不登校で勉強しないのは大丈夫?学習の遅れは追いつける?再開時期と親の対応

不登校で勉強しない子どもと見守る保護者|学習の遅れや再開時期を考えるイメージ
結論(早見)不登校で勉強しない時期があっても、「もう追いつけない」と決まったわけではありません。ただし、心や体のエネルギーが落ちている時期に「遅れるから」と無理に勉強させると、勉強そのものへの拒否感が強くなることがあります。

大切なのは、学校と同じ量を今すぐこなすことではなく、「この子はいま、どこからなら学びを再開できそうか」を見つけることです。

不登校で勉強しないわが子を見ていると、「このまま授業についていけなくなるのでは」「中学・高校へ進めるの?」「せめて家では勉強してほしい」と焦りますよね。

学校へ行かない。

宿題もしない。

教科書も開かない。

でも、ゲームやYouTubeなら何時間も見ている。

そんな姿を前にすると、

「勉強する気はもうないの?」
「どのくらい遅れているんだろう」
「いつから勉強を再開すればいい?」
「今からでも追いつける?」

と心配になるのは自然なことです。

353,970人 令和6年度
小中学校の不登校児童生徒
文部科学省の令和6年度調査では、小・中学校の不登校児童生徒数は全国で353,970人でした。また、国は不登校の子どもが自宅などで行った学習について、一定の要件のもとで出席扱いや成績評価へ反映できる仕組みを示しています。
文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

この記事では、不登校で勉強しない子を無理に机へ向かわせる方法ではなく、「今どの状態なのか」「いつから始めるのか」「どこから戻るのか」を具体的に整理します。

📝 この記事でわかること

  • 不登校で勉強しないのはなぜか
  • 勉強の遅れは追いつけるのか
  • 勉強を急がない方がいい時期
  • 学習を再開できそうなサイン
  • 小学生・中学生の学び直しの考え方
  • 家庭学習を始める5つのステップ
  • 自宅学習を出席扱い・評価につなげる仕組み
  • 実際に「学ぶのが楽しい」に変わった子どもの事例
不登校中のゲームばかりの生活が一番の悩みになっている方は、不登校中、ゲームばかりでも大丈夫?もあわせてご覧ください。この記事では「勉強の再開」に絞って考えます。
目次

不登校で勉強しないのはなぜ?「やる気がない」とは限らない

不登校で勉強しない姿を見ると、「時間はあるのだから少しくらい勉強できるのでは」と感じるかもしれません。

しかし、学校へ行けなくなった時期には、勉強そのものが学校でのつらい経験と結びついている場合があります。

「分からない」が積み重なっている

授業についていけなかった経験から、教科書を見るだけで「どうせできない」と感じることがあります。

評価されることが怖い

テスト・提出物・間違いを指摘された経験などから、「勉強=できない自分を確認する時間」になっている場合があります。

心身のエネルギーが残っていない

学校へ行けなくなるまで頑張ってきた子にとって、まず休むことが必要な時期もあります。

学び方が合っていなかった

一斉授業では難しくても、一対一・ICT・自分のペースなら理解しやすい子もいます。

「ゲームはできるのに勉強はできない」は、必ずしも矛盾ではありません。
好きな活動は内容・難しさ・時間を自分で調整できます。一方、学校の勉強には「正解」「評価」「遅れ」というプレッシャーが結びついていることがあります。

