秦野市から通えるフリースクール10選|市内1か所と、公的支援3拠点の使い分け【2026年版】

秦野から通えるフリースクール10選
秦野市には民間のフリースクールがほとんどありません。確認できたのは市内1か所だけです。そのかわり、秦野市の公的な支援は多摩・湘南のどの市よりも手が込んでいます。教育支援教室「いずみ」に加えて、家庭を訪問する「つばさ」、そしてデジタルフリースクール「はだのっ子eスクール」。3つの入口が用意されています。この記事では、秦野から通える10か所と、この3拠点の使い分けを書きます。
この記事でわかること
  • 秦野市内で確認できた民間フリースクールは1か所だけです。残りは伊勢原・平塚・二宮・厚木・小田原になります
  • 秦野市には補助制度がありません。市教委は「具体的に検討している状況ではない」と報道で答えています
  • 秦野市の公的支援は3拠点あります。教育支援教室「いずみ」/訪問型「つばさ」/デジタルの「はだのっ子eスクール」
  • 「いずみ」は学校経由でも保護者から直接でも相談できます
  • 伊勢原に月4,000円のフリースクールがあります。この記事のなかで最も安い選択肢です
  • 秦野市の不登校は令和6年度で369人(出現率3.27)。5年で約2倍になっています
編集部より

この記事は、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJINが編集しています。10番目に自社のスクールを挙げていますので、自社の紹介を含む記事であることを先にお伝えします。ほかの9か所と同じ項目・同じ粒度で書き、公式サイトに書かれていないことは「非公開」「確認できず」とそのまま書いています。

目次

市内は1か所。そのかわり公的支援が3拠点あります

秦野市でフリースクールを探すと、すぐに壁にぶつかります。市内で実在を確認できた民間のフリースクールは「はだの森の自然学園」の1か所だけです。しかも対象は小学1年から6年、開所は月・火・木の週3日です。中学生の家庭には市内に選択肢がありません。

お金の話も先に書きます。秦野市には、市が保護者にフリースクール利用料を補助する制度がありません。地域紙の取材に対して、市教委は「具体的に検討している状況ではない」としつつ「考えていかなければならない課題として認識している」と答えています。

神奈川県には「フリースクール等利用児童・生徒支援事業補助金」があり、市町村が保護者に補助した経費の3分の1を県が負担します。基準額は児童生徒1人につき通所月数×1万円。ただし実施しているのは相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町だけで、秦野市は入っていません。県の制度は市町村が実施するものなので、市が動かなければ住民には届きません。

ここまでは厳しい話です。でも、秦野市には別の強みがあります。公的な支援の入口が3つあることです。

市の施策名は「新たな学びサポート120%」。その中身は、①教育支援教室「いずみ」(通所型)、②訪問型個別支援教室「つばさ」(家庭訪問)、③「はだのっ子eスクール」(デジタルフリースクール、令和6年8月開設)の3本です。

③の説明が具体的です。市の点検評価報告書にはこう書かれています。「8月より『はだのっ子eスクール』を開設し、学校内での支援や『いずみ』『つばさ』での支援を受けることが難しい児童生徒を対象に、親和性の高いプログラミングソフトやデジタル教材等での学習を通じて、児童生徒一人ひとりに合った支援を行った。」つまり、「通所も訪問も難しい」段階の子どもにまで、公的な受け皿を用意しているということです。ここまで組み立てている市は多くありません。

不登校の数字も見ておきます。秦野市の令和6年度は369人、出現率3.27。令和3年度の出現率が1.64だったので、3年で2倍になっています。

ノートと本が並んだ机の上

秦野から通えるフリースクール10選(比較一覧)

市内2か所と、小田急線・東海道線・神奈中バスで通える市外7か所、それにオンラインを1つ。費用は公式サイトに書かれている金額をそのまま載せ、書かれていないものは「非公開」または「確認できず」としています。推測では書いていません。

