【熊本県版】小学生の発達障害|診断・相談できる場所と受け方

発達・特性ガイド|熊本県版

「授業についていけない」「友だちとうまくいかない」「うちの子、発達障害かもしれない」——そう感じたとき、熊本県ではどこに相談すればいいのでしょうか。熊本県は、熊本市と、それ以外の県域とで、発達障害の専門相談窓口が分かれています。この記事では、お住まいの地域に合った相談先と、診断までの流れ・費用を、順番に整理してお伝えします。

発達・特性ガイド > 熊本県 にじいろ編集部 2026.7.23

発達障害とは?小学生に見られるサイン

発達障害は、生まれつきの脳の発達の特性によって、行動やコミュニケーション、学習のあらわれ方にその子ならではのかたよりが見られる状態の総称です。育て方や本人の努力不足で起こるものではありません。主に次の3つがよく知られています。

  • ASD(自閉スペクトラム症):対人関係やこだわり、感覚の過敏さに特性。空気を読む・予定変更が苦手など。
  • ADHD(注意欠如・多動症):不注意(忘れ物・気の散りやすさ)や多動・衝動性が目立つ。
  • LD・SLD(学習障害):全体の理解は年齢相応でも、読み・書き・計算など特定の学習が極端に苦手。

これらは重なって現れることもあります。小学校では集団行動やルールが増えるため、幼児期に目立たなかった特性が「困りごと」として表面化しやすくなります。

こんなサインが続いていませんか

一斉指示が入りにくい/じっと座り続けるのがつらい/忘れ物や紛失が多い/友だちとのトラブルが多い/板書を写すのが苦手/急な予定変更でパニックになる——こうした状態が続き、本人がつらそうなら、相談する価値があります。大切なのは「診断名がつくか」より「いま困っているか」です。

診断はどこで・どうやって受ける?(流れ・費用)

発達障害の診断は、児童精神科・小児神経科・発達外来などの医療機関で行われます。相談窓口や学校では診断はできませんが、どこにかかればよいかを一緒に考えてくれます。一般的な流れは次の4ステップです。

1

相談窓口で様子を整理する

お住まいの地域の窓口に相談し、受診が必要かの見立てをもらいます(熊本の窓口は次章)。

2

医療機関を予約する

発達を診られる医療機関を予約。人気の機関は初診まで数週間〜数か月待つことも。早めの予約が安心です。

3

問診・行動観察

成育歴や家庭・学校での様子を聞き取り。母子手帳・連絡帳・通知表があるとスムーズです。

4

心理検査・発達検査 → 診断

知能検査(WISC-Vなど)や発達検査を実施し、総合して診断。診断まで1〜2か月が目安です。

費用のイメージ

診察・知能検査・心理検査は多くが健康保険の対象(原則3割負担)。熊本県内の小学生は各市町村の子ども医療費助成で自己負担が軽くなることが多く、継続通院は自立支援医療制度で負担を抑えられる場合があります。すべて自費の専門機関では検査一式で1.5万〜4万円ほどが目安。金額は医療機関・自治体で異なるため予約時にご確認ください。

【熊本県版】相談・診断できる場所

教室で担任の先生が子どもの席のとなりにしゃがみ、やさしく声をかけている場面のイラスト
熊本県にお住まいの方へ

熊本県の発達障害の専門相談窓口は、熊本市と、それ以外の県域とで分かれています(県域は北部・南部にセンターがあります)。まずはお住まいの市区町村の窓口を入口にするのが近道です。地域別に見ていきましょう。

① まずはお住まいの市区町村の窓口

子どもの発達の相談は、身近な市区町村の窓口が入口です。名称は自治体ごとに異なりますが、次のような窓口があります。

  • 熊本市:各区の窓口、子ども・子育て関連の相談窓口。児童相談所(熊本市児童相談所)も入口になります。
  • その他の市町村:保健センター(乳幼児健診の延長で相談可)、子ども家庭・子育て相談の窓口、教育相談室、児童発達支援センター。

② 発達障害に特化した「発達障害者支援センター」

熊本県では、発達障害に特化した専門の相談機関が地域ごとに分かれています。お住まいに対応する窓口を確認しましょう。各機関名は公式サイトにリンクしています。

お住まい専門の相談機関(公式サイト)
熊本市熊本市発達障がい者支援センター「みなわ」
熊本市以外の県域熊本県発達障がい者支援センター(北部「わっふる」南部「わるつ」
知っておきたいこと

