小学4年生の不登校|「10歳の壁」と学習への対応

小学4年生 不登校
小学4年生の不登校|「10歳の壁」と学習の抽象化への対応|にじいろ

「急に勉強が難しくなった」「以前はできていたのに」——小4になってからのお子さんの様子に、戸惑いを感じている保護者の方もいるのではないでしょうか。

小4は「10歳の壁」と呼ばれるように、学習内容が具体から抽象へと大きく変化する時期です。この記事では、小4のつまずきやすいポイントと、家庭でできる対応をまとめました。

📝 この記事でわかること

  • 「10歳の壁」と学習の関係
  • 小4でつまずきやすい単元
  • 抽象的な内容を理解しやすくする工夫
笑顔で会話する親子
抽象的な内容も、対話や体験を通じて理解が深まります
目次

なぜ勉強が心配になるのか

小学4年生では、小数・分数といった抽象的な数の概念や、都道府県の学習、実験を伴う理科など、これまでより一段階抽象的な思考が求められる内容が増えます。あわせて友人関係も複雑になりやすく、「10歳の壁」と呼ばれるこの時期は、学習面と心理面の負担が重なりやすいタイミングでもあります。

つまずきやすい教科・単元

  • 小数・分数など抽象的な数の概念
  • 都道府県や地図など、暗記量の多い社会科
  • 実験・観察を伴う理科の考察問題

抽象的な概念は、頭の中だけで理解しようとすると難しく感じやすいものです。

家庭学習を進める工夫

  • 小数・分数は、おはじきや料理の計量など、具体物を使って体感的に理解する
  • 都道府県はパズルやすごろくなど、遊びの中で自然に触れる
  • 理科は身近な現象と結びつけて説明する
  • 「わからない」を言葉にできたことを、まず認める

「出席扱い制度」を知っておく

⚠️ 自宅学習が「出席」として認められることがあります

文部科学省の方針により、学校外の場での学習活動やICT教材を使った自宅学習が、一定の条件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席として扱われる制度があります。すべての学校・自治体で同じ運用がされているわけではありませんが、「学校を休んでいる=何も記録に残らない」わけではないケースがあるということは、知っておいて損はありません。

気になる場合は、担任の先生やスクールカウンセラー、教育支援センターに直接確認してみることをおすすめします。

がんばっているあなたへ

急に難しくなったように感じる小4の学習も、具体物や体験を通せば理解しやすくなることがたくさんあります。「できない」のではなく、「まだ抽象的な説明だけでは掴みにくい」だけかもしれません。

お子さんが「わからない」と言えることは、決して悪いことではありません。安心して言葉にできる関係を、これからも大切にしていってください。

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この記事の内容を確かめるための一次資料

学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「生徒指導提要」学校の生徒指導の基本方針(改訂版)
文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」SC・SSWの役割と配置の考え方
文部科学省「就学援助」学用品費・給食費などの経済的支援
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?

A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。

Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?

A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。

Q. 費用が心配です

A. 教育支援センター原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。

Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?

A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。

Q. 近くに通える場所がありません

A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

小数や分数の意味がなかなか理解できません

ピザやケーキを切り分ける、コップの水を使うなど、具体物を使って体感的に理解させると分かりやすくなることがあります。

「10歳の壁」とは何ですか?

小学4年生前後で、学習内容が抽象化し、友人関係や自己認識も複雑になっていく発達の節目を指す言葉です。学習面と心理面の両方に負担がかかりやすい時期とされています。

休んでいる間、社会科の暗記はどう進めればいいですか?

一度に覚えようとせず、パズルやクイズ形式など遊びの要素を取り入れると、負担感を減らしながら取り組みやすくなります。

まとめ

小4の学習は抽象度が上がり、つまずきやすいタイミングです。具体物や体験を通じた理解を大切にしてください。

「10歳の壁」は多くの子が通る発達の節目です。焦らず、お子さんのペースに合わせて進めていきましょう。

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つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)

24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310

お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

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