スクール名 エリア(最寄り) 対象 開所 費用の目安
1. はだの森の自然学園 秦野市(番地は確認できず) 小1〜小6 月・火・木 10:00-14:00 体験参加費4,000円(入会金・月額は非公開
2. 秦野不登校相談支援所 トコトコ 秦野市下大槻194 小・中・高+保護者 電話受付 11:00-21:00(日祝除く) 初回面談無料(月額は非公開) ※相談支援所です
3. いせはらフリースクール 風の谷 伊勢原市伊勢原1-24-15(伊勢原駅北口 徒歩6分 小5〜中3 月・火・木 10:00-15:00 月4,000円
4. フリースクール とどまる学園 二宮町二宮1126-2 3F 小学生〜18歳 水・金+月1回の月曜 12:00-16:00(昼食付 入学30,000円+初等部 週1 14,000円/中等部 週1 19,000円ほか
5. フリースペース いろえんぴつ 平塚市西八幡1-1-27 主に小・中 月〜金 10:00-15:00 1回2,000円 または月10,000円(無料体験2回
6. フリースクール・個別指導のT&M 平塚市豊田本郷1565-1ほか 小・中・高 10:00-21:00(日曜休) 入会金0円+月22,000円(出席表提出は別途8,800円/月)
7. 探究支援塾Trimの教室 平塚市代官町23-29(平塚駅南口 徒歩8分 小・中・高 月・木・金 10:00-15:00 非公開
8. 星槎教育研究所 厚木相談室 チャレンジスクール 厚木市中町3-16-8 小4〜中3 月・水・金 10:20-15:30 非公開
9. せいさフリースクール おだわら 小田原市根府川41 小4〜中3 月〜金 午前10:40-12:30/午後13:20-15:10 全日 週3日36,000円/半日 週3日20,000円
10. NIJINアカデミー(オンライン) 自宅から参加 小1〜中3 平日の学級制 月25,443円(初月のみ入学金33,000円)

10か所を1か所ずつ紹介します

1. はだの森の自然学園|秦野市内で確認できた、唯一の民間フリースクール

運営:こだぬき会(法人格は確認できず)/神奈川県秦野市

秦野市内で実在を確認できた民間フリースクールは、ここだけです。市の「はだのっ子未来応援サポーター」に登録されていて、市の公式ページにこう紹介されています。「自然の中で子どもたちがのびのびと育つ事ができる場作りをしています。様々な自然体験を通して、身体と心を育て、仲間と一緒に育ちます」。体験・遊び場イベント、フリースクール、未就園児のコミュニティを手がけています。

対象は小学1年生から6年生。開所は毎週月・火・木の10時から14時、週3日です。中学生は対象外なので注意してください。

正直に書きます。番地、入会金、月額、出席扱い、送迎、オンライン対応は、いずれも確認できませんでした。公開されているのは体験参加費4,000円だけです。公式サイトはCanvaで作られていて本文が読み取れない状態でした。市の公式サイトに団体として載っているので実在は確かです。詳細は電話またはInstagramのダイレクトメッセージで直接聞いてください。

2. 秦野不登校相談支援所 トコトコ|市内の相談窓口。初回面談は無料

所長:原健之氏(博士(心理学)、不登校の経験者)/神奈川県秦野市下大槻194/電話 080-6630-1515

先に性格をはっきりさせます。ここは通所型のフリースクールではなく、相談支援所です。「小学生と中学生、高校生を対象とした心理的・教育的支援」と保護者への支援を行っています。それでもこの記事に入れているのは、秦野市内で相談できる民間の窓口が、ほかに見つからなかったからです。

特徴は初回面談が無料であることと、「ご家庭の経済状況に応じてプランの価格を見直す」と明記していること。心理検査が無料で受けられ、図書の貸し出しもあります。リラックスルームでボードゲームや映画を楽しめる時間もあり、信頼関係を作る→学習→進路という段階を踏む設計です。

電話の受付は日曜・祝日を除く11時から21時。「内容によりましてはお電話やZoomでの相談ができればと考えております」とあり、オンラインにも対応します。通所の曜日と時間、月額の費用、出席扱いについては確認できませんでした。