不登校の勉強の遅れは追いつける?まず「現在地」を知ろう

学校を数か月休んでいると、「数か月分の授業を全部やり直さなければ」と考えてしまいがちです。

でも、理解している単元まで最初からやり直す必要はありません。

今どこまで分かっているのかを確認して、つまずいたところから戻る。

これが学び直しの基本です。

「今の学年に追いつく」より先に、「どこから分からなくなったか」を見つける。
そうすると、「全部やらなければ」という負担を減らせます。

ただし、「何か月休んでも○週間で必ず追いつける」と一律に言うことはできません。

学年、教科、これまでの理解度、本人の体調や気持ちによって必要な時間は違います。

目標も「クラスと全く同じページまで進むこと」だけではありません。

本人の進路や希望に合わせ、必要なところから優先していきましょう。

不登校の勉強はいつから再開する?4つの状態で考える

「まず休ませることが大事」と聞く一方、「休んでいたら学習の遅れが大きくなる」と心配になる。

この間で悩む保護者は多いでしょう。

学習再開に、全員共通の「○週間後」という答えはありません。

今の状態を4つに分けて考えてみます。

① 休息を優先

朝起きられない・食欲がない・好きなことも楽しめない

勉強を増やすより、生活と心身の安定を優先したい時期です。

② 好きなことはできる

ゲーム・動画・絵・読書などには興味が出てきた

いきなり教科書へ戻すのではなく、好きなことの中にある「調べる・読む・作る」から学びとの接点をつくれます。

③ 「暇」が出てくる

「何かしたい」「暇」と言う時間が増えた

得意な教科や、本人が簡単だと感じる内容を5〜10分だけ試すなど、小さく再開しやすい時期です。

④ 将来が気になる

中学・高校・受験・資格など、本人から将来の話が出る

必要な教科や単元を整理し、本人と一緒に具体的な学習計画を考えます。

「ゲームができるようになったから、そろそろ勉強させよう」と大人だけで決めるのではなく、本人に「何かやってみたい」という余力が戻っているかを見ながら進めましょう。

「勉強」から始めなくてもいい|好きなことも学びになる

学校で使う教科書やドリルを見るだけで気持ちが重くなる子もいます。

そんなときは、「国語」「算数」という入り口だけにこだわる必要はありません。

不登校で勉強しない子どもが好きなテーマをCanvaで調べて発信する学びの例
興味のある国について調べ、Canvaでクイズを作って発信する子どもの学び。好きなことを続ける中にも、読む・調べる・まとめる・伝える学習があります。
🎮 ゲームが好き

攻略を調べる、友達と相談する、プログラミングや動画編集へ広げる。

🍳 料理が好き

分量・割合・時間・産地・栄養など、算数や理科、社会につながります。

🎨 絵やデザインが好き

Canva、作品紹介、文章を書く、展覧会を調べるなどへ広げられます。

🚃 電車が好き

路線図、地理、歴史、運賃計算、写真、旅行計画など多くの学びにつながります。

すべてを無理に教科へ変換する必要はありません。

ただ、「この子は何なら自分から調べるんだろう?」という視点を持つと、学び直しの入口が見えやすくなります。

小学生・中学生で違う?学び直しで優先したいこと

年代 確認したいこと 学び直しの考え方
小学校低学年 読む・書く・数の基礎/学ぶこと自体を嫌いになっていないか 遊び・生活・好きなことと結びつけ、短い時間から始める
小学校高学年 どの単元から分からなくなったか/中学への不安 算数・国語など土台になる部分へ戻りながら、興味のある分野も伸ばす
中学生 進路・定期テスト・評価への不安/英語・数学のつまずき 全部を同時に戻すのではなく、進路に必要な内容と積み重ね教科を優先する

不登校の勉強の遅れを取り戻す5ステップ

1
「今の学年」ではなく現在地を確認する

いきなり今の学年の教科書を開くのではなく、どの単元までなら無理なく理解できるかを確認します。

2
一度に全教科を始めない

得意な教科、本人が興味を持っている教科、または進路上優先したい教科を一つ選びます。

3
「簡単すぎる」くらいから始める

いきなり難しい問題へ挑戦するより、「分かった」「できた」を感じられるところから始めます。

4
学習時間より、続けられたことを見る

「1時間やった」だけではなく、「自分から5分始めた」「1問質問できた」という変化も大切です。

5
学習記録を残して学校とも共有する

教材名、日付、学習した単元、取り組んだ時間などを残しておくと、学校へ相談するときにも役立ちます。

家庭だけで抱えなくていい|不登校中の学び方を比較

不登校中の学習は、保護者が毎日先生役にならなければならないわけではありません。

方法 メリット 向いている状態 確認したいこと
学校の教科書・プリント 在籍校の学習内容と合わせやすい 学校教材への抵抗が少ない 学校を思い出してつらくならないか
学習アプリ・通信教材 自宅で自分のペースで進めやすい 一人で短時間なら取り組める 本人に合う難易度か/記録を残せるか
個別指導・家庭教師 つまずいた場所を個別に確認できる 一対一なら人と学べる 先生との相性
教育支援センター・フリースクール 学習と人とのつながりを両方つくれる 家以外の居場所もほしい 施設によって学習支援の内容が違う
オンラインスクール 自宅から授業・先生・仲間につながれる 外出は難しいが、家なら活動できる オンラインでの交流が本人に合うか

自宅で勉強したら「出席扱い」や成績になる?

