者は2人。事前準備から本番までの約1か月、毎日30分〜1時間のミーティングを重ねて企画を練りました。

講座終了後に参加者から「楽しかった、続けたい」と言われた瞬間、「やってよかった!」と心から思ったそうです。

次への課題と意欲

今年の反省点は、もっと参加者を増やしたかったということ。

「タイトルがわかりづらかったかも。もっと楽しそうなタイトルにして、興味を引きたい。」

また、大人数向けに用意していた企画も、実施できなかったことが悔しかったそうです。
「来年は、もっと人が集まってくれるように工夫したい!」と、すでに次への意欲を見せてくれました。

ゆづさんがこれからやりたいこと

「以前は、いろんなことにチャレンジしたいだけだったが、“これ”っていうやりたいことはなかったんだよね。」

そう話すゆづさんですが、今ははっきりとした目標があります。

それは、「ニジアカ運動会を開催すること」
理由は、現在ニジアカには運動会がなく、全国にいる仲間たちと直接会って交流したいからです。
さらに、運動が好きな自分だからこそ、「みんなにも運動の楽しさを知ってほしい」という思いがあります。オンラインやメタバースだけでなく、リアルな場で一緒に汗を流す――そんな時間を自ら作ろうとしているのです。

もちろん、「自分の得意を伸ばすこと」という考え方も変わっていません。
苦手を克服するより、得意なことを活かしていくスタイル。人前で話すことが得意で、サマーセミナーでも説明役を担いながら、「本当はもっと発信してみたかった」と語ってくれました。

「挑戦するって、やる前は不安だけど、やってみると楽しいんだよね」とゆづさん。
その言葉どおり、彼のこれからも、きっと新しい挑戦の連続になるはずです。

おわりに

楽しいと思える場所”があること。
自分のままでいていいんだ”と思えること。
その大切さを、ゆづさんの姿が教えてくれているように感じます。

これからも、彼の「挑戦したい!」という気持ちが、どんな形になって広がっていくのか。
とても楽しみです。


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動画で見る|【不登校】夏休み明けに増えるのは「子どもが急に行きたくなくなる」からではありません。子どもが学校に行けなくなるまでの本当の理由

この記事の内容を確かめるための一次資料

不登校をめぐる情報は、体験談と一般論が混ざりやすい分野です。いま国が何を方針としているかを押さえておくと、学校や自治体とのやりとりで迷いにくくなります。とくに出席扱いの要件は、知っているかどうかで選べる道が変わります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」全国84校。旧・不登校特例校の全リスト
文部科学省「生徒指導提要」学校の生徒指導の基本方針(改訂版)
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 学校を休ませてもいいのでしょうか?

A. 教育機会確保法の第13条は「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と条文で明記しています。休むことは制度の外側にある逸脱ではなく、法律が想定している状態です。

Q. どこに相談すればいいですか?

A. まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)です。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

Q. 学校以外に、どんな場所がありますか?

A. 教育支援センター(適応指導教室)は原則無料の公的な居場所、学びの多様化学校は特別の教育課程を組める正式な学校、ほかにフリースクールオンラインがあります。

Q. 出席扱いにできますか?

A. 要件を満たせば校長の判断で可能です。通所する場合は別記1、自宅でICT等を活用して学ぶ場合は別記2の要件があります。令和6年度は学校外の機関等で42,978人、自宅ICT学習で13,261人が出席扱いになっています。

Q. この先どうなるのか不安です

A. 不登校の経験がその後を決めるわけではありません。不登校を公表した著名人12人のように、別の道で力を発揮している人は多くいます。いまは先を決めるより、目の前の回復を優先してよい時期です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

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