3. いせはらフリースクール 風の谷(伊勢原市)|月4,000円。この記事で最も安い

運営:認定特定非営利活動法人 地域福祉を考える会/神奈川県伊勢原市伊勢原1丁目24-15「おおきな樹」(元・伊勢原市中央保育園)内2階/伊勢原駅北口から徒歩6分/電話 0463-95-6665

月謝が4,000円です。この記事のなかで最も安く、小田急線で秦野から伊勢原は数駅、駅から徒歩6分。費用と通いやすさの両方で、秦野市民にとっていちばん現実的な市外の候補になります。

対象は小学5年生から中学3年生。開所は月・火・木の10時から15時、週3日。認定NPO法人が運営していて、2025年4月に開設された新しい場所です。学習支援、教育相談、コミュニケーションなど社会的スキルの育成、ピアサポートが柱で、プログラミング・工作・料理といった体験活動もあります。

ひとつ注意があります。月謝について、公式サイトは4,000円、紹介サイトは3,000円と食い違っています。この記事では公式サイトの4,000円を採用していますが、問い合わせのときに確認してください。入会金の有無、出席扱い、送迎については記載がなく、確認できませんでした。

4. フリースクール とどまる学園(二宮町)|公式に「秦野市で活動」と書いている

運営:NPO法人とどまる会/神奈川県中郡二宮町二宮1126-2 3F(にのみや聖書教会 サンチャペルを借用)/電話 0463-71-7445

公式サイトに「二宮町を中心に、平塚市、秦野市、中井町、大磯町で活動」と明記されています。さらに秦野市の「はだのっ子未来応援サポーター」にも登録済みで、市の紹介文は「スタッフが生徒と寄り添いながら成長を目指す。食事、遊び、体験を中心に活動し、『本人が学びたいと思うまで待つ』」。秦野市の子どもを対象圏内に入れていることが、公式と市の両方で確認できる数少ない施設です。

対象は小学生から10代(18歳以下)まで。開所は毎週水曜と金曜、それに月1回の月曜、12時から16時(昼食付き)。土曜にはクラブ活動・特別活動・学習支援もあります。高卒認定に向けた学習支援も行っています。

費用が細かく公開されています。入学金30,000円。初等部は週1コース14,000円・週2コース22,000円、中等部は週1コース19,000円・週2コース25,000円。「ときどきコース」(月3回)が初等部4,000円・中等部4,500円と用意されているのが特徴で、体験入学は1か月4回で10,000円、一時休学は月8,000円です。「どれだけ遊んだかが花開く」をモットーに、英会話プログラム、とどまるファーム、鉄道模型クラブなどがあります。訪問支援「出張とどまる」もあります。出席扱いについては記載がなく、確認できませんでした。

5. フリースペース いろえんぴつ(平塚市)|無料体験が2回ある

代表:渡邉真樹氏(法人格は確認できず/2024年開設)/神奈川県平塚市西八幡1-1-27 さかえビル3階/電話 080-5923-1127

「ひとりひとりが安心して過ごせる学校でも家でもない第三の居場所」を掲げていて、「いつ来ても、いつ帰ってもOK」という設計です。対象は主に小中学生。開所は月曜から金曜の10時から15時。この記事のなかで、平日を通して開いている数少ない場所です。

費用は1回2,000円、または月額10,000円。そして無料体験が2回あります。「合うかどうか分からないのに入会金は払えない」という段階に、いちばん向いている条件です。

秦野からは小田急線と東海道線の乗り継ぎになります。最寄り駅と徒歩分数、入会金の有無、出席扱い、送迎については記載がなく、確認できませんでした。

6. フリースクール・個別指導のT&M(平塚市)|入会金0円・月22,000円。夜21時まで

T&M education services/神奈川県平塚市豊田本郷1565-1(豊田本郷フリースクール)ほか、平塚駅前クラス(平塚市宮の前6-18 スカイメイトワン2F)

入会金0円、月額22,000円(税込・全学年共通)。料金が完全に公開されています。対象は小学生・中学生・高校生で、営業時間は10時から21時、定休日は日曜だけ。夜まで開いているので、昼間に動けない時期でも組み立てようがあります。