発達障害者支援センターは相談・支援情報の提供が中心で、診断や検査そのものは行わないことが一般的です。診断を希望する場合は、これらの窓口や市区町村を通じて医療機関を探す流れになります。連絡先・受付時間は変わることがあるため、熊本市発達障がい者支援センター「みなわ」など公式情報で最新をご確認ください。

③ 診断できる医療機関の探し方

「熊本で発達障害を診てくれる病院がわからない」ときは、次の方法で候補を探せます。

  • お住まいの市区町村の窓口・発達障害者支援センターで、地域の受診先を紹介してもらう
  • 各自治体の保健センターや児童発達支援センターで、発達の相談・受診先の案内を受ける
  • 大学病院の児童精神科・発達外来など、専門的に診られる医療機関を確認する
  • 発達外来・児童精神科の情報サイトで、通える範囲の医療機関を探す

※予約方法・診療内容・対象年齢は医療機関ごとに異なります。受診前に必ず各機関へ直接ご確認ください。

熊本県の主な相談先まとめ

窓口役割こんなときに
市区町村の窓口
(保健センター・子育て相談 等)
いちばん身近な相談入口。地域の支援につなぐ。まず誰かに相談したい/どこに行けばいいかわからない
発達障害者支援センター
(熊本市=みなわ/県域=わっふる・わるつ)
発達障害に特化した専門相談(診断は行わない)。発達障害について専門的に相談したい
発達を診られる医療機関診断・検査・治療を行う。診断を受けたい/医学的な見立てがほしい
教育センター・教育相談室学校生活・就学の相談。学校での困りごと/通級・支援級を考えたい
児童相談所子どもに関する幅広い相談・手帳判定。福祉サービスや手帳を検討したい

学校の支援(就学相談・通級・特別支援学級)

診断の有無にかかわらず、学校で過ごしやすくするための支援があります。学びの場は「通常学級か特別支援学校か」の二択ではなく、段階的な選択肢があります。

就学相談とは

就学相談は、お子さんに合った学びの場を一緒に考える相談です。申し込み先はお住まいの市町村の教育委員会(教育センター・教育相談室)。就学の前年(年長の春〜)に始めるのが一般的で、入学後に学びの場を見直す「転学・転級」の相談もできます。

学びの場特徴
通常学級+合理的配慮ふだんの学級で、席の位置・指示の出し方・予定の見える化などの配慮を受ける。
通級指導(特別支援教室)ふだんは通常学級で学び、一部の時間だけ個別・小集団の指導を受ける。
特別支援学級少人数の学級で、その子のペースに合わせた指導を受ける。
特別支援学校専門的で手厚い支援体制のもとで学ぶ。

放課後等デイサービスという選択肢

自宅のリビングでタブレットとノートを使って、自分のペースで学習している子どものイラスト

診断や「通所受給者証」があると、放課後等デイサービス児童発達支援を利用できます。放課後や長期休みに通い、遊びや活動を通してソーシャルスキルや生活の力を育てる場です。事業所ごとに特色があるため、見学して選ぶとよいでしょう。受給者証はお住まいの市区町村の障害福祉の窓口で申請します(医師の意見書で申請できる場合もあります)。

動画で見る|【不登校はランの花】不登校に発達障害が多い理由

不登校・発達特性のある子が全国から通っています

学校以外にも、その子に合う学びの場があります

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小学生・中学生

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目次

熊本県で使える公的な支援と相談窓口

民間の教室やスクールを探す前に、熊本県で公的に使える支援を知っておくと、費用も選択肢の幅も変わります。市区町村の教育委員会が運営する教育支援センター(適応指導教室)利用料が原則無料で、通った日は在籍校の出席扱いにできます。

熊本県の小中学校の不登校児童生徒数は5,781人(令和6年度・文部科学省調査)。在籍者に占める割合は約4.07%で、全国平均は約3.86%です。ひとりで抱えている家庭が、それだけ多くあるということでもあります。

