見るべきなのは「友達が何人いるか」ではなく、本人が今の状態をどう感じているか、安心してつながれる人や場所が一つでもあるかです。
不登校で友達がいないわが子を見て、「このまま一人になってしまうのでは」と心配していませんか?
学校へ行かなくなって、以前の友達とも会わなくなった。
LINEもしなくなった。
休日も誰とも遊ばない。
家族以外と話すことがほとんどない。
そんな姿を見ると、
「友達が一人もいなくても大丈夫?」
「社会性が育たないのでは?」
「学校の友達に連絡してもらった方がいい?」
「新しい友達を作れる場所へ連れて行くべき?」
「オンラインの友達だけでもいいの?」
と不安になりますよね。
この記事では、「友達を作らせる方法」ではなく、本人の孤独感をどう見極め、学校以外にも安心できるつながりをどう増やしていくかを具体的に考えます。
友人関係を挙げた割合
東京都「令和7年子供に関する定点調査」
📝 この記事でわかること
- 不登校で友達がいないのは大丈夫なのか
- 「一人が好き」と「孤独でつらい」の違い
- 学校へ行かなくなると友達が減りやすい理由
- 親が避けたい5つの対応
- 学校の友達と連絡を続けるかの判断
- 学校以外で人とつながる具体的な方法
- オンラインの友達をどう考えるか
- 「友達できたよ」と変化したゆいちゃんの実例
- 好きなポケモンから居場所をつくったTomaさんの実例
不登校で友達がいないのは大丈夫?「人数」だけで判断しない
不登校で友達がいない状態を見ると、大人は「友達を作らせなければ」と考えがちです。
でも、一人でいることと、孤独で苦しんでいることは同じではありません。
- ゲーム・絵・読書など好きなことを楽しめる
- 家族とは自然に話せる
- 本人が「一人の方が楽」と話している
- 時々オンラインなどで人と関わっている
- 新しいことへの興味が少しずつある
- 「誰もいない」「自分には友達がいない」と繰り返す
- 以前の友達のSNSを見て強く落ち込む
- 会いたい気持ちはあるのに怖くて連絡できない
- 人間関係を理由に自分を強く責める
- 好きだったことにも興味を示さなくなっている
川越市の教育相談Q&Aでも、家で一人で絵や読書を楽しんでいる小学生について、新しい人間関係には時間がかかることや、家庭で楽しそうに過ごせている様子も合わせて見る考え方が紹介されています。
つまり、「友達が少ない=問題」と決めるのではなく、本人が今の人間関係をどう感じているかを見ることが大切です。
なぜ不登校になると友達との関わりが減りやすい?5つの理由
① 毎日「会う」機会そのものがなくなる
学校へ行っていると、休み時間や給食、登下校など、特別に約束をしなくても友達と会います。
不登校になると、その偶然の接点が一気に減ります。
仲が悪くなったわけではなくても、会わない期間が長くなることで自然に距離ができることがあります。
② 「学校いつ来るの?」と聞かれるのがつらい
友達に悪気がなくても、
「いつ学校来る?」
「なんで休んでるの?」
「明日は来れる?」
という言葉が、本人には大きな負担になることがあります。
理由を自分でも説明できない時期なら、友達へ返信することそのものを避ける場合もあります。
③ 学校の話題に入れなくなる
席替え、行事、テスト、先生、部活。
友達同士の会話が学校の話ばかりになると、「自分だけ知らない」と感じやすくなります。
その居心地の悪さから、自分から距離を取ることもあります。
④ 人間関係そのものに疲れている
学校での友達関係が負担だった子には、まず誰にも気を使わずに休む時間が必要なことがあります。
人と会わない期間があることを、すぐに悪化と決めつける必要はありません。
⑤ 「学校とは違う友達」をまだ知らない
子どもにとって、これまでの「友達」は同じ学校・同じ学年・同じクラスの子が中心だったかもしれません。
でも、人とのつながりは学校のクラスだけではありません。
習い事、地域、フリースクール、オンライン、ゲーム、趣味など、共通の「好き」から始まる人間関係もあります。
「友達を作らせなきゃ」と焦る前に|親が避けたい5つの対応
本人が会いたくない時期に、親が友達を家へ呼んだり連絡したりすると、家まで安心できない場所になる場合があります。
人間関係に自信を失っている子にとっては、「このままの自分はダメ」という不安を強める言葉になることがあります。
大人数が負担なら、一対一、異年齢、オンラインなど、関わり方を変える方法があります。
「ネットの友達なんて友達じゃない」と切り捨てると、本人がようやく見つけたつながりまで失う可能性があります。
「前は毎日友達と遊んでいたのに」と言われると、本人にも失ったものを突きつけることになります。
必要とする人間関係の量や距離感は一人ひとり違います。友達の人数を競う必要はありません。
学校の友達とは連絡を続けた方がいい?状態別に考える
「せっかく仲良かったのだから、関係を切らない方がいいのでは」と思うこともあるでしょう。