特徴は費用の書き方が正直なことです。出席表の提出を依頼する場合は別途8,800円/月と明記されています。この費用を公開している施設はほとんどありません。非公開の施設に問い合わせるときは、同じことを必ず聞いてください。

出席扱いについては「学校に欠席されている場合にも、フリースクールへの出席により、出席扱いにされる場合もございます」という書き方です。断定していません。農業体験・運動・社会トレーニングなど、生活リズムを取り戻すためのプログラムがあり、個別指導塾が併設されています。オンライン指導にも対応と明記されています。

7. 探究支援塾Trimの教室(平塚市)|送迎について「各ご家庭で」と正直に書いている

運営:株式会社edu-Criatice/神奈川県平塚市代官町23-29 東和電気ビル3階(JR平塚駅南口から徒歩8分

平塚駅南口から徒歩8分。対象は小学生から高校生まで。開所は月・木・金の10時から15時、週3日です。

中身は、探究を通じた学びと、プロ家庭教師による学習サポート、キャリアコンサルタントによる進路の伴走という3本立て。進路まで一緒に考える体制があるので、中学3年生や高校生を抱える家庭には意味があります。2026年4月に通信制高校を設置する構想も公表されています。

出席扱いの書き方は誠実です。「在籍校によって取り扱いが異なります。フリースクールに通うことで『出席扱い』と認められる場合があります。」送迎についても「昼食はお弁当を持参いただいています。送迎は各ご家庭でお願いしています。」と明記されていて、できないことをできないと書いています。費用は非公開で、兄弟割引と長期継続割引があるとだけ案内されています。

8. 星槎教育研究所 厚木相談室 チャレンジスクール(厚木市)|毎月末に在籍校へ報告している

運営:特定非営利活動法人 星槎教育研究所/神奈川県厚木市中町3-16-8(星槎国際高等学校 厚木学習センター内)/電話 046-296-5252

神奈川県の「フリースクール等の紹介」に掲載されている施設です。対象は小学4年生から中学3年生。開所は月・水・金の10時20分から15時30分。1クラスの定員は10名で、自尊心の回復と心の成長を目的に、ソーシャルスキルトレーニングと基礎学力の習得、個別カウンセリングを組み合わせています。高校生と一緒に学習したり、イベントに参加したりすることもあります。

出席扱いの書き方が実務的です。原文は「チャレンジスクールでの出席状況は毎月末、在籍校へ送っています」。認定を約束するのではなく、毎月の報告をきちんと行うという書き方です。出席扱いの実務では、この「毎月の報告」こそが要になります。

費用は公式サイトに記載がなく、非公開です。秦野からは小田急線で本厚木まで出る経路になります。送迎・オンライン対応についても記載がなく、確認できませんでした。

9. せいさフリースクール おだわら(小田原市)|平日フル。全日と半日を選べる

運営:NPO法人 星槎教育研究所/神奈川県小田原市根府川41(旧片浦中学校の跡地)

この記事のなかで、月曜から金曜まで開いている数少ない施設です。対象は小学4年生から中学3年生。開所は午前の部が10時40分から12時30分、午後の部が13時20分から15時10分。

費用は公開されています。週3日(基本の登校日数)で、全日36,000円、半日20,000円(いずれも月額)。通う日数によって金額が変わる仕組みなので、「まず週1日から」という始め方も料金の面で成立します。旧片浦中学校の校舎をそのまま使っていて、習熟度別の学習に加えて、高校生の先輩からのフォローやゼミ、校外学習があります。

秦野からは小田急線と東海道線の乗り継ぎで、この記事のなかではもっとも遠い候補です。出席扱い・送迎については、このページには記載がなく確認できませんでした。

10. NIJINアカデミー(オンライン)|担任と学級がある。自宅から参加する

運営:株式会社NIJIN(当サイトの運営会社)/オンライン

最後に自社のスクールを挙げます。通所ではなく、自宅から参加するオンラインのオルタナティブスクールです。担任がいて、学級があり、時間割があります。録画を見るだけの動画配信ではありません。対象は小学1年生から中学3年生までです。

