中学2年生の不登校|内容が難化する時期の勉強の遅れとの向き合い方

中学2年生 不登校
中学2年生の不登校|内容が難化する時期の勉強の遅れとの向き合い方|にじいろ

「一度分からなくなると、そこから全部分からなくなっている気がする」——中2のお子さんの勉強を見ていて、そんな心配を感じたことはありませんか。

中2は連立方程式や一次関数、英語の時制・比較級など、積み上げ型の教科が一気に難化する時期です。この記事では、中2の学習面の特徴と、遅れとの向き合い方をまとめました。

📝 この記事でわかること

  • 中2で難化する教科とその理由
  • 積み上げ型の教科への対応
  • 「戻り学習」の考え方
机に伏せてぼんやりする男の子
やる気が出ない様子も、成長の途中でよく見られる姿です
目次

なぜ勉強が心配になるのか

中学2年生では、連立方程式や一次関数といった抽象度の高い数学、時制や比較級など文法が複雑化する英語など、これまでの学習の積み重ねが前提となる内容が増えます。数学・英語は特に「一度つまずくと、その先すべてが分からなくなりやすい」積み上げ型の教科であり、行き渋りや休みがちな期間があると、その影響が大きく出やすい時期です。

「中だるみ」も重なりやすい時期

中2は学習内容の難化に加えて、いわゆる「中だるみ」の時期とも重なります。行事や学校生活に慣れて緊張感が薄れる、部活動が中心的な学年になり忙しくなる、高校受験まではまだ時間があるように感じて目標を見失いやすい、といった要因が組み合わさり、定期テストの点数低下や宿題の後回しといった形でサインが出やすくなります。学習面のつまずきと生活面の変化が同時に起きやすいことを、まず知っておくと捉え方が変わってきます。

参考:ベネッセ教育情報サイト「中2は中だるみしやすい!?どんな対策をすればよい?」

つまずきやすい教科・単元

  • 連立方程式・一次関数など、抽象度の高い数学
  • 時制・比較級など複雑化する英語文法
  • 積み上げ型の教科ゆえの「一度分からなくなると全部わからなくなる」現象

「今の学年の内容が分からない」のではなく、「どこかの単元でつまずいたまま止まっている」ことがほとんどです。特に連立方程式は、中1で習う一次方程式や文字式の理解が前提になっており、そこが曖昧なまま進むとつまずきやすくなります。さらに一次関数の単元でも連立方程式の考え方を使う場面が多く、片方が分からないともう片方も解けない、という相互依存の関係にあることが、中2数学の難しさの正体です。

参考:家庭教師のジャニアス「【中2の数学】をバッチリ攻略!連立方程式や一次関数を解説」

家庭学習を進める工夫

  • 数学・英語は、今の学年ではなく、つまずいた単元まで遡って確認する(いわゆる「戻り学習」)
  • 数学は特に、中1の一次方程式・文字式まで遡って理解を固め直す
  • 一度に全範囲を追いつこうとせず、優先順位をつけて取り組む
  • オンライン教材や個別指導など、学年を超えて学び直せる環境を活用する
  • 勉強場所を変えてみる(図書館、フリースクールの自習スペースなど)のも気分転換になる

目標を再設定してみる

「中だるみ」の背景には、受験までまだ時間があるように感じられ、目標を見失いやすいことも関係しています。漢字検定・英語検定・数学検定といった資格試験に挑戦してみる、家庭学習の時間を親子で一緒に決めてみるなど、小さな目標を再設定することが、学習へのモチベーションを取り戻すきっかけになることがあります。

「出席扱い制度」を知っておく

⚠️ 自宅学習が「出席」として認められることがあります

文部科学省は令和元年10月25日付の通知で、不登校の児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合、一定の要件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席として扱い、その成果を評価に反映できることを示しています。要件としては、保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること、その学習が本人の自立や円滑な学校復帰につながると判断されることなどが挙げられています。

対象となる学習活動には、民間のICT教材、教育支援センターが作成した教材、通信教育、在籍校の授業を自宅に配信するものなどが含まれます。すべての学校・自治体で同じ運用がされているわけではありませんが、「学校を休んでいる=何も記録に残らない」わけではないケースがあるということは、知っておいて損はありません。

気になる場合は、担任の先生やスクールカウンセラー、教育支援センターに直接確認してみることをおすすめします。

参考:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」

がんばっているあなたへ

積み上げ型の教科でつまずくと、「もう全部わからない」という気持ちになりやすいものです。けれどそれは、能力の問題ではなく、どこかの単元に戻る必要があるだけのことがほとんどです。

遡ることは後退ではありません。土台を作り直すための、大切な一歩です。

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【解説】子どもの不登校復帰後、また休む理由と対策について

【解説】子どもの不登校復帰後、また休む理由と対策について

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?

A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。

Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?

A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。

Q. 費用が心配です

A. 教育支援センター原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。

Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?

A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。

Q. 近くに通える場所がありません

A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

数学がどこから分からなくなったのか、本人も分かっていません

簡単な確認テストや、市販の学年別ドリルを使って、どこまで理解できているかを一緒に確認してみるのがおすすめです。

英語の文法が複雑になってついていけていません

時制や比較級は、それ以前の基本文型の理解が前提になっています。焦らず基本文型まで戻って確認してみてください。

「戻り学習」は恥ずかしいことではないですか?

まったくそうではありません。土台を固め直すことで、その後の学習がスムーズに進みやすくなります。積み上げ型の教科では、多くの子が通る道です。

「中だるみ」なのか「不登校の入口」なのか、見分け方はありますか?

明確な線引きは難しいですが、一時的なやる気の波であれば生活リズムは大きく崩れないことが多いです。睡眠時間の乱れや朝の体調不良、学校の話題を避けるといった様子が続く場合は、単なる中だるみ以上のサインとして注意して見てあげてください。

まとめ

中2は積み上げ型の教科が難化し、一度のつまずきが大きく響きやすい時期です。「中だるみ」と呼ばれる意欲の波が重なりやすいことも、背景として知っておくと捉え方が変わってきます。

今の学年にこだわらず、つまずいた単元まで戻って確認する「戻り学習」を大切にしながら、小さな目標を一緒に見つけていきましょう。

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