答えは、本人の気持ちによって変わります。
| 本人の状態 | 親の対応 | ポイント |
|---|---|---|
| 本人から「会いたい」と言う | 連絡方法を一緒に考える | LINE・ゲーム・短時間だけ会うなど、負担の小さい方法から |
| 友達から連絡が来るとうれしそう | 本人が返信するかを任せる | 「早く返事しなさい」と急かさない |
| 学校の友達の話を嫌がる | 無理につなげない | 今は距離を取ることが必要な場合もある |
| 友達に何と説明するか困っている | 本人と共有範囲を決める | 不登校の理由を親が勝手に説明しない |
| 会いたいが学校の話はしたくない | 事前に相手側へ配慮をお願いすることも | 本人の許可を得たうえで進める |
不登校でも学校以外で友達はできる?つながり方を比較
学校へ行かなくなったからといって、同年代や社会とのつながりがなくなると決まったわけではありません。
| つながり方 | 特徴 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 親族・昔からの知人 | すでに知っている人なので関係を始め直す負担が少ない | 新しい人はつらいが、一対一なら話せる |
| 習い事・趣味 | 好きなものが最初から共通している | 興味のあることなら外出できる |
| 教育支援センター | 自治体などが運営する公的な居場所 | 学校以外の公的な支援を使いたい |
| 通所型フリースクール | 少人数・異年齢など学校とは違う人間関係を作りやすい | 少しずつ外出できる |
| オンラインの居場所 | 自宅から地域を越えてつながれる | 外出は難しいがゲーム・チャット等なら関われる |
オンラインの友達も「友達」?大切なのは関係の中身
保護者にとっては、
「直接会ったことがないのに、本当に友達と言えるの?」
と戸惑うこともあるでしょう。
でも、オンラインでも、
一緒にゲームをする。
作品を見せ合う。
困ったときに相談する。
作戦を考える。
「また明日」と言い合う。
といった人との関わりは生まれます。
実際、NPO法人D.Liveが運営する不登校の子向けオンラインコミュニティも、「学校に行けないこと以上に、人とのつながりがないことがつらかった」という経験を背景に、ゲームや会話を通した居場所をつくっています。
こども家庭庁「青少年のインターネット利用に関する保護者向け資料」
実例①「友達できたよ」|好きなイラストからつながった、ゆいちゃん
ここからは、実際の子どもの変化を紹介します。
中学1年生のゆいちゃん(仮名)は、小学4年生の冬休み明けから学校へ行き渋るようになりました。
学校へ行けない時期には外へ出る機会も減り、家ではYouTubeを見たり寝たりする生活が続いていたそうです。
いくつかの居場所を検討した後、小学6年生の秋にNIJINアカデミーへ入学。
ゆいちゃん
入学後、お母さまが特に驚いたのは、娘から出たこの言葉でした。
もともと好きだったイラストをオンライン上で発表すると、家族以外の子どもや先生から「いいね!」という反応が返ってきました。
そこから毎日作品を投稿するようになり、描き方を自分で調べたり、本を読んだりするように。
↓
誰かに見てもらう
↓
反応が返ってくる
↓
友達ができる
↓
イラストサークルのリーダーへ
現在は、イラストだけでなくYouTube編集やリアル教室での活動にも関わっています。
実例②「ポケモン好きとつながりたい」|自分で居場所をつくったTomaさん
もう一人、今回のテーマに合うのが中学1年生のTomaさん(仮名)です。
Tomaさんは小学3年生のとき、授業中の間違いをクラスメイトに笑われたことなどから、人前に立つことが怖くなりました。
小学4年生では仲の良かった友達が転校。
その後、学校へ行くことが徐々に難しくなりました。
Tomaさん
NIJINアカデミーへ入学した後も、最初から授業やクラス会議へ参加できたわけではありません。
しばらくは人前で話すことへの怖さが残り、授業への参加はほとんどできませんでした。
そんなTomaさんが居場所にしたのが、ゲームのサークルでした。
そこで友達ができ、少しずつ元気を取り戻していきます。
↓
「ポケモン好きとつながりたい」
↓
自分でポケモンサークルを企画
↓
現在は13人の仲間が参加
Tomaさん自身も「ポケモンで人と人をつなげたい」と考え、顔や声を出さなくても参加できる企画を工夫しています。
先に「好きなこと」「安心できる場所」があり、その結果として人とのつながりが生まれています。
「友達ができる場所」より「安心していられる場所」を探す
ここは、フリースクールや居場所を探すときに特に大切です。
「友達がたくさんできます」
「コミュニケーション力が伸びます」
という言葉だけで選ぶ必要はありません。
むしろ確認したいのは、
大人数の中で誰かに話しかけることが難しい子もいます。
最初は見ているだけ、チャットだけなどの参加方法があると安心です。
