母子分離不安ー低学年行き渋りのサインー

母子分離不安
母子分離不安チェックリスト|低学年の「行き渋り」に隠れたサインとは|にじいろ

朝、玄関で「行かないで」としがみついて離れない。学校に着いても教室に入れず、涙が止まらない——そんな姿を繰り返し見ていると、「私の育て方が甘かったのだろうか」と、自分を責めてしまう保護者の方も少なくありません。

けれど、母子分離不安は特別なことではなく、多くの子どもが成長の過程で経験するものです。低学年のお子さんの行き渋りの背景に、この母子分離不安が関わっているケースは決して珍しくありません。

この記事では、母子分離不安のサインをチェックリストで整理しながら、ご家庭でできる関わり方や、専門機関に相談する目安についてもまとめました。

📝 この記事でわかること

  • 母子分離不安とは何か
  • チェックリストで様子を整理する方法
  • 分離不安が強くなる背景
  • 専門機関に相談する目安
向き合って話す親子
少しずつ安心を積み重ねることが、関わりの助けになります
目次

母子分離不安とは

母子分離不安とは、保護者など愛着のある存在から離れることに対して、年齢相応以上の強い不安を感じる状態です。多くの子どもが成長の過程で経験するものですが、その不安が強く、日常生活(登園・登校など)に大きな支障が出ている場合は、少し丁寧に見ていく必要があります。

参考:LITALICOジュニア「母子分離不安とは?原因や対応、相談先を解説します」

チェックリスト

  • 保護者の姿が見えなくなると激しく泣く、パニックになる
  • 一人で寝られない、トイレにも一人で行きたがらない
  • 「ママ(パパ)が事故に遭うかも」など離れることへの強い不安を口にする
  • 頭痛や腹痛など、離れる場面で体の不調を訴える
  • こうした様子が1か月以上続いている

なぜ分離不安が強くなるのか

分離不安が強まる背景には、入学や進級といった環境の変化、きょうだいの誕生、引っ越し、家庭内の緊張など、複数の要因が重なっていることがあります。一つの原因を探して特定しようとするより、「今、変化にさらされているのかもしれない」という視点で見てあげることが、対応のヒントになります。

家庭でできる関わり方

無理に引き離すのではなく、「少しずつ離れる時間を作る」「行ってきますの後、必ず戻ってくることを言葉で伝える」など、安心感を積み重ねる関わりが助けになります。焦らず、お子さんのペースに合わせることが大切です。

専門機関に相談する目安

チェックリストに複数当てはまり、生活への影響が大きい場合は、スクールカウンセラーや児童精神科、地域の教育支援センターに相談してみることをおすすめします。

がんばっているあなたへ

「甘えさせすぎたから」「厳しくしすぎたから」——原因を自分の中に探して、苦しくなっていませんか。母子分離不安は、特定の育て方が引き起こすものではなく、多くの子どもが通る発達の一過程です。

お子さんが安心してあなたから離れられるようになるまで、時間がかかっても大丈夫です。焦らず積み重ねていくその関わりこそが、何よりの支えになっています。

💻 少人数・自分のペースで学べる環境という選択肢

NIJINアカデミーでは無料のメタバース体験説明会を平日毎日実施しています。

今すぐ体験説明会に参加する

NIJINアカデミー公式サイトはこちら

📺 関連動画:NIJINアカデミー校長 星野達郎のYouTubeチャンネル

【低学年保護者必見】母子分離不安はどうしたら解消できますか?

【低学年保護者必見】母子分離不安はどうしたら解消できますか?

この記事の内容を確かめるための一次資料

「怠けている」ように見える状態の裏に、医学的な背景があることは珍しくありません。とくに起立性調節障害は思春期に多く、朝起きられないことが本人の意思とは無関係に起きます。判断を家庭だけで抱えず、医療の一次情報にあたってください。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
厚生労働省「こころの健康」子どもと保護者のメンタルヘルスの基礎情報
厚生労働省「こころの耳」相談窓口とセルフチェック
日本小児心身医学会起立性調節障害など、子どもの心身症に関する学会情報
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 朝だけ具合が悪くなります。仮病でしょうか?

A. 仮病とは限りません。起立性調節障害のように、午前中に強く症状が出て午後に回復する状態は思春期に多くみられます。本人の意思では動かせない体の反応なので、まずは小児科や児童精神科で相談してください。

Q. 受診したほうがよい目安はありますか?

A. 睡眠・食事・体重に変化があるとき、体の症状が2週間以上続くときが一つの目安です。「気のせいかも」と迷う段階で相談して構いません。学校を休む判断の根拠にもなります。

Q. 薬を飲ませることに抵抗があります

A. 治療の選択は家庭が決めることです。迷いをそのまま医師に伝えてよいですし、薬以外の選択肢や、まず生活リズムから整える方針を相談することもできます。

Q. 学校にどう説明すればいいですか?

A. 診断名だけでなく、「午前中は登校が難しいが、午後なら可能なことがある」と具体的な時間帯や条件で伝えるほうが配慮につながります。医師の意見書があると、学校側も動きやすくなります。

Q. 保護者自身がつらいときは?

A. 保護者の消耗は子どもに伝わります。厚生労働省「こころの健康」や自治体の相談窓口は、保護者本人の相談も受け付けています。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は保護者からの相談も可能です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか

軽い分離不安は成長とともに落ち着くことも多いですが、日常生活に大きな支障が出ている場合は、早めに相談窓口を利用することで、お子さんも保護者も楽になれることがあります。

母子分離不安は不登校につながりますか

すべてがそうではありませんが、行き渋りのきっかけの一つになることはあります。早い段階で気づき、対応することが大切です。

幼稚園の頃は平気だったのに、小学校に上がってから急に分離不安が強くなりました。なぜですか

就学という大きな環境変化が引き金になることがあります。新しい環境への不安が、慣れ親しんだ保護者への依存という形で表れることは珍しくありません。

まとめ

母子分離不安は珍しいことではありません。まずはチェックリストで様子を整理し、必要であれば専門機関にも頼ってみてください。

「離れられない」ことは弱さではなく、それだけ強い愛着が育っている証でもあります。今の関わりを積み重ねていけば、お子さんは必ず自分のペースで一歩を踏み出していきます。

あわせて読みたい

つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)

24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310

お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

目次