秦野の事情を踏まえて書くと、市内の民間は1か所、しかも小学生限定で週3日です。中学生の家庭には、市内に通える民間の選択肢がありません。市外に出れば伊勢原・平塚・厚木・二宮・小田原になり、いずれも電車での移動が毎日発生します。

費用は月25,443円で、初月のみ入学金33,000円。秦野市には補助がないため全額自己負担ですが、交通費はかかりません。平塚や小田原まで週5日通う場合の定期代を足すと、総額の順位は変わります。

出席扱いについては、希望した方の97%が認定されています(2026年4月時点の実績値)。これは実績であって、必ず認定されるという意味ではありません。認定するかどうかを決めるのは在籍校の校長です。ほかの9か所と同じく、断定はしません。秦野市は市独自のガイドラインを公開していないため、在籍校との相談は一から始めることになります。

電卓とノートで費用を計算する

秦野市のフリースクールの費用相場と、補助制度がないという現実

秦野周辺の相場は、月4,000円から36,000円までの幅に収まっています。極端に高い施設がないのは、この地域の良いところです。

項目 秦野周辺の幅 見落としやすい点
入会金・入学金 0円〜30,000円 T&Mは入会金0円、いろえんぴつは無料体験2回。とどまる学園は入学金30,000円
月額 4,000円〜36,000円 伊勢原の風の谷が月4,000円で最安。いろえんぴつが10,000円、T&Mが22,000円、せいさおだわらが全日36,000円
報告書・出席表の費用 0円〜8,800円/月 T&Mは出席表の提出に月8,800円が別途かかると公開しています。非公開の施設では必ず同じことを聞いてください
交通費 月0円〜約1万円 平塚・厚木・二宮・小田原に通えば、小田急線や東海道線の定期代が毎月かかります
秦野市独自の補助 ありません 市教委は取材に「具体的に検討している状況ではない」と答えています
神奈川県の補助 市町村が実施する制度です 県は市町村に1人あたり月1万円を基準に3分の1を補助。実施は県内6市町だけで、秦野市は入っていません

補助金について、秦野市民が押さえておくべきことを2つ書きます。

ひとつめ。神奈川県の制度は、保護者が県に申請するものではありません。市町村が保護者に補助を出したとき、その3分の1を県が負担する仕組みです。市が制度を作らなければ、県の予算は住民に届きません。令和7年度の実施は相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町です。

ふたつめ。二宮町の補助は、二宮町に住んでいる人のための制度です。秦野市民が二宮町のとどまる学園に通っても、二宮町の補助は出ません。「近隣に補助がある」と「自分が使える」は別の話です。

その前に。秦野市には公的な入口が3つあります

ここまで民間10か所を書いてきましたが、秦野市の公的支援は、この記事のシリーズで見てきたどの市よりも組み立てが細かいです。市の施策名は「新たな学びサポート120%」。3つの拠点があります。

秦野市の3つの公的支援
  • ①教育支援教室「いずみ」(通所型)=秦野市今川町1-3 秦野駅前農協ビル5階/電話 0463-77-1843(教育研究所)/月〜金 9:30〜15:00/対象は「秦野市内の小中学生で、『どうしても学校に行けない』、『学校を休みがちになってしまった』といった心配ごとや悩みを持つ子どもたち」
  • ②訪問型個別支援教室「つばさ」(家庭訪問型)=通所が難しい段階に、家に来てもらえます
  • ③「はだのっ子eスクール」(デジタルフリースクール・令和6年8月開設)「学校内での支援や『いずみ』『つばさ』での支援を受けることが難しい児童生徒を対象に」と市が明記。プログラミングソフトやデジタル教材で学びます
  • 「いずみ」の申し込みは「在籍している学校、または教育研究所(0463-77-1843)にご相談ください」学校経由でも、保護者から直接でも相談できます
  • 費用については、市の公式ページに記載がなく確認できませんでした。電話で聞いてください

注目してほしいのは③です。「通所も訪問も難しい」段階の子どもにまで、市が受け皿を用意しているということを、市が自分の言葉で書いています。ここまで踏み込んでいる自治体は多くありません。民間のフリースクールが市内にほとんどないぶん、秦野市はこの3拠点で受けようとしている、と読むこともできます。

