- オンラインのインターナショナルスクールだけでは就学義務を果たしたことにならない理由(文部科学省の見解)
- 通学型とオンラインで、公式サイトから確認できた費用がどれくらい違うか
- 英語ゼロの小学生でも始められるのか、学年によって何が変わるのか
- 低学年ほど重くなる、保護者の伴走時間の実際
- 学校とオンラインを足したとき、1日の時間と睡眠が足りるのかの逆算
- 在籍校での「出席扱い」は自動ではない、という前提
この記事は、オンラインインターナショナルスクール「NIJIN GLOBAL ACADEMY」を運営する株式会社NIJINが編集しています。記事の後半で自社の学校も選択肢のひとつとして紹介しますが、他校の情報は各校の公式サイトで確認した内容のみを掲載し、確認できなかったことは「確認できなかった」と書いています。金額はすべて2026年9月時点・編集部調べです。学費は改定されますので、必ず各校の公式サイトで最新の金額をご確認ください。
小学生の「オンラインインターナショナルスクール」とは、どういう学び方なのか
オンラインインターナショナルスクールという言葉は、法令で定義された用語ではありません。実際に使われ方を見ると、大きく2つに分かれます。ひとつは、英語で複数教科を学び、学年やコースの進級がある「学校」に近いもの。もうひとつは、英語のライブレッスンを週に数回受ける「英会話スクールに近いもの」です。
この違いは料金にも時間にも直結します。前者は1日数時間を占め、年間で百万円単位になることがあります。後者は1回30分程度で、月額数万円に収まることが多くなります。パンフレットの言葉だけでは見分けがつきにくいので、「週に何時間、何の教科を、英語で学ぶのか」を最初に確認するのが早道です。
そもそもインターナショナルスクールという制度上の位置づけについては、インターナショナルスクールとは?1条校との違い・学費・メリットデメリットで基礎から解説しています。この記事では、そこからさらに絞って「小学生だから起きる論点」だけを扱います。
日本の小学校に通わず、オンラインのインターだけにすることはできるのか
ここが小学生の場合にいちばん大きい論点です。文部科学省は「就学事務Q&A」のなかで、インターナショナルスクールと就学義務の関係について明確に答えています。
同省は、インターナショナルスクールの多くは学校教育法第1条に規定する学校(いわゆる一条校)ではなく、第134条の各種学校として認可されているか、無認可であると説明したうえで、こう書いています。「保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません」。
さらに進学についても言及があります。「一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります」。つまり、小学校の代わりにオンラインのインターだけで過ごすと、日本の中学校に進むところで行き止まりになる可能性があるということです。
ここでいう「一条校でない」は、その学校の教育の質が低いという意味ではありません。日本の学校制度の中に位置づけられていない、というだけの話です。ただし制度上の効果は現実に生じるので、小学生のうちは「地元の小学校に在籍したまま、放課後や週末にオンラインで学ぶ」という併用の形をとる家庭が多くなります。この形は一般にダブルスクールと呼ばれます(「今の学校を辞めなくていい」ダブルスクールという選択肢)。
なお、海外に居住している場合や外国籍の子どもの場合は、前提が変わります。判断に迷うときは、お住まいの市区町村の教育委員会の学務課に直接確認するのが確実です。
英語がゼロの小学生でも、始められるのか
結論としては、英語ゼロから受け入れている学校は実在します。ただし「ゼロから始められる」と「ゼロから英語で教科を学べる」は別の話なので、そこは分けて考えたほうが失望が少なくなります。
低学年ほど入りやすい理由と、注意したい点
低学年は、聞いて真似することへの抵抗が少なく、間違いを恥ずかしがる気持ちもまだ薄い時期です。少人数のクラスで名前を呼ばれ、短く答える、という繰り返しに馴染みやすいのは確かです。
一方で、英語の読み書きは母語の土台と切り離せません。日本語で文章を読み、段落の意味をつかむ力が育っている途中の時期に、英語でも同じことを求められると、どちらも中途半端になることがあります。低学年で始める場合は、最初の1〜2年は「聞く・話す」に寄せ、読み書きは学年が上がってから厚くするという設計にしている学校かどうかを見ておくと安心です。
学校の英語だけでは、どのくらいの量なのか
比較の物差しとして、日本の小学校で英語にあてられている時間を確認しておきます。文部科学省の資料によれば、第3・4学年の外国語活動は「年間35単位時間(週1コマ程度)」、第5・6学年の外国語科は「年間70単位時間(週2コマ程度)」です。
週1〜2コマという量を前提にすると、オンラインのインターで週4回・1回30分のライブレッスンを受けるだけでも、学校の英語の時間を上回ります。ここに「英語で算数や理科を学ぶ」が加わると、時間の総量は一気に増えます。だからこそ、次の生活時間の話が効いてきます。
費用は、通学型と比べてどれくらい違うのか
先に正直に書いておきます。日本国内のインターナショナルスクールの学費について、官公庁がまとめた公的な統計は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。「相場は年間200万円」といった数字は多くの記事に載っていますが、出典をたどると各社の独自集計であることが多く、一次情報として扱えるものを確認できませんでした。
そこで、代わりに各校の公式サイトで確認できた金額をそのまま並べます。相場ではなく実例として読んでください。
