「中学生になって不登校が続いている。フリースクールを考えた方がいい?」
「出席日数や内申、高校受験に影響しない?」
「オンラインと通学型、どちらを選べばいい?」
中学生でフリースクールを検討するとき、小学生の頃とは違う不安が出てきます。
安心できる居場所をつくりたい一方で、勉強の遅れ、出席日数、成績、高校進学まで考えなければならないからです。
ただし、「不登校になったらフリースクールへ行けばいい」というものではありません。
中学生の場合は特に、①本人が安心できるか、②在籍校と連携できるか、③学習をどう続けるか、④高校進学まで支援してもらえるか、の4点を確認して選ぶことが重要です。
- 中学生がフリースクールに通うメリット・注意点
- フリースクールに通うと中学校の出席扱いになるのか
- 成績・内申はどうなるのか
- 高校受験・進学への影響
- オンライン・通学型・ハイブリッドの違い
- 費用を見るときのポイント
- 見学・体験で必ず確認したいこと
- 実際にフリースクールへ通った中学生の変化
不登校の中学生にフリースクールは必要?
まず知っておきたいのは、フリースクールに行くこと自体がゴールではないということです。
文部科学省は、不登校の子どもに対して、教育支援センター、学びの多様化学校、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援など、一人ひとりの状況に応じた多様な教育機会を確保する必要があるとしています。
つまり、
どれか一つだけが正解ではありません。
学校とフリースクールを併用したり、オンラインとリアルの活動を組み合わせたりすることもできます。
今の子どもの状態に合う場所を、一つずつ増やしていくという考え方もあります。
中学生のフリースクール選びで、小学生以上に確認したい4つのこと
中学生になると、「安心して過ごせるか」だけではなく、その先の進路まで見ておく必要があります。
フリースクールに通うと中学校の出席扱いになる?
一定の要件を満たせば、学校外のフリースクールなどで相談・指導を受けた日を、在籍校の校長の判断で「出席扱い」にできる制度があります。
ただし、フリースクールへ入っただけで自動的に出席になるわけではありません。
在籍校へ相談
活動・出席状況を共有
支援内容などを確認
出席扱いを判断
文部科学省は2026年にも、民間施設での活動を出席扱いとした事例として、学校・教育委員会・民間施設・保護者が連携し、利用日や活動内容などを学校へ報告する形を紹介しています。
「出席認定できますか?」だけではなく、「在籍校には何を、どのくらいの頻度で報告してくれますか?」まで聞くと、実際の連携体制が分かります。
成績・内申はどうなる?フリースクールの学習も評価されることがある
中学生の保護者が特に気になるのが「内申」です。
出席扱いになったからといって、フリースクールでの活動すべてが自動的に学校の成績になるわけではありません。
一方、文部科学省は2024年、不登校の児童生徒が学校外の機関や自宅などで行った学習について、一定の条件のもとで在籍校の成績評価に反映できることを明確にしています。
そのため中学生では、
- どの教科を学べるのか
- 学習履歴を残せるのか
- 在籍校へ学習内容を共有してもらえるのか
- 定期テストや提出物をどう扱うのか
- 受験学年になったときの相談体制があるか
まで確認しておくと安心です。
中学生がフリースクールに通っても高校進学できる?
フリースクールを利用したことだけを理由に、高校進学ができなくなるわけではありません。
ただし、受験方法・調査書・学力検査・面接などは、高校や地域によって異なります。
中学3年生になってから慌てるより、中1・中2の段階から、
- 本人がどんな高校生活を希望しているか
- 全日制・定時制・通信制など、どんな選択肢があるか
- 現在の学習状況はどの程度か
- 在籍中学校とどう連携していくか
を少しずつ確認していく方が現実的です。
この2つを分けずに考えることがポイントです。
進路については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
オンライン・通学型・ハイブリッド|中学生にはどれが合う?
