- 子どもが実際に出店できる場(対象年齢と参加費つき)
- 手作り品が売れる場と、売れない場の違い
- 未成年が売買するときの法律の基本
- 食べ物を売るときに必要な手続き
- 学校の授業では、商売をどう扱っているか
この記事の対象年齢・参加費は、2026年9月16日時点で各主催者の公式サイトに掲載されていた情報です。開催は年度ごとに変わるため、参加の際は必ず最新情報をご確認ください。
子どもが出店できる場は、実在する
| 取り組み | 主催 | 対象 | 参加費 |
|---|---|---|---|
| キッズフリマ | NPO法人キッズフリマ | 出店=小学3〜6年生/買い物=小学6年生以下 | 出店料1ブース300円 |
| こどものまち ミニカワサキ | NPO法人ミニカワサキ | 大人と離れて一人でも動ける子〜18歳以下 | 500円/日 |
| ミニ★まつど | 松戸市 | 小中学生(一人でお金の計算ができる方) | 公式ページに記載なし |
| 小中学生起業家教育プログラム | 東京都産業労働局 | 都内在住・在学の小学4〜6年生、中学生 | 無料(交通費は自己負担) |
| こども夢の商店街(あーすぷらざ会場) | 神奈川県立地球市民かながわプラザ | お店屋さん=小学生/買い物=どなたでも | 常設展示室観覧券100円 |
特徴的なのはキッズフリマです。会場には簡易的なフェンスが設置され、保護者はフェンスの外から見学するだけ。売買はすべて子どもだけで行います。値段をつけるのも、呼び込むのも、おつりを計算するのも本人です。
ただしルールがあります。売れるのは中古品のみで、手づくり品(アクセサリー・工作・イラストなど)、生き物、食べ物、危険な物は販売できません。販売価格の上限は商品1点につき500円までです。
「作ったものを売りたい」子には、こどものまち型のイベントのほうが合います。ミニカワサキのような「こどものまち」では、子どもが市民として仕事をしたり店を開いたりしてまちを運営します。大人は口出し禁止です。この形式は1979年の国際児童年にドイツ・ミュンヘンで始まった「ミニ・ミュンヘン」を原型としていて、日本各地に広がっています。

「売る」の前に決めること
出店の準備は、大人がやってしまうと学びが消えます。子どもに決めさせたいのは次の4つです。
1|何を売るか。家にあるもののうち、自分が手放してもいいものを本人が選びます。ここで「これは高く売れそう」と親が口を出さない。
2|いくらで売るか。買ったときの値段、使った期間、今の状態。この3つから考えます。値段をつけるという行為が、この体験でいちばん頭を使う場面です。
3|どう並べるか。見やすさ、手に取りやすさ、目立たせたいものの置き場所。
4|売れなかったらどうするか。値下げするのか、持ち帰るのか。先に決めておくと、当日あわてません。
終わったあとに必ずやってほしいのが振り返りです。いくら売れたか、何が売れて何が売れ残ったか、次にやるなら何を変えるか。これを紙に書くだけで、一日のイベントが探究学習に変わります。
物を売るときの、法律の基本
未成年の契約には、保護者の同意が要る
法務省の解説によると、「未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には、原則として、契約を取り消すことができる」とされています(未成年者取消権)。2022年4月1日からは成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳・19歳はこの取消権を行使できなくなりました。
フリマアプリも同じです。メルカリの利用規約第3条第2項には「ユーザーが未成年者である場合は、事前に親権者など法定代理人の包括的な同意を得たうえで本サービスを利用しなければなりません」と定められています。子どもが勝手にアカウントを作って売る、は規約違反です。
中古品を売るのに、許可は要るのか
「古物商の許可が必要では」と心配される方がいますが、愛知県警察の公式Q&Aによると、「自己使用していた物」「自己使用のために購入したが未使用の物を売却するだけの場合は、古物商の許可は必要ありません」とされています。家で使っていたおもちゃや本を売るのは、これに当たります。
一方で「自己使用といいながら、実際は転売するために古物を買って持っているのであれば、許可を取らなければなりません」とも書かれています。仕入れて売る段階に入ると話が変わるということです。
食べ物は、別の話になる
食品衛生法上、菓子製造業などは営業許可が必要な業種です。ただし東大阪市の公式ページには「学校、社会福祉施設、地方公共団体、自治会、こども会等が地域交流や親睦を深めるために開催する行事(学園祭、バザー、お祭り等)において、臨時的に飲食物の調理・提供を行う場合は、『臨時出店』として営業許可の対象外」とあります。
この場合も開催日の10日前までに「臨時出店届」の提出が必要で、刺身などの生もの、冷やした麺類、おにぎりなどのご飯ものは提供できません。運用は自治体ごとに異なるため、地元の保健所への確認が必須です。さいたま市、東京都多摩立川保健所なども同様の届出制度を案内しています。

