中学1年生の不登校|教科担任制・定期テストにどう向き合う?家庭学習の進め方

中学1年生 不登校
中学1年生の不登校|教科担任制・定期テストにどう向き合う?家庭学習の進め方|にじいろ

「中学の勉強は小学校と全然違う」——お子さんが中学生になった途端、学習面の不安が一気に増したと感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。

中1は教科担任制や定期テストなど、学習の仕組みそのものが大きく変わる時期です。この記事では、中1でつまずきやすいポイントと、家庭学習の進め方をまとめました。

📝 この記事でわかること

  • 中学の学習の仕組みと小学校との違い
  • 中1でつまずきやすい教科
  • 定期テストとの向き合い方
話し合う中学生と大人
教科担任制など、新しい学び方に少しずつ慣れていく時期です
目次

なぜ勉強が心配になるのか

中学1年生になると、教科ごとに先生が変わる教科担任制になり、英語の文法学習や数学の正負の数・文字式など、抽象度の高い内容が本格化します。あわせて定期テストによって成績が数値化されるようになり、「中1ギャップ」と呼ばれるように、環境と学習内容の両方が大きく変化する時期です。

参考:ベネッセ教育情報サイト「もしや、うちの子も?!知っておきたい『中1ギャップ』」

教科担任制で何が変わるのか

小学校の多くは学級担任制で、1日の大半を同じ先生と過ごします。中学校では国語・数学・英語・理科・社会に加え、音楽・美術・保健体育・技術家庭といった副教科まで、教科ごとに先生が変わります。進め方や課題の出し方、評価の基準も先生によって異なるため、「先生が変わるたびにやり方が違って戸惑う」というのは、多くの中1生が最初にぶつかる壁です。

定期テストと内申点のつながり

中学校のテストは、小学校のような単元ごとの小テストではなく、中間・期末など「テスト期間」にまとめて主要教科・副教科の両方が実施されます。この結果に加え、提出物や授業態度も合わせた5段階評価が「内申点」となり、地域によっては中学1年生の成績から高校受験の合否判定に通算されます。「まだ中1だから」と油断できない仕組みになっていることは、知っておくと心構えがしやすくなります。

つまずきやすい教科・単元

  • 英語のbe動詞・一般動詞・三人称単数のsなど、初めての文法体系
  • 正負の数・文字式・方程式など、抽象的な数学の概念
  • 教科ごとに異なる進度・課題管理・提出物のルール

小学校の英語は「聞く・話す・楽しむ」が中心でしたが、中学英語は文法のルールを積み上げて理解する教科に変わります。数学も、具体的な数の計算から、正負の数や文字式という抽象的な概念の操作へと大きく飛躍します。この「小学校との連続性のなさ」こそが、中1でつまずきやすい最大の理由です。教科担任制は、先生ごとの説明の仕方や相性によって、得意・不得意に差が出やすい仕組みでもあります。

家庭学習を進める工夫

  • 教科ごとに得意・不得意を分けて整理する(全部を同じように頑張ろうとしない)
  • 定期テストの過去問より、基礎の抜け漏れ確認を優先する
  • 英語・数学は積み上げ型の教科であることを意識し、早めにつまずきを解消する
  • 出席日数や内申点への不安があれば、早めに学校に相談する

定期テストだけ受けるという選択肢

登校自体は難しくても、定期テストの日だけ保健室や相談室、空き教室といった「別室」で受けられるよう配慮してもらえるケースがあります。学校によっては、テスト期間中は部活動が休止され生徒が午後には下校するため、その時間帯を使って受験できるよう調整してもらえることもあります。相談のタイミングはテストの2〜3週間前が目安です。担任の先生だけで話が進まない場合は、学年主任や不登校支援担当、養護教諭にも共有してもらえるか聞いてみてください。

参考:すらら「【内申点・成績は?】不登校のテスト勉強法と別室でテストを受ける方法について解説」

「出席扱い制度」を知っておく

⚠️ 自宅学習が「出席」として認められることがあります

文部科学省は令和元年10月25日付の通知で、不登校の児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合、一定の要件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席として扱い、その成果を評価に反映できることを示しています。要件としては、保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること、その学習が本人の自立や円滑な学校復帰につながると判断されることなどが挙げられています。

対象となる学習活動には、民間のICT教材、教育支援センターが作成した教材、通信教育、在籍校の授業を自宅に配信するものなどが含まれます。すべての学校・自治体で同じ運用がされているわけではありませんが、「学校を休んでいる=何も記録に残らない」わけではないケースがあるということは、知っておいて損はありません。

気になる場合は、担任の先生やスクールカウンセラー、教育支援センターに直接確認してみることをおすすめします。

参考:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」

がんばっているあなたへ

中学の勉強は、小学校までとは別物のように感じられるかもしれません。仕組みが変わったのですから、戸惑うのは当然のことです。

「中1ギャップ」は多くの子が経験するものです。教科ごとに向き合い方を変えながら、お子さんに合ったペースを一緒に見つけていってください。

💻 少人数・自分のペースで学べる環境という選択肢

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📺 関連動画:NIJINアカデミー校長 星野達郎のYouTubeチャンネル

不登校の中学生が定期テストだけ受ける意味はあるのか?

不登校の中学生が定期テストだけ受ける意味はあるのか?

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?

A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。

Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?

A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。

Q. 費用が心配です

A. 教育支援センター原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。

Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?

A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。

Q. 近くに通える場所がありません

A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

教科ごとに得意・不得意の差が激しいです

中学は教科担任制のため、先生との相性や説明の仕方が合う・合わないも影響します。苦手な教科は市販教材や動画など別のアプローチを試してみてください。

定期テストの結果に本人がひどく落ち込んでいます

点数だけでなく、どこでつまずいたかを一緒に確認し、「次に向けた材料」として捉える声かけが助けになります。

休みがちで内申点が心配です

内申点だけにとらわれず、通信制高校やチャレンジスクールなど多様な進路の選択肢があります。早めに学校や進路相談窓口に相談してみてください。

定期テストだけでも受けさせた方がいいですか?

点数の良し悪しより、「今どこまで理解できているか」を把握する材料として活用できます。別室受験など学校側の配慮を確認したうえで、本人が負担に感じない範囲で相談してみてください。

出席扱い制度を使うと、いずれ学校に戻れなくなりませんか?

そうとは限りません。制度の要件には「円滑な学校復帰につながる学習活動であること」が含まれており、あくまで学びを止めないための仕組みです。学校復帰を焦らせるものでも妨げるものでもありません。

まとめ

中1は教科担任制や定期テストなど、学習の仕組み自体が大きく変わる時期です。戸惑いは自然なことです。

教科ごとに向き合い方を変えながら、定期テストの受け方や出席扱い制度など、活用できる仕組みも取り入れつつ、無理のないペースで学習を進めていきましょう。

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