熊本県全体の相談窓口

熊本県の広域相談窓口
窓口リンク
不登校児童生徒への支援について公式ページを見る
24時間子供SOSダイヤル(全国共通・無料)0120-0-78310

熊本県内8市区町村の窓口をまとめた一覧は、熊本県の教育支援センター(適応指導教室)一覧にあります。掲載しているリンクはすべて実際にアクセスして到達を確認済みです。

熊本県で相談を始めるときの進め方

どこに何を聞けばいいか分からないまま電話すると、たらい回しになりがちです。順番を決めておくと、1本の電話で話が進みます。

相談の順番

1

① 在籍校か、市区町村の教育相談窓口に連絡する

担任・スクールカウンセラーに伝えるか、熊本県の教育委員会(教育相談室)に保護者から直接電話します。多くの自治体が保護者からの直接相談を受け付けています。

2

② 「今すぐ通えますか」「対象は何年生からですか」を最初に聞く

教育支援センターは定員があり、小4以上を対象とする自治体が多いです。ここを最初に確認すると、次の手を早く打てます。

3

③ 見学・体験から始める

保護者だけの見学から始めても構いません。部屋の雰囲気と、指導員との相性を見てください。

4

④ 出席扱いの扱いを学校と確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

費用の負担を軽くする制度

  • 教育支援センターは利用料が原則無料(教材費・昼食・交通費は自己負担の場合あり)
  • 就学援助(学用品費・給食費などの補助)は、熊本県の教育委員会が窓口です
  • フリースクール利用料の補助制度を設けている自治体も増えています。熊本県に制度があるか、教育委員会に直接お問い合わせください

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

熊本県に関するよくある質問

Q. 熊本県の教育支援センターは無料ですか?

A. 利用料は原則無料です。市区町村の教育委員会が運営する公的機関のためです。ただし教材費・体験活動の材料費・昼食・交通費は自己負担になることがあります。給食がない施設が多く、弁当持参が一般的です。

Q. 熊本県で通える場所がない場合はどうすればいいですか?

A. ①在籍校の校内別室(保健室登校を含む)を確認する、②訪問型支援があるか窓口で聞く、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)を学校と相談する、④オンラインを検討する——の順で当たるのが現実的です。熊本県の状況によっては、通える範囲に施設がないこともあります。

Q. 学校を休ませてもいいのでしょうか?

A. 教育機会確保法の第13条は、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と条文で明記しています。休むことは制度の外側にある逸脱ではなく、法律が想定している状態です。文部科学省の通知も「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」と述べています。

熊本県で、まずどこに相談すればいいですか?
お住まいの市区町村の窓口が入口です。専門的に相談したい場合は、熊本市なら「みなわ」、それ以外の県域なら熊本県発達障がい者支援センター(北部「わっふる」・南部「わるつ」)を利用でき、必要に応じて医療機関を案内してくれます。
熊本市と、その他の市町村で相談先は違いますか?
はい。熊本県は熊本市が独自の「みなわ」を持ち、それ以外の県域は熊本県発達障がい者支援センター(北部「わっふる」・南部「わるつ」)が地域ごとに担当します。まずはお住まいの市区町村の窓口に相談するのが近道です。
診断にかかる費用はどのくらいですか?
診察・知能検査・心理検査などは多くが健康保険の対象(原則3割負担)で、熊本県内の小学生は子ども医療費助成でさらに軽減されることが一般的です。すべて自費の専門機関では検査一式で1.5万〜4万円ほどが目安。金額は医療機関・自治体で異なるため、予約時にご確認ください。
診断がつかなくても支援は受けられますか?
はい。学校での合理的配慮や通級指導、教育相談は確定診断がなくても利用できることが多く、放課後等デイサービスも医師の意見書などで受給者証を申請できる場合があります。まずは窓口で「今できる支援」を相談してみてください。
初診まで時間がかかると聞きました。
発達を診られる医療機関は人気が高く、初診まで数週間〜数か月待つことがあります。気になったら早めに複数の医療機関へ問い合わせておくと安心です。待っている間も、市区町村の窓口や発達障害者支援センターで相談を進められます。

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※本記事は保護者が情報を整理するための一般的な解説であり、診断・治療に代わるものではありません。お子さんの状態については必ず医療機関や専門の相談窓口にご相談ください。制度・窓口・費用などは変更される場合があります。ご利用の際は各機関の最新の公式情報をご確認ください。
最終更新:2026年7月23日

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