ゲーム、イラスト、鉄道など、共通の話題があると関係が始まりやすくなります。
毎回メンバーが変わるより、少しずつ相手を知れる環境が合う子もいます。
「○○が好きなんだね」と大人が橋渡しできる環境か確認します。
常に誰かと交流することを求められないことも重要です。
家から始めることもできる|NIJINアカデミーという選択肢
不登校で友達がいないことが心配でも、最初から「友達を作るために外へ出る」必要はありません。
まだ外出が難しいなら、家から人とつながる方法もあります。
その選択肢の一つがNIJINアカデミーです。
「友達を作ろう」ではなく、
「それ、僕も好き」からつながる。
学校のクラスとは違う、少人数・異年齢・好きなことを軸にした人とのつながりがあります。
- 自宅から参加できるメタバース校舎
- 少人数・異年齢のクラス
- マイクラ、ロブロックス、イラスト、ポケモン、鉄道など好きから始まるサークル
- 先生がいるので、子どもだけに人間関係を任せきりにしない
- 最初はオンライン、本人が希望すればリアルな活動へ広げられる
- 「学校へ戻る」ことだけでなく、本人の興味や挑戦を大切にする
一人で休む時間がまだ必要な子、一対一が合う子、地域の教育支援センターや通所型フリースクールの方が安心できる子もいます。「友達ができそうか」より、まず本人がその場所で無理なく過ごせそうかを見てください。
学校以外の人とのつながり方の一例として紹介しています。本人の状態や希望に合う場所を比較してください。
よくある質問|不登校で友達がいないとき
不登校で友達が一人もいないのですが、大丈夫ですか?
友達の人数だけで将来の人間関係を判断することはできません。本人が一人の時間を心地よく過ごしているのか、それとも本当は誰かとつながりたいのに孤独を感じているのかを見てください。
学校へ行かないと友達はいなくなりますか?
会う回数が減ることで疎遠になることはありますが、関係が続く友達もいます。また、学校以外の場所やオンラインで新しい人間関係ができることもあります。
学校の友達に親から連絡してもいいですか?
まず本人の希望を確認してください。本人が「会いたい」「連絡してほしい」と望んでいる場合は方法を一緒に考えられますが、本人に知らせず友達を家へ呼ぶなどは避けた方がよいでしょう。
オンラインの友達だけでも大丈夫ですか?
オンラインでも一緒に遊ぶ、相談する、作品を見せ合う、協力するといった人との関わりは生まれます。一方で個人情報や外部SNSへの移動など安全面にも注意し、利用するサービスのルールを確認してください。
友達がいないと社会性が育たないのでは?
人との関わりは、同年代の友達だけに限りません。家族、先生、年齢の違う子、趣味の仲間などとの関係からも、相手の話を聞く、相談する、協力するといった経験はできます。
本人が「友達なんていらない」と言っています
本当に一人が心地よい場合もあれば、人間関係で傷ついた結果として距離を取っている場合もあります。すぐ否定せず、「今は一人が楽なんだね」と受け止め、本人が何か話したくなったときに聞ける関係を残しておきましょう。
フリースクールへ行けば友達はできますか?
必ず友達ができるとは限りません。見学・体験では、人数だけでなく、少人数で関われるか、好きな活動があるか、話さなくても過ごせるか、先生が関係づくりを支援するかなどを確認してください。
まとめ|不登校で友達がいないとき、友達の「人数」より安心できるつながりを見る
不登校で友達がいないわが子を見ると、親は先のことまで心配になります。
このまま孤立したら。
人と関われなくなったら。
社会へ出られなくなったら。
でも、今友達が少ないことと、将来人との関係を築けないことは同じではありません。
「この子には安心してつながれる人や場所があるか」。
家族とは話せる。
ゲームの中で一人と話せる。
好きな絵を誰かに見てもらえる。
先生なら挨拶できる。
サークルを少しだけのぞける。
それも、人とのつながりです。
ゆいちゃんは、イラストを見せたことから「友達できたよ」へ。
Tomaさんは、好きなゲームの仲間から始まり、自分で「ポケモン好きの居場所」をつくる側になりました。
友達を作ることを急ぐより、その子が安心して「自分の好き」を出せる場所を探す。
そこから人との関係が自然に始まることもあります。
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参考・一次情報
・ 文部科学省|令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について
・ 東京都|令和7年子供に関する定点調査「とうきょう こども アンケート」
※本記事は一般的な教育・子育て情報を提供するものです。子どもの孤独感や心身の状態は一人ひとり異なります。強い落ち込み、自傷、希死念慮など安全上の心配がある場合は、記事だけで判断せず、学校・医療機関・公的相談窓口等へご相談ください。