フリースクールには、大きく分けると通学型・オンライン型・両方を組み合わせるタイプがあります。
外出できる状態で、人と直接過ごす経験を増やしたい子に。
確認:距離・通える頻度・人間関係・送迎
外出や集団参加への負担が大きく、自宅から少しずつつながりたい子に。
確認:交流方法・学習・画面OFF参加・個別支援
普段はオンライン、体調や興味に合わせてリアル活動にも参加したい子に。
確認:リアル教室の場所・追加料金・参加頻度
| 通学型 | オンライン型 | ハイブリッド | |
|---|---|---|---|
| 外出負担 | あり | 少ない | 調整しやすい |
| 対面交流 | 多い | 基本オンライン | 両方 |
| 全国の友達 | 施設による | つながりやすい | つながりやすい |
| 生活リズム | 時間が固定されやすい | 比較的柔軟 | 比較的柔軟 |
| 向いている例 | 外へ出られる/対面が好き | 外出が難しい/自宅が安心 | 両方を試したい |
「オンラインだから人間関係が作れない」「通学型だから社会性が身につく」と単純に決めることはできません。
重要なのは、そのスクールで実際にどんな交流が起きているかです。
実例|入学してもすぐ授業には出られなかった中学生。その後、自分で「居場所」をつくった
中学1年生のTomaさんは、小学生の頃から人前で発言することに強い怖さを感じるようになり、小学5年生頃から学校へ行かなくなりました。
NIJINアカデミーに入学したからといって、すぐに授業やクラス会議へ参加できたわけではありません。
しばらくは参加できない時期もありました。
転機になったのは、Tomaさんが大好きだったポケモンです。
最初は3人だった活動は、ポケモンについて話したり、クイズを考えたりする時間からスタートしました。
Tomaさんは、「同じように心がしんどい人も安心できる場所をつくりたい」と考えるようになり、自分でサークルを立ち上げることを決めます。
ただ、サークルを正式に立ち上げるには、みんなの前でプレゼンする必要がありました。
人前で話すことが怖くなったことをきっかけに学校へ行けなくなったTomaさんにとって、大きな壁です。
それでも「サークルをつくりたい」という思いから、仲間と資料をつくり、練習し、プレゼンへ挑戦しました。
現在はクラス会議や授業にも参加し、リアルイベントでのスピーチや活動発表にも挑戦しています。
参加できない時期があってもそこにいられたこと。好きなことを入口にできたこと。そして、自分から「やりたい」と思えるものに出会えたことです。
「オンラインで本当に大丈夫?」と迷う保護者もいる
子ども以上に、保護者が「オンラインで本当に人とつながれるの?」と不安になることもあります。
NIJINアカデミーに通う中学1年生・ゆいさんのお母さまも、当初はオンラインスクールやメタバースを「未知の世界」と感じ、本当にこの選択でいいのか悩んでいました。
最後に背中を押したのは、サービスの説明ではなく、体験したときの本人の反応でした。
入学後、ゆいさんは朝のホームルームへ自分から参加するようになり、オンラインで友達ができ、好きだったイラストを発表するようになりました。
現在はイラストサークルの活動にも関わり、オンラインだけでなくリアル教室の活動にも参加しています。
体験したとき、子どもの表情や行動がどう変わるか。
それも、フリースクール選びの大切な判断材料です。
中学生のフリースクール費用|「月謝」だけで比べない
フリースクールは民間施設が多く、料金体系はスクールによって大きく異なります。
比較するときは月謝だけではなく、
| 入学金 | 入会・入学時のみ必要か |
| 月額費用 | 週何日・何コマ利用できるのか |
| 教材・学習費 | 学習教材やオンライン教材が料金に含まれるか |
| イベント費 | 遠足・リアルイベントなどが別料金か |
| 個別サポート | 担任・個別面談・進路支援が基本料金に含まれるか |
| 交通・送迎 | 通学型なら毎月の交通費や親の送迎負担も考える |
オンライン型は通学交通費を抑えやすい一方、リアル活動を追加すると別料金になるサービスもあります。
自治体によってはフリースクール利用料への補助制度があるため、お住まいの自治体も確認しましょう。
料金を詳しく比較したい方はこちらも参考にしてください。
見学・体験で確認したい7つのチェックポイント
ホームページを読むだけでは、子どもとの相性は分かりません。
- 本人がその場にいて緊張しすぎていないか
- 参加を強制されず、見学だけでもいられるか
- 同年代の中学生がどんな過ごし方をしているか
- 勉強したいときに学習できる仕組みがあるか
- 在籍中学校とどのように情報共有しているか
- 出席扱い・成績・高校進学について相談できるか
- 本人が「もう一回来てもいい」と思えるか
たくさん話した、笑った、少し長くいられた、「また来てもいい」と言った――そうした反応も重要な情報です。
フリースクールを急いで決めなくてもいいケース
選択肢を見つけることは大切ですが、今すぐ入学を決める必要はありません。
- 本人が見学や情報を見ること自体を強く拒否している
- 休息が必要なほど心身が消耗している
- 食事・睡眠などに大きな変化が続いている
- 医療的な支援が必要かもしれない状態がある
フリースクールは治療機関ではありません。
心身の状態によっては、学校・スクールだけではなく、医療機関や専門相談機関とも連携してください。
中学生だからこそ「今の安心」と「次の進路」を両方見られる場所を
中学生になると、保護者はどうしても高校受験から逆算して考えたくなります。
一方、本人が今かなり疲れているなら、「受験のために勉強させる」だけでは動けないこともあります。
だからこそ、
「入学するか」ではなく、
まず「この子に合うか」を見てみませんか?
