「朝どうしても起きられない」「午前中は体調が悪いのに午後は元気になる」——起立性調節障害(OD)の子は、まわりから「怠けている」と誤解されやすく、本人も家族もつらい思いをしがちです。けれどこれは自律神経の働きによる身体の症状で、気合いでどうにかなるものではありません。この記事では、学校にお願いしたい配慮と、時間に縛られずに学びを続ける方法を整理します。
起立性調節障害は「怠け」ではない
起立性調節障害は、立ち上がったときに血圧や心拍がうまく調整できず、めまい・立ちくらみ・強い倦怠感・朝の起きにくさなどが起きる状態です。思春期に多くみられ、本人の意志とは関係なく症状が出ます。まず家庭と学校が「体の症状なのだ」と理解することが、回復と安心の第一歩です。サインは「起立性障害」とは?親が知っておきたいことや立ちくらみ・失神、いつ受診すべき?もご覧ください。
🎥 タツロー校長が動画で解説
タツロー校長が、中学生に不登校が増える背景と、体調で学校に行けない子への向き合い方を解説します。
このほかの解説は、タツロー校長のYouTubeチャンネル「脱・学校のタツロー校長」でもご覧いただけます。
学校にお願いしたい配慮
| 困りごと | お願いできる配慮の例 |
|---|---|
| 朝の登校が難しい | 遅刻扱いにしない/午後からの登校を認める |
| 朝礼・体育で立ちくらみ | 無理に立たせない/休める場所の確保 |
| 出席日数・評価の不安 | 別室・オンラインの出席の相談/課題での評価 |
| 体調の波が大きい | その日の体調に合わせた登下校/保健室の活用 |
診断書や医師の意見書があると、学校との相談がスムーズになることがあります。まずは担任・養護教諭に体調の状況を具体的に伝えてみましょう。

家庭でできること
「怠け」ではないと共有
体の症状だと家庭・学校で理解を合わせる。
体調に合わせて動く
良い時間帯に学ぶ・休む。無理をさせない。
できた日を責めない
波があるのが自然、と捉える。
受診・相談を続ける
医療機関や学校と連携しながら進める。
時間に縛られない学びの続け方
体調を最優先に
まず回復と休息を大切に
動ける時間に学ぶ
午後・夕方など調子の良い時間
オンライン教材
録画・自分のペースで進められる形
柔軟な進路も視野に
通信制・オンラインなど時間に自由な場
勉強法は起立性調節障害の子の勉強法、進路は通信制高校の選び方が参考になります。

NIJINアカデミーの子どもたちの声

「オンラインで本当に変わるの?」という不安に、実際に通った子どもたちの声で答えます(出典:子どもの声/保護者の声/進路実績)。
保護者の声:「多くの仲間がいるんだと思えました。社会とのつながりを感じられて、親子共にNIJINを選んで本当に良かったです。」

相談できる場所
- 学校の担任・養護教諭(保健室)・スクールカウンセラー
- 小児科・かかりつけ医(診断や治療が必要なとき)
- 自治体の教育相談窓口・教育支援センター
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
まぎらわしい用語の整理
不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。
| 用語 | 正体 | 在籍 | 費用 | 出席の扱い |
|---|---|---|---|---|
| 教育支援センター (=適応指導教室) | 市区町村の教育委員会が運営する施設 | 在籍校のまま | 原則無料 | 要件を満たせば出席扱い |
| 校内教育支援センター (=校内の別室) | 在籍校の中に置かれた部屋 | 在籍校のまま | 無料 | 出席として扱われる |
| 学びの多様化学校 (旧・不登校特例校) | 特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校) | その学校に転校 | 公立は無償/私立は学費 | 通常の出席 |
| フリースクール | NPOや民間企業が運営する民間施設 | 在籍校のまま | 月1〜5万円程度 | 要件を満たせば出席扱い |
| オンラインスクール | 自宅から参加する民間のスクール | 在籍校のまま | スクールにより異なる | 自宅ICT学習の要件を満たせば可 |
| 通信制高校・サポート校 | 高校段階の学校と、その学習を支える施設 | その高校に在籍 | 学校により異なる | 高校の在籍として扱われる |
この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。
名前が違っても中身は同じことがあります
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 朝だけ具合が悪くなります。仮病でしょうか?
A. 仮病とは限りません。起立性調節障害のように、午前中に強く症状が出て午後に回復する状態は思春期に多くみられます。本人の意思では動かせない体の反応なので、まずは小児科や児童精神科で相談してください。
Q. 受診したほうがよい目安はありますか?
A. 睡眠・食事・体重に変化があるとき、体の症状が2週間以上続くときが一つの目安です。「気のせいかも」と迷う段階で相談して構いません。学校を休む判断の根拠にもなります。
Q. 薬を飲ませることに抵抗があります
A. 治療の選択は家庭が決めることです。迷いをそのまま医師に伝えてよいですし、薬以外の選択肢や、まず生活リズムから整える方針を相談することもできます。
Q. 学校にどう説明すればいいですか?
A. 診断名だけでなく、「午前中は登校が難しいが、午後なら可能なことがある」と具体的な時間帯や条件で伝えるほうが配慮につながります。医師の意見書があると、学校側も動きやすくなります。
Q. 保護者自身がつらいときは?
A. 保護者の消耗は子どもに伝わります。厚生労働省「こころの健康」や自治体の相談窓口は、保護者本人の相談も受け付けています。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は保護者からの相談も可能です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
Q. 早く寝れば朝起きられますか?
Q. 出席日数が足りず進級・進学が心配です。
Q. 何科を受診すればいいですか?
Q. 本人が自分を責めています。
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NIJINアカデミー
「ALL HAPPY」を掲げ、自分が幸せになる力・人を幸せにする力を育てる、日本最大級のオルタナティブスクール(小中一貫)。累計1,000名以上が入学。
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※ 本記事は一般的な情報の整理です。診断・治療・出席や評価の扱いは、医療機関・学校・自治体にご相談ください。参考:文部科学省・こども家庭庁などの公的情報もあわせてご確認ください。