あわせて、市内には無料の居場所もあります。「VIVA・みなみ」です。市の公式ページにこう書かれています。「毎週火曜日、南公民館で『VIVA・みなみ』という、子どもたちの『まなVIVA(学び場) & あそVIVA(遊び場)』を運営しています。学校に行っていない子どもと保護者のための『昼の部』もあります」。参加無料・事前申し込み不要です(対象学年と時間は確認できませんでした)。

一方で、秦野市は市独自の出席の取扱いガイドラインを公開していません。市の公式サイト、教育行政点検・評価報告書(令和6年度・令和7年度)、市長会見資料のいずれにも確認できませんでした。校内の別室の設置状況(全校設置かどうか)についても、公表資料からは確認できませんでした。在籍校ごとに確認してください。

自宅のテーブルで学ぶ子ども

それでも「合いそうな場所がない」と思ったら

ここまで10か所を見てきて、どれも今の子どもには難しそうだと感じた方もいると思います。

秦野の場合、理由ははっきりしています。市内の民間は1か所、小学生限定、週3日。中学生の家庭には市内に選択肢がありません。市外に出ると、伊勢原・平塚・厚木・二宮・小田原のどれも小田急線や東海道線での移動になり、片道の時間がそのまま毎日の負担になります。そして平日を通して開いているのは、平塚のいろえんぴつ、平塚のT&M、小田原のせいさの3か所だけです。

そのときに検討したいのが、家から参加できるオンラインです。まず、通所とオンラインで何がどう違うのかを並べます。

観点 オンライン(例:NIJINアカデミー) 通所フリースクール
通いやすさ 自宅から参加でき、近所の目が気にならない 市内は1か所のみ。伊勢原駅北口徒歩6分、平塚駅南口徒歩8分など、市外には駅近の選択肢があります
対象学年 小1から中3まで 秦野市内の民間は小学生のみです。市外では小5から、小4からという施設もあります
費用 月25,443円(初月のみ入学金33,000円)。交通費はかからない 月4,000〜36,000円。秦野市には補助がないため、どちらも全額自己負担です
人とのつながり 少人数の学級制で、カメラをオフにしたままの参加もできる 同じ場所に集まって、同じものを見ながら過ごせる強みがあります。とどまる学園は昼食付きです
出席扱い 希望した方の97%が認定されています(2026年4月時点の実績値。必ず認定されるという意味ではありません) 断定している施設はありません。星槎の厚木相談室が「出席状況は毎月末、在籍校へ送っています」と書いているのが最も実務的です
始めるまでの早さ 転校の手続きは要りません 見学と面談を経てからになります。いろえんぴつは無料体験2回、トコトコは初回面談無料です

オンラインが向いているのは、こういうときです

こんなときは、まずオンラインから
  • 家から出ること自体に、まだ大きな負担がある
  • 近所の人や同級生に会うことが不安で、通所そのものが壁になっている
  • 中学生で、市内に通える民間の選択肢がない
  • 体調に波があり、行ける日と行けない日の差が大きい

秦野では、市内の民間が小学生限定の1か所しかありません。中学生の家庭は、市外への移動かオンラインかという選択になります。あわせて、市の「はだのっ子eスクール」も、通所も訪問も難しい段階のための公的なデジタル支援として用意されています。民間のオンラインと公的なeスクールの両方を、同じ土俵で比べてみてください。

オンラインを選ぶとき、必ず確認したい4つのこと

ただし、オンラインなら何でもいいわけではありません。

  • ①録画を見るだけなのか、人と会う時間があるのか。動画配信型と、担任と学級がある型では別物です
  • ②在籍校への報告をしてもらえるか。出席扱いの前提は、学校と日常的に連絡が取れていることです
  • ③誰が、どのくらいの頻度で報告するのか。星槎の厚木相談室のように「毎月末に在籍校へ送っています」と説明できる体制かどうかを聞いてください
  • ④報告書や出席表の作成に、別途費用がかかるか。平塚のT&Mは月8,800円と公開しています。非公開の施設では必ず聞いてください