人前で話せない。
朝は動けない。
授業に参加する自信がない。
最初から全部できる必要はありません。
見学する、チャットだけ参加する、好きな活動だけ覗いてみる。
そんなところから始めることもできます。
在籍校の出席認定実績
自分のペースで参加
状態に合わせて選べる
出席扱いの最終判断は在籍校の校長が行います。
体験では、実際の授業や子どもたちの様子を見ながら、出席認定や中学生の進路についても相談できます。
よくある質問
Q. 中学生がフリースクールに通うと、中学校を退学することになりますか?
一般的な民間フリースクールを利用する場合は、現在の中学校に在籍したまま通う形が多くなります。
利用する施設の位置づけによって異なるため、入学前に在籍校とフリースクール双方へ確認してください。
Q. フリースクールに通えば必ず出席扱いになりますか?
必ずではありません。一定の条件を満たしたうえで、在籍校の校長が判断します。
フリースクールの学校連携方法、活動報告の内容、過去の出席認定実績などを確認しておくとよいでしょう。
Q. 不登校でも高校受験できますか?
不登校であることだけで高校受験ができなくなるわけではありません。
ただし、入試制度や調査書の扱いは高校・地域によって異なるため、在籍中学校と早めに相談しましょう。
Q. 勉強を全くしていません。それでもフリースクールへ行けますか?
スクールによりますが、学習だけを目的にしていないフリースクールもあります。
まず安心できる居場所をつくり、その後本人の状態に合わせて学習を再開する考え方もあります。見学時に「勉強していない状態からでも利用できるか」を確認してみてください。
Q. オンラインのフリースクールでは友達ができないのでは?
オンラインでの交流の仕組みはスクールによって大きく異なります。
授業を見るだけのサービスもあれば、少人数クラス、チャット、サークル、プロジェクトなどを通して継続的に関われるスクールもあります。体験時に実際の交流方法を見ることが大切です。
Q. 一度フリースクールに入ったら学校には戻れませんか?
そのようなことはありません。在籍校とフリースクールを併用したり、本人の状態に応じて学校への登校を再開したりするケースもあります。
最初から「復学する・しない」を決めるのではなく、本人の希望や状態を見ながら考えていきます。
Q. 何校くらい体験した方がいいですか?
数に正解はありません。たくさん回ることで本人が疲れてしまう場合もあります。
まず2〜3か所程度を候補にし、オンライン・通学型など違うタイプを見ると比較しやすくなります。最終的には、本人の反応を最も大切にしてください。
だからこそ、条件だけでスクールを選ぶのではなく、本人が安心していられるかを最初に確認してください。
そして、学校とフリースクールも二者択一ではありません。
学校と併用する。
オンラインから始める。
好きな活動だけ参加する。
少し元気になったら学習を増やす。
その子の状態に合わせて、選び方は変えていいのです。
今の安心を守りながら、次の進路につながる場所を探す。
それが、中学生のフリースクール選びで最も大切な視点です。