| 学校(形態) | 小学生の対象 | 公式サイトで確認できた費用 |
|---|---|---|
| The British School in Tokyo(通学・東京) | Primary School | 授業料 年額 2,960,000円、Capital Development 年額 100,000円。加えて新入生の一度だけの費用として Application Fee 40,000円、Enrolment 500,000円、Educational Resources 680,000円(2026-27年度) |
| The American School in Japan(通学・東京) | Kinder〜Grade 5 | 授業料 年額 3,498,000円、Capital Assessment 年額 250,000円。一度だけの費用として Application Fee 50,000円、Registration Fee 300,000円、Building Maintenance Fee 1,525,000円。スクールバスは年額 390,000円(2026-27年度) |
| Crimson Global Academy(オンライン) | Primary School=Grade 1〜5/6〜11歳 | フルタイム5科目 年額 2,300,000円。1科目のみのパートタイムは 620,000円〜675,000円 |
| King’s InterHigh(オンライン・英国) | Primary=Years 3〜6/7〜11歳 | 年間契約 £4,395/年(7科目)、登録料 £100(一度だけ)、追加科目 £405。ハーフターム単位の契約は £955/ハーフターム(2026/27年度) |
| Nisai(オンライン) | NS1=11〜12歳(小5〜小6相当) | 入学金 33,000円(税込)、1科目 月額 22,000円(税込)=1科目 年額 264,000円 |
並べてみると、同じ「オンラインのインター」でも幅がかなり広いことがわかります。英国の King’s InterHigh のように7科目で年額 £4,395 という設定もあれば、Crimson Global Academy のフルタイムのように年額230万円という設定もあります。オンラインだから安い、とは言い切れません。
費用を比べるときは、月額だけを見ないことが大切です。入学金(または登録料)、授業料、教材費、施設費、資格試験の受験料、そして通学型ならバス代。1年目は初期費用が乗るので、2年目以降より高くなるのが普通です。「1年目の総額」と「2年目以降の年額」を分けて出してもらうと、比較しやすくなります。
保護者は、どれくらい時間を取られるのか
ここを軽く見積もると、あとでいちばん苦しくなります。小学生のオンライン学習は、子どもひとりでは完結しないことが多いからです。
低学年の場合、実際に発生しやすいのは次のような作業です。時間になったら声をかける、ログインを手伝う、カメラとマイクの設定を直す、回線が切れたときに入り直させる、出された宿題の内容を読んで説明する、提出のためにノートを撮影してアップロードする。ひとつひとつは数分でも、毎回積み上がります。
加えて、英語で書かれた保護者向けの連絡を読む負担があります。海外の学校の場合、連絡も面談も英語になることが少なくありません。日本語のサポート窓口があるか、面談に通訳が入るかは、入学前に必ず確認しておきたい項目です。
体験や説明会では、「うちの子が3年生だとして、親が毎日何分くらい関わることになりますか」と具体的に聞いてみてください。答えが曖昧な場合は、実際に通っている家庭の1日の流れを見せてもらえるか尋ねるのも有効です。
学校とオンラインを足したとき、1日の時間は足りるのか
併用を選ぶ場合、時間割は自動的に「詰め込み」方向に傾きます。逆算しておくと冷静に判断できます。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、こどもについて「小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保する」としています。仮に小学生が10時間眠るとすると、起きている時間は14時間です。
そこから、学校と往復で8時間前後、食事と入浴で2時間ほどを引くと、残りは4時間程度。ここに宿題、オンラインの授業、その予習復習、習い事、そして何もしない時間を入れることになります。平日に毎日1時間45分のオンライン授業を足すと、自由な時間はほとんど残りません。
だからこそ、併用を前提にした学校は「平日は放課後の短時間、まとまった学びは土曜」という形をとることが多くなります。逆に、平日昼間にフルタイムで動くカリキュラムは、日本の小学校に通いながらの併用には物理的に組み込めません。時間割を見るときは、日本時間で何時から何時かを必ず確認してください。海外の学校の場合、時差の関係で夜間や早朝になることがあります。
在籍校で「出席扱い」になるのか
まず整理しておくと、今の小学校に通えている子の場合、そもそも出席扱いの話は出てきません。学校に行っているのですから、出席は出席です。オンラインのインターは、放課後の習い事と同じ位置づけになります。
出席扱いが論点になるのは、その子が不登校になった場合です。文部科学省は「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」で、一定の要件を満たす場合に出席扱いとすることができるとしています。ただし要件は複数あり、保護者と学校の連携、対面指導の実施、計画的な学習プログラム、校長による学習状況の把握などが求められます。