②と③は秦野では特に重要です。市がガイドラインを出していないぶん、施設の報告体制がそのまま在籍校との交渉材料になります。

⚠️ NIJINアカデミーは当サイトの運営会社が運営しています。上の4つは、自社を選んでもらうためではなく、どのオンラインスクールを見るときにも同じように確かめてほしい項目として挙げています。

見学で聞いておきたいこと

見学に行くとき、パンフレットに書いてあることを聞いても意味がありません。書いていないことを聞いてください。秦野の場合、次の7つです。

見学のときの質問リスト
  • 1年間の総額はいくらですか。入会金・月額・教材費・保険料・報告書の作成費をすべて足した金額を聞く。秦野市には補助がないので、この金額がそのまま負担です
  • 在籍校への報告書は、追加費用なしで書いてもらえますか。平塚のT&Mは月8,800円と公開しています。非公開の施設では必ず聞いてください
  • 何曜日の何時から何時まで開いていますか。この記事の9か所のうち、平日を通して開いているのは3か所だけです
  • うちの子の学年は受け入れていますか。はだの森の自然学園は小学生のみ、風の谷とせいさは小4〜小5から、とどまる学園は18歳までです
  • 在籍校への出席の報告は、どういう形で、どのくらいの頻度でしていますか。「出席扱いになりますか」ではなく「報告の形と頻度」を聞いてください
  • 秦野市から通っている子はいますか。とどまる学園は公式に「秦野市で活動」と明記しています。実績があるかどうかで学校との調整のしやすさが変わります
  • 送迎はありますか。Trimは「送迎は各ご家庭でお願いしています」と明記しています。ほかの施設は記載がなく確認できませんでした
テーブルで向かい合って話す親子

よくある質問

秦野市内にフリースクールはありますか。
実在を確認できた民間のフリースクールは「はだの森の自然学園」(こだぬき会)の1か所です。秦野市の「はだのっ子未来応援サポーター」に登録されていて、市の公式ページにも活動内容が紹介されています。対象は小学1年生から6年生、開所は月・火・木の10時から14時です。このほか、秦野市内には相談支援所「トコトコ」(下大槻194)があります。
秦野市に、フリースクールの利用料を補助する制度はありますか。
ありません。地域紙の取材に対して市教委は「具体的に検討している状況ではない」としつつ「考えていかなければならない課題として認識している」と答えています。神奈川県の制度は市町村が実施するもので、実施しているのは相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町だけです。
二宮町のとどまる学園に通えば、二宮町の補助は使えますか。
使えません。県の制度は市町村が実施するもので、その市町に住んでいることが条件になります。秦野市民が二宮町の施設に通っても、二宮町の補助は出ません。ただし、とどまる学園は公式サイトで「二宮町を中心に、平塚市、秦野市、中井町、大磯町で活動」と明記していて、秦野市のサポーターにも登録されています。
中学生が通える場所はどこですか。
秦野市内には民間の選択肢がありません。市外では、伊勢原の風の谷(小5〜中3・月4,000円・伊勢原駅北口徒歩6分)、二宮のとどまる学園(小学生〜18歳)、平塚のいろえんぴつ(主に小中学生・月〜金)、平塚のT&M(小中高・月22,000円)、厚木の星槎チャレンジスクール(小4〜中3)、小田原のせいさおだわら(小4〜中3)が候補になります。
いちばん費用が安いのはどこですか。
伊勢原市の「いせはらフリースクール風の谷」で、公式サイトでは月4,000円です(紹介サイトには3,000円という記載もあり、食い違っています)。次いで平塚市のフリースペースいろえんぴつが1回2,000円または月10,000円で、無料体験が2回あります。二宮町のとどまる学園には「ときどきコース」(月3回)が初等部4,000円・中等部4,500円で用意されています。
秦野市の教育支援教室「いずみ」は、学校を通さないと申し込めませんか。
市の案内は「在籍している学校、または教育研究所(電話番号:0463-77-1843)にご相談ください」となっていて、学校経由でも保護者から直接でも相談できます。場所は秦野市今川町1-3 秦野駅前農協ビル5階、開室は月曜から金曜の9時30分から15時です。費用については市の公式ページに記載がなく、確認できませんでした。
「つばさ」や「はだのっ子eスクール」とは何ですか。
秦野市の「新たな学びサポート120%」という施策にある公的な支援です。「つばさ」は訪問型個別支援教室で、家庭を訪問します。「はだのっ子eスクール」は令和6年8月に開設されたデジタルフリースクールで、市は「学校内での支援や『いずみ』『つばさ』での支援を受けることが難しい児童生徒を対象に」と説明しています。通所も訪問も難しい段階に用意された公的な受け皿です。
秦野市に、出席扱いのルールは公開されていますか。
市独自のガイドラインや様式の公開は確認できませんでした。市の公式サイト、教育行政点検・評価報告書(令和6年度・令和7年度)、市長会見資料のいずれにも見つかりません。文部科学省の通知にもとづき、最終的には在籍校の校長が判断することになるので、担任や管理職に直接確認してください。
フリースクールに通うと、必ず出席扱いになりますか。
なりません。この記事の10か所のうち、出席扱いを断定している施設は1つもありません。星槎の厚木相談室は「チャレンジスクールでの出席状況は毎月末、在籍校へ送っています」、平塚のTrimは「認められる場合があります」、T&Mは「出席扱いにされる場合もございます」という書き方です。最終的に決めるのは在籍校の校長です。