学校では、商売をどう扱っているか
「うちの子だけが変わったことをやっている」わけではありません。学習指導要領を見ると、商売は正面から扱われています。
小学校社会科の第3学年では「地域に見られる生産や販売の仕事」を学び、「販売の仕事は、消費者の多様な願いを踏まえ売り上げを高めるよう、工夫して行われていることを理解すること」が目標に挙げられています。
中学校社会科の公民的分野では「私たちと経済」で「現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解すること」を扱い、内容の取扱いには「『個人や企業の経済活動における役割と責任』については、起業について触れる」と明記されています。
公的な教材もあります。金融広報中央委員会(現在は機能が金融経済教育推進機構に移管)が作成した中学生向け教材「私たち中学生で会社をつくろう」は、実際の起業体験版と模擬起業体験版があり、社会科公民的分野で使えるようになっています。
中小企業庁も「起業家教育 標準的カリキュラム実践のための手引き」を公開しており、「起業家に必要とされるマインド(チャレンジ精神、探求心等)と資質・能力(情報収集・分析力、リーダーシップ等)を有する人材を育成するための若年層向け起業家教育」と位置づけています。

よくある質問
まとめ
子どもが出店できる場は実在します。小学3年生から300円で出られるキッズフリマ、18歳以下が500円でまちを運営するこどものまち、東京都の無料プログラム。売れるものの条件は場によって違い、手作り品なら「こどものまち」型、中古品ならキッズフリマが向きます。未成年の契約には保護者の同意が要り、食べ物は保健所への届出が要る。この2点だけ押さえて、あとは値段のつけ方から売れ残りの扱いまで、本人に決めさせてみてください。
この記事の内容を確かめるための一次資料
- NPO法人キッズフリマ「出店について・よくあるご質問」(ページ/FAQ)
- NPO法人ミニカワサキ「こどものまち ミニカワサキ」(ページ)
- 松戸市「ミニ★まつど」(ページ)
- 東京都産業労働局「小中学生起業家教育プログラム」(ページ)
- 神奈川県立地球市民かながわプラザ「こども夢の商店街」(ページ)
- 法務省「民法(成年年齢関係)改正Q&A」(ページ)/消費者庁「『18歳から大人』特設ページ」(ページ)
- 株式会社メルカリ「メルカリ利用規約」(ページ)
- 愛知県警察「古物営業法Q&A」(ページ)
- 東大阪市「バザーやお祭りなどで食品を提供する場合」(ページ)/さいたま市「食品の臨時出店をされる方へ」(ページ)
- 文部科学省「学習指導要領における消費者教育に関する主な内容(抜粋)」(PDF)
- 中小企業庁「起業家教育 標準的カリキュラム実践のための手引き(改訂版)」(ページ)/知るぽると「私たち中学生で会社をつくろう」(ページ)
NIJIN放課後プロジェクトスクールでは、沖縄に住む小学生が立ち上げた観光課題解決プロジェクトのように、子ども自身が立てた企画を地域の企業と関わりながら進めています。今の学校に通いながら参加でき、メタバース校舎は入学金22,000円・月額12,683円(税込)。