「学校へ行っていないなら、家で勉強しても学校では何も評価されないのでは」と考えている方に知っておいてほしい制度があります。

文部科学省は、義務教育段階の不登校児童生徒が自宅でICTなどを使って学習した場合、一定の要件を満たし、在籍校の校長が有効・適切と判断すれば、指導要録上の出席扱いとすることができるとしています。

国が示している主な要件

・保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
・学習が本人の理解度を踏まえた計画的な内容であること
・学校が学習状況を十分に把握できること
・訪問などによる対面指導が適切に行われること
・最終的に在籍校の校長が判断すること

また、2024年8月には、欠席中に学校外の機関や自宅などで行った学習成果を、一定の要件のもとで学校の判断により成績評価へ考慮できることが法令上明確化されました。

教材を契約しただけで、自動的に出席扱いや成績になる制度ではありません。
家庭学習を始める前に、「この学習を学校とどう共有すればよいか」を担任や学校へ相談しておくのがおすすめです。

参考: 文部科学省「自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い」
文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について」

「勉強したくない」が変わることもある|子どもたちの実例

「学習の遅れを取り戻す」と聞くと、ドリルや教材を大量にこなす姿を想像するかもしれません。

しかし実際には、自分に合う学び方に変わったことで、「学びたい」という気持ちそのものが戻る子もいます。

※以下はそれぞれの子どもの個別の事例であり、同じ変化を保証するものではありません。

不登校の学び直しで好きな教科を自分のペースで学ぶのんさん

のんさん

NIJINアカデミーでは、TOPPANとの共同研究でAI型学習ドリル「navima」を導入しています。

のんさんは、navimaを使い始めてから自分の好きな教科を選んで取り組めるようになり、「勉強が好きになった」と話しています。

みんなと同じ進度 自分の学年・ペース 「勉強が好き」に

→ 自由進度学習と生徒の声を見る

不登校を経験しオンライン授業と小学校を組み合わせて学ぶゆずきくん

ゆずきくん

小学3年生のとき、友人関係に悩み、次第に学校へ通いづらくなったゆずきくん。

NIJINアカデミーに入ってからは、オンラインで授業を受けながら、現在は週1回、在籍する小学校にも別室登校しています。

体育、Canvaを使った制作、化学などの授業を楽しみ、分からないことはその場で質問しながら自分のペースで取り組んでいます。

学校へ行きづらい オンラインで学ぶ 学校も週1回併用

→ ゆずきくんのインタビューを読む

不登校を経験したゆずきくんとNIJINアカデミーの担任が一緒に過ごす様子
担任の先生との関わり。分からないことをその場で聞けることも、自分のペースで学ぶための大切な環境です。
不登校を経験したゆずきくんが自分で作った資料を使い人前で発表する様子
オンラインの中で経験を重ねたあと、学園祭ではCanvaで自分の資料を作り、人前での発表にも挑戦しました。
2人の事例から見えるのは、「遅れを埋めること」だけが学習再開ではないということです。

「自分で選べる」「分からないところを聞ける」「好きなことから始められる」。そんな環境の変化から、学びへの気持ちが動き出すこともあります。

自分のペースで学び直す|NIJINアカデミーという選択肢

不登校中の学び方の一つとして、オンラインのオルタナティブスクールがあります。

ここでは「NIJINアカデミーを選ぶべき」という話ではなく、学校と同じペースでは難しかった子に、どんな学び方があるのかの一例として紹介します。

「何年生だからここ」ではなく、自分のペースで学び直す。

自宅から参加しながら、教科学習・自由進度学習・興味から始まる探究を組み合わせられます。

不登校で勉強しない子どもが自分のペースで学び直すNIJINアカデミーの学習イメージ
学校と同じ進度に合わせるのではなく、今の理解度や「やってみたい」から自分のペースで学びを広げます。
  • 自由進度学習を各校舎で毎日45分実施
  • TOPPANとの共同研究で導入したAI型学習ドリル「navima」を活用
  • navimaは自分の学年・ペースで学習を進められる
  • 月100コマのオンライン授業から興味のある授業を選べる
  • 教科学習だけでなく、Canva・動画・ゲーム制作・探究など「好き」から学びを広げられる
  • 少人数のクラスやサークルなど、人とのつながりも持ちながら学べる
オンラインスクールがすべての子に合うわけではありません。
まず休息が必要な子、一対一の家庭教師が合う子、対面の教育支援センターやフリースクールが合う子もいます。「ここなら少しやれそう」と本人が感じる方法を比べることが大切です。