まとめ

秦野市でフリースクールを探すときの前提は、はっきりしています。市内の民間は1か所、小学生限定、週3日。中学生の家庭には市内に選択肢がありません。そして市の補助もありません。

そのかわり、秦野市の公的支援は3拠点あります。教育支援教室「いずみ」(通所)、訪問型の「つばさ」、デジタルの「はだのっ子eスクール」。とくに3つめは、市自身が「通所も訪問も難しい児童生徒を対象に」と書いています。民間を探す前に、まず教育研究所(0463-77-1843)に電話してください。学校を通さずに直接相談できます。

市外で現実的なのは、伊勢原の「風の谷」(小5〜中3・月4,000円・伊勢原駅北口徒歩6分)です。小田急線で数駅、駅から徒歩6分、そして月4,000円。費用と通いやすさの両方で、いちばん条件が良い候補です。

平日をまるごと過ごせる場所を探すなら、平塚のいろえんぴつ(月〜金10:00-15:00・1回2,000円または月10,000円・無料体験2回)平塚のT&M(10:00-21:00・入会金0円・月22,000円)。どちらも料金がはっきりしています。

そして二宮町のとどまる学園は、公式に「秦野市で活動」と書き、秦野市のサポーターにも登録されています。「ときどきコース」(月3回)が初等部4,000円・中等部4,500円なので、まず月数回から試すという入り方もできます。

窓辺で本を読む子ども

内容を確かめるための一次資料

  1. 秦野市「教育支援教室いずみ」(ページ
  2. 秦野市「新たな学びサポート120%」(ページ
  3. 秦野市「はだのっ子未来応援サポーター」(ページ
  4. 秦野市教育委員会「令和7年度 教育行政点検・評価報告書」(PDF
  5. 神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援」(ページ
  6. 神奈川県「フリースクール等の紹介」(ページ
  7. 秦野不登校相談支援所 トコトコ(ページ
  8. いせはらフリースクール 風の谷(ページ
  9. フリースクール とどまる学園(ページ
  10. フリースペース いろえんぴつ(ページ
  11. フリースクール・個別指導のT&M(ページ
  12. 探究支援塾Trimの教室(ページ
  13. 星槎教育研究所 厚木相談室 チャレンジスクール(ページ
  14. せいさフリースクール おだわら(ページ
  15. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(ページ
「通える距離に見つからない」ときの、もうひとつの選択肢

NIJINアカデミーは、週4日のメタバース校舎と週1日のリアル教室を組み合わせて通えるオルタナティブスクールです。東京都内では南大沢駅のそばにリアル教室があり、毎週木曜に開いています。まずはオンラインの無料体験会から。

文責:にじいろ編集部(編集部について訂正・修正に関する方針
公開日:2026年9月15日 / 最終更新:2026年9月15日
目次