フリースクール以外の不登校支援の種類

フリースクール以外の不登校支援の選択肢

「フリースクール以外にも、選べる支援はあるの?」。不登校の支援というと、フリースクールが真っ先に思い浮かぶ方は多いかもしれません。

けれども、実はそれ以外にもいくつもの選択肢があります。公的な施設もあれば、家庭で使えるサービスもあります。

この記事では、フリースクール以外の主な不登校支援を整理しました。それぞれの特徴と、わが子に合う選び方までまとめています。

📝 この記事でわかること

  • 不登校支援は大きく分けて4つのタイプがある
  • 公的な教育支援センターとフリースクールの違い
  • オンライン学習・通信制サポート校という選択肢
  • まず相談できる公的な窓口
  • わが子に合う支援の選び方
ソファでリラックスして話す親子
支援の形はひとつではありません
目次

不登校支援は大きく分けて4タイプ

不登校の支援は、フリースクールだけではありません。大きく分けると、次の4つのタイプがあります。

タイプおもな例特徴
公的な学びの場教育支援センター(適応指導教室)無料〜低額。在籍校と連携しやすい
自宅での学びオンライン教材・ICT教材外出せず、自分のペースで進められる
進路につながる学び通信制サポート校・家庭教師高校卒業資格や個別指導につながる
相談・つながりの窓口スクールカウンセラー・教育相談まず気持ちや状況を相談できる

「どれかひとつを選ばなければいけない」わけではありません。複数を組み合わせて使うご家庭も多くあります。以下で、それぞれを順番に見ていきましょう。

教育支援センター(適応指導教室)

教育支援センター(適応指導教室)は、市区町村の教育委員会が設置する公的な施設です。フリースクールと違い、無料または低額で利用できます。在籍校との連携もとりやすいのが特徴です。

学習支援だけでなく。集団生活への段階的な慣らしを目的とした活動を行っている場合が多くあります。工作やスポーツ、調理などを取り入れているところもあります。利用には、在籍校を通じた相談が必要になることが一般的です。

費用を抑えつつ、学校復帰も視野に入れたい場合に向いています。フリースクールとの違いはフリースクールと適応指導教室の違いで詳しくまとめています。

オンライン学習・ICT教材

自宅から出るのが難しい時期には、オンライン教材やオンラインフリースクールも選択肢になります。パソコンやタブレットがあれば、家にいながら学びを進められます。

文部科学省は、一定の要件を満たすICT等を活用した学習活動について、校長の判断により指導要録上の出席扱いとすることを認めています。通学を伴わない分、心理的なハードルが低く。まず一歩を踏み出しやすい方法のひとつです。

オンラインで学べる場をくわしく知りたい方は、オンラインフリースクール完全ガイドもあわせてご覧ください。

通信制サポート校・家庭教師

中学生・高校生年代であれば。通信制高校のサポート校や、不登校の子どもに慣れた家庭教師を利用する方法もあります。決まった時間に決まった場所へ行く負担がありません。

マンツーマンで、無理のないペースで学習を進められるのが利点です。進路を見据えて、高校卒業資格につなげたい場合にも選ばれています。

不登校からの進路について不安があれば、不登校からの進路の選択肢もヒントになります。

まず相談できる公的な窓口

「どの支援が合うか分からない」というときは、まず相談から始めるのがおすすめです。無料で使える公的な窓口があります。

  • スクールカウンセラー:在籍校に配置されている心の専門家。子どもにも保護者にも対応します。
  • 教育委員会の教育相談:不登校や就学の相談ができる窓口。支援先の紹介も受けられます。
  • 児童相談所・子ども家庭支援センター:家庭全体の困りごとを相談できます。
  • 医療機関:体調不良が続く場合は、小児科や心療内科への相談も選択肢です。

「まず誰に相談すればいいの?」と迷う方は多いものです。相談先の選び方は、下の関連動画も参考にしてみてください。

わが子に合う支援の選び方

支援を選ぶときは、次の3つの視点で考えると整理しやすくなります。

  • 今のお子さんは「外に出られる」段階か、「まず家で安心したい」段階か
  • 目的は、学校復帰か・居場所づくりか・進路(高校卒業)か
  • 費用や送り迎えなど、家庭の負担は続けられる範囲か

大切なのは、「正解」を急がないことです。まずは見学や相談をして、お子さんの反応を見ながら決めていきましょう。合わなければ、別の支援に切り替えても構いません。

💻 少人数・自分のペースで学べる環境という選択肢

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📺 関連動画:不登校、誰に相談したらいいの?(脱・学校のタツロー校長)

不登校の進路を中学校の先生に相談してはいけない理由|誰に相談したらいいの?

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家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?

A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。

Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?

A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。

Q. 費用が心配です

A. 教育支援センター原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。

Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?

A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。

Q. 近くに通える場所がありません

A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

教育支援センターとフリースクールはどちらがいいですか?

どちらが優れているというものではありません。お子さんの状態や目的によって、向き不向きがあります。費用を抑えたいなら教育支援センター、自由度や個性を重視するならフリースクールが合いやすい傾向です。まずは見学・相談をして、お子さんの反応を見ながら決めることをおすすめします。

複数の支援を組み合わせて使うことはできますか?

はい、できます。多くのご家庭が、オンライン学習と教育支援センターを併用するなど、複数の支援を組み合わせています。お子さんの状態に合わせて、柔軟に選んでみてください。

出席扱いになるかどうかはどう決まりますか?

最終的には在籍校の校長の判断によります。事前に担任や学校に、利用を検討している支援先について相談しておくとスムーズです。どんな記録を残せばよいかも、あわせて確認しておきましょう。

費用の助成は受けられますか?

自治体によっては、フリースクールなどの利用料を助成する制度があります。金額や条件は市区町村ごとに異なります。お住まいの自治体のホームページや教育委員会で確認してみてください。

何から始めればいいか分かりません

まずは相談から始めるのがおすすめです。在籍校のスクールカウンセラーや、教育委員会の教育相談は無料で使えます。支援先の紹介も受けられるため、選択肢を整理する助けになります。

まとめ

不登校の支援は、フリースクールだけではありません。教育支援センター、オンライン学習、通信制サポート校など、複数の選択肢があります。まず相談できる公的な窓口もあります。

お子さんの状態に合わせて、無理のない形を探してみてください。「合わなければ変えていい」という気持ちで、少しずつ選んでいけば大丈夫です。

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