学校外の学びの選択肢の一つとして紹介しています。在籍校での出席扱い・成績評価は、各要件を踏まえて最終的に在籍校が判断します。

不登校で勉強しない子に、親はどう声をかける?

「そろそろ勉強しない?」

「みんなはもう先に進んでいるよ」

「せめて1時間だけでも」

心配だからこそ、言いたくなることがあります。

でも、学習への自信を失っている子には、「できていないこと」を改めて確認する言葉になってしまう場合もあります。

言いたくなる言葉 言い換えるなら
「勉強しないと追いつけないよ」 「何か始めたくなったら、一緒にやり方を探そう」
「今日何時間やった?」 「今日、何か分かったことあった?」
「簡単な問題くらいできるでしょ」 「どの辺ならやりやすそう?」
「ゲームばかりじゃなく勉強して」 「そのゲーム、どこが一番面白いの?」

目的は、親が「勉強させる」ことではありません。

本人がもう一度「分かった」「もっと知りたい」と思える入口をつくることです。

よくある質問|不登校で勉強しない・学習の遅れ

不登校で全く勉強しないのですが、大丈夫ですか?

心身のエネルギーが落ちている時期には、勉強より休息を優先する場合があります。「今勉強していない=将来ずっと学べない」とは限りません。生活や好きな活動が戻ってきたら、小さな学習から再開する方法があります。

不登校で半年休んだら、半年分すべてやり直す必要がありますか?

必ずしも最初からすべてやり直す必要はありません。現在どこまで理解できているかを確認し、つまずいている単元へ戻る方法があります。

不登校の勉強はいつから再開するべきですか?

一律の時期はありません。好きな活動を楽しめる、「暇」と言う時間が増える、本人から将来や勉強について話すなどの変化を見ながら、小さく始める方法があります。

中学生の不登校でも、今から勉強に追いつけますか?

現在の理解度や目標によって異なります。すべてを同じ量だけ取り戻そうとせず、英語・数学など積み重ねが重要な教科や、本人の進路に必要な内容から優先して整理すると進めやすくなります。

家で勉強した分は出席扱いになりますか?

義務教育段階では、自宅でICT等を活用した学習について、国が示す要件を満たし、校長が適切と判断すれば出席扱いとできる仕組みがあります。ただし、教材を使うだけで自動的に認められるものではありません。事前に在籍校へ相談してください。

ゲームはできるのに勉強しない場合、ゲームを禁止した方がいいですか?

ゲームを禁止すれば勉強を始めるとは限りません。ゲームが安心できる時間や人とのつながりになっている場合もあります。まずは生活全体を見ながら、本人の興味を学びへ広げられる可能性がないかを探してみましょう。

まとめ|不登校で勉強しない時期も、「学びが止まった」とは限らない

不登校で勉強しないわが子を見ると、親はどうしても先のことを考えます。

このまま追いつけないのでは。

進学できないのでは。

何かさせなければ。

でも、学びを再開するために必要なのは、必ずしも「今日から学校と同じ量を勉強すること」ではありません。

「何年生だからここまでやる」ではなく、
「この子はいま、どこからなら始められるだろう?」

好きな教科を1問。

興味のあることを一つ調べる。

ゲームからプログラミングへ。

料理から算数へ。

「分からない」を一つ質問してみる。

そうした小さな接点から、学びが再び動き出すことがあります。

遅れを埋めることだけを目的にせず、その子がもう一度「知りたい」「できた」と思える学び方を探していきましょう。

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参考・一次情報

※本記事は一般的な教育情報を提供するもので、お子さん一人ひとりに同じ学習方法・進度を推奨するものではありません。心身の不調が強い場合は、学習よりも休息や医療・相談機関への相談を優先してください。出席扱いや成績評価の可否は、国が示す要件等を踏まえ在籍校が判断します。

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