「割合がまったく分からないと言っている」「英語の授業についていけているか不安」——高学年になったお子さんの学習に、新しい心配が増えていませんか。
小5は割合や図形など算数が一段と難化し、英語が正式な教科として本格的に始まる時期です。この記事では、小5でつまずきやすいポイントと家庭学習の工夫をまとめました。
📝 この記事でわかること
- 小5で難化する算数の内容
- 英語という新しい教科への向き合い方
- 家庭学習を続けるための工夫
なぜ勉強が心配になるのか
小学5年生になると、割合・比・単位量あたりの大きさなど、これまで以上に抽象的な算数の概念が登場します。あわせて英語が正式教科となり、「話す・聞く」に加えて評価の対象にもなります。高学年としての責任が増える時期でもあり、学習面の負担が重なりやすいタイミングです。
英語が「教科」になったということ
2020年度の学習指導要領改訂で、英語は小学5年生から正式な教科に格上げされました。それまでの3・4年生の「外国語活動」が「聞く・話す」中心だったのに対し、5・6年生では「読む・書く」も加わった4技能5領域を学び、何より通知表で成績がつくようになります。授業は週2回・年間70時間ほどで、be動詞・一般動詞の文や疑問詞・代名詞などを使い、600〜700語程度の単語を扱います。「教科になった」というだけで身構えてしまう保護者の方も多いのですが、内容自体は基礎的な表現が中心です。
参考:ベネッセ教育情報サイト「小学校英語では文法を教えないってホント?」
つまずきやすい教科・単元
- 割合・比などの抽象的な算数概念
- 図形の角度・面積の計算
- 成績評価の対象となった英語への不安
割合は「日常生活の中の例」で説明すると理解しやすくなることが多い単元です。
家庭学習を進める工夫
- 割合は値引き・濃度など、生活の中の具体例で説明する
- 英語は「正確さ」より「楽しめること」を優先する
- 図形は実際に紙を切ったり測ったりして体感的に理解する
- 休んでいた期間があっても、今の理解度からスタートしてよいと伝える
- 高学年としての役割(委員会・係活動など)の負担が重なっていないかも確認する
「出席扱い制度」を知っておく
文部科学省は令和元年10月25日付の通知で、不登校の児童生徒が自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合、一定の要件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席として扱い、その成果を評価に反映できることを示しています。要件としては、保護者と学校の間に十分な連携・協力関係があること、その学習が本人の自立や円滑な学校復帰につながると判断されることなどが挙げられています。
対象となる学習活動には、民間のICT教材、教育支援センターが作成した教材、通信教育、在籍校の授業を自宅に配信するものなどが含まれます。すべての学校・自治体で同じ運用がされているわけではありませんが、「学校を休んでいる=何も記録に残らない」わけではないケースがあるということは、知っておいて損はありません。
気になる場合は、担任の先生やスクールカウンセラー、教育支援センターに直接確認してみることをおすすめします。
参考:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」
がんばっているあなたへ
割合や英語は、大人でも「感覚的に分かりにくい」と感じる人が多い分野です。お子さんが苦手意識を持つのは、決して特別なことではありません。
生活の中の身近な例と結びつけながら、少しずつ「分かった」の感覚を増やしていってください。
NIJINアカデミーでは、お子さんのペースに合わせた学びの環境について相談できるメタバース体験説明会を平日毎日実施しています。
今すぐ体験説明会に参加する家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
まぎらわしい用語の整理
不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。
| 用語 | 正体 | 在籍 | 費用 | 出席の扱い |
|---|---|---|---|---|
| 教育支援センター (=適応指導教室) | 市区町村の教育委員会が運営する施設 | 在籍校のまま | 原則無料 | 要件を満たせば出席扱い |
| 校内教育支援センター (=校内の別室) | 在籍校の中に置かれた部屋 | 在籍校のまま | 無料 | 出席として扱われる |
| 学びの多様化学校 (旧・不登校特例校) | 特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校) | その学校に転校 | 公立は無償/私立は学費 | 通常の出席 |
| フリースクール | NPOや民間企業が運営する民間施設 | 在籍校のまま | 月1〜5万円程度 | 要件を満たせば出席扱い |
| オンラインスクール | 自宅から参加する民間のスクール | 在籍校のまま | スクールにより異なる | 自宅ICT学習の要件を満たせば可 |
| 通信制高校・サポート校 | 高校段階の学校と、その学習を支える施設 | その高校に在籍 | 学校により異なる | 高校の在籍として扱われる |
この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。
名前が違っても中身は同じことがあります
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 欠席が多いと高校に行けませんか?
A. 行けます。出席日数を選抜に使わない高校は増えており、通信制高校では欠席日数を問わないところがほとんどです。中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験という道もあります。
Q. フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
A. 要件を満たせば校長の判断で出席扱いにできます。ただし文部科学省の通知では教育支援センター等の公的機関が第一に想定されており、民間施設は「公的機関に通えない場合」に考慮される位置づけです。詳しくは教育支援センターとはをご覧ください。
Q. 費用が心配です
A. 教育支援センターは原則無料です。民間のフリースクールについては、利用料の補助制度を設けている自治体が増えています。就学援助もあわせて教育委員会に確認してください。
Q. 学校に戻ることを目標にしなくていいのですか?
A. はい。文部科学省の通知が「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」と明記しています。学校復帰は選択肢のひとつであって、唯一のゴールではありません。
Q. 近くに通える場所がありません
A. ①校内の別室、②教育支援センターの訪問型支援、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)、④オンライン——の順で確認するのが現実的です。地域に選択肢がないことは、家庭の責任ではありません。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
割合がどうしても理解できません
「100円の20%引き」のような身近な例で説明すると、公式だけで教えるより理解しやすくなることがあります。
英語の授業についていけているか心配です
小学校の英語は「楽しむこと」が目的の一つでもあります。正確さにこだわりすぎず、歌や動画など興味を持てる形から触れてみてください。
休んでいた期間の遅れをどう取り戻せばいいですか?
一気に取り戻そうとせず、今の理解度から少しずつ積み上げることを優先してください。焦りは学習への抵抗感につながることがあります。
まとめ
小5は算数・英語ともに難化する時期ですが、身近な例や体験と結びつけることで理解しやすくなります。
高学年としてのプレッシャーも重なりやすい時期だからこそ、お子さんのペースを尊重した学習を心がけてください。
📎 関連記事
あわせて読みたい
つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310
お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