重要なのは、出席扱いは自動ではなく、最終的に在籍校の校長が判断するという点です。「この学校を使えば出席扱いになります」と断定している説明を見かけたら、一度立ち止まってください。判断するのは学校側です。制度の詳しい要件は不登校の出席扱いで解説しています。
今の小学校に通いながら、放課後と土曜だけという通い方
選択肢のひとつとして、編集部の運営会社である株式会社NIJINが準備している「NIJIN GLOBAL ACADEMY」(NGA)を紹介します。自社の学校なので、先に不利な事実から書きます。
NGAは2027年9月開校予定で、まだ開校していません。学費は未公表です。日本の一条校ではないため、日本の小学校・中学校・高等学校の卒業資格は出ません。また、在籍校での出席扱いについて公式サイトに記載は確認できませんでした。この4点を踏まえたうえで読んでください。
そのうえで、小学生の併用という観点で合いやすい点が2つあります。ひとつは通い方です。NGAには今の学校と併用する「ダブルスクール型」があり、平日は放課後16:00〜17:45、土曜は10:00〜13:00という時間割です。日本時間で設計されているため、時差で夜中になることがありません。
もうひとつは入り口の設計です。対象は6〜18歳で、公式サイトには「海外にお住まいの方も、日本にお住まいで国際教育を受けさせたい方も対象です」と明記されています。入学試験や選抜はなく、英語要件もありません。英語が話せない状態でも日英バイリンガルのメンターが伴走し、日本語のサポートを受けながら英語に触れる設計です。1クラスは8名で、授業はCEFRレベル別(Pre-A1〜B2+)の選択式になっています。
NIJIN GLOBAL ACADEMYのダブルスクール型は、平日放課後16:00〜17:45と土曜10:00〜13:00。6〜18歳が対象で、入学試験も英語要件もありません。2027年9月開校予定・学費未公表という段階ですので、まずは情報を集めるところからどうぞ。
学校を選ぶとき、公式サイトのどこを見ればいいか
資料請求の前に、公式サイトで確認しておくと後悔が減る項目を挙げます。どれも、書いていない場合は「まだ決まっていない」可能性があります。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 対象年齢 | 「小学生向け」と書いてあっても、実際は高学年からということがあります。学年と年齢の両方を確認します |
| 日本時間での時間割 | 現地時間だけの表記なら、日本時間に直して生活に入るか確かめます |
| 英語ゼロへの対応 | レベル別クラスがあるか、日本語のサポートがあるか |
| 1年目の総額 | 入学金・教材費・施設費・試験料を含めた総額。2年目以降との差も |
| 欠席したときの扱い | 録画があるか、振替があるか。小学生は体調を崩しやすい前提で見ます |
| 退会と返金 | 途中でやめる場合の規定。合わなかったときの出口を先に確認します |
| 卒業資格 | 日本の小中学校の卒業資格が出るのかどうか。出ない場合が大半です |
中学生・高校生になったら、どう変わるのか
小学生のうちは併用がほぼ前提になりますが、学年が上がると選択肢の形が変わります。中学生になると、義務教育の範囲であることは変わらない一方で、英語の資格試験を視野に入れる家庭が増えます。高校生になると、そもそも高校は義務教育ではないため、進路の組み立て方が大きく変わります。
それぞれの段階に固有の論点は、別の記事にまとめています。中学生のオンラインインターナショナルスクール、高校生のオンラインインターナショナルスクールをご覧ください。また、始める前に知っておきたい弱点はオンラインインターナショナルスクールのデメリットで正直に書いています。
よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 文部科学省「11. 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」(就学事務Q&A)(ページ)
- 文部科学省「就学事務Q&A」(ページ)
- 文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(ページ)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)(ページ)
- 文部科学省 中央教育審議会教育課程部会 資料2「新学習指導要領全面実施に向けた小学校外国語に関する取組について」(令和元年9月4日)(PDF)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)
- The British School in Tokyo「Fees」2026-27年度(ページ)
- The American School in Japan「Tuition & Fees」2026-27年度(ページ)
- Crimson Global Academy「学費と奨学金」(ページ)
- King’s InterHigh「Fees」2026/27年度(ページ)/「Primary School」(ページ)
- Nisaiケンブリッジインターナショナルオンライン「NS小学生向けコース」(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(カリキュラム/入学案内/よくある質問)
NIJIN GLOBAL ACADEMYでは、無料体験クラスを2026年9月から毎月開催する予定です。入学試験も英語要件もありませんので、まずは開校情報のメールを受け取るところから。2027年9月開校予定・学費未公表の段階であることをご承知おきください。

