「子どもには『勉強しなさい』と言っているけれど、実際、いい学歴を手に入れたら社会で仕事ができるようになるのだろうか?」
「学歴と仕事ができることは比例するのか?」
子育て中の保護者や、教育現場で働く先生であっても、一度はこんな疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
本記事では、この多くの人が抱える疑問に対して、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の星野達郎(タツロー校長)が、2000人以上を面接してきた経営者としての視点から徹底解説します。
全国750名以上の小中高生が学ぶオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の校長を務める傍ら、2つの教師団体を主宰。これまで累計1,200名以上の教員向けに研修を実施し、学校の中と外、両面から教育課題の解決に取り組む。
その独自の教育実践はNHKやテレビ朝日など多くのメディアで特集され、「青年版国民栄誉賞」や「内閣総理大臣奨励賞」を受賞するなど、各方面から高く評価されている。
確かな実績と熱い教育信念を持つ一方で、普段は生徒たちから気さくにいじられる「愛されキャラ」の校長として、日々子どもたちと本音で向き合っている。
結論:学歴と仕事が比例するかは「職種」による

結論から言うと、学歴と仕事ができるかどうかは「人による、そして仕事(職種)による」というのがタツロー校長の見解です。
これを裏付ける、タツロー校長が小学校教員時代に出会った「東大出身の同僚」のリアルなエピソードをご紹介します。
東大出身の先生は、小学校で活躍できたのか?
「東大出身の先生」と聞くと、さぞかし人気で優秀なのだろうと想像するかもしれません。しかし結論から言うと、彼の小学校教員としての評価は「普通(並)」でした。
子どもと対話し、ありたい姿を観察し、面白い教育を生み出すといった「小学校教員に求められる能力」と、塾で猛勉強して早く正確に問題をこなす「東大に入るためのプロセス(学力)」は全く異なるからです。
しかし、その後彼が「教育委員会」へ異動し、事務的な仕事を始めた途端、ものすごい能力を発揮したと言います。関係各所と連携し、効率よく仕事を捌く官僚的な業務において、彼の「東大に入るために培った能力」が完璧にマッチしたのです。
タツロー校長「小学校教員になりたいのに、東大に行こうとするのはやめたほうがいいです。逆に能力をなくしちゃいますよ。それよりも、1つのことに興味を持ったり、公園で遊んで人と楽しい時間を過ごしたりする方が、よっぽど教員としての力が育ちます。」
専門職には必須。学歴と仕事が比例するケース
一方で、学歴(専門的な学びの歴)が絶対に欠かせない仕事もあります。
文部科学省の学校基本調査(※外部リンク)などを見ても、現在の日本の大学進学率は実は約60%(10人中6人程度)に留まっています。
「とりあえず大学に行っておけ」という風潮もありますが、医師や弁護士のように、体系的な知識と社会的資格が必須の「専門職」を目指して大学へ行くことには、非常に大きな意味があります。



「お医者さんで、起業家みたいに『今日もノリで頑張るか!とりあえず何とかなるっしょ!』って手術する人、嫌ですよね(笑)専門的なお仕事には、体系的に学んだ『学歴』が絶対に必要です。」
新しい仕事・新しい時代に「これまでの学歴」は通用しない


専門職以外の多くの分野では、「これまでの学歴という指標が役に立たなくなっている」とタツロー校長は指摘します。その最大の理由は、「これまでになかった新しい仕事」がたくさん登場しているからです。
- メタバース空間で、日本中・世界中をキャンパスにして教える先生
- SNSや動画を活用して新しい価値を生み出すクリエイター
- 日々変化する状況に合わせて、アジャイル(柔軟)に対応していく仕事
これらの「新しい仕事」を評価するのに、旧来の学歴という指標は使えません。



「私は経営者として2000人以上を面接してきましたが、新しい仕事において東大出身者は真っ先に落とします。言われた通りにガリ勉してきた人より、不登校などで自分の人生を切り開いてきた人の方を高く評価するんです。」
時代遅れな教員採用試験と、自分の頭で決める重要性


新しい時代が来ているにも関わらず、国が主導するシステムの多くは古いままです。
タツロー校長は、現在の「教員採用試験」の時代遅れなあり方に対しても強く警鐘を鳴らします。



「なんで先生になるのにプールを25m泳がせられるんだ?ピアノを弾かされるんだ?バカじゃねえのかと。50代60代の人たちに古い基準で評価される仕組みなんて、私はぶっ壊したいと思っています。」
だからこそ、タツロー校長は公教育の枠組みを超えた「NIJINアカデミー」のような第三の選択肢を大きくし、希望が持てる教育をつくろうと奔走しています。
まとめ:学歴と仕事が比例する時代の終焉
旧来の学歴社会は、学歴の高い順に、あらかじめ用意された「変わらない仕事」のイス取りゲームをしていく社会でした。つまり、学歴と仕事が綺麗に比例する時代だったのです。
しかし、これからの時代は、決められた仕事に割り振られるのではなく、「自ら仕事を作り、自分で考えて人生をカスタマイズしていく時代」です。
「とりあえず勉強しなさい」「大学に行きなさい」という大人の言葉を鵜呑みにして、本当に自分に合った能力や適性を失ってしまっては本末転倒です。
大切なのは、自分の頭で考え、自分の人生を自分で作ること。
以前の記事(真の学力とは?)でもお伝えした通り、古い学歴や偏差値に縛られず、子どもたちが自立して生きる力を家庭から育んでいきましょう。
あわせて読みたい
▶ 動画でより深く:YouTube(フル解説)
星野達郎校長が今回のテーマを動画でより熱く、詳細に解説しています。
「学歴という言葉の3つの意味」や「教員に求められるリアルな力」など、記事では紹介しきれない内容はぜひ動画でご視聴ください!


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この記事の内容を確かめるための一次資料
不登校の話になると「親のせいでは」と自分を責める方が多いのですが、国の通知はどこにも「保護者の責任」とは書いていません。むしろ家庭への支援が必要だという立場です。制度として家庭が使える支援があることを、まず知っておいてください。
下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。
| 資料 | 何がわかるか |
|---|---|
| こども家庭庁「子育て支援」 | 家庭が使える支援制度の全体像 |
| 文部科学省「就学援助」 | 学用品費・給食費などの経済的支援 |
| 厚生労働省「こころの健康」 | 保護者自身のメンタルヘルスについて |
| 文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」 | 小中の不登校353,970人。全国の最新の実数 |
| 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 | 「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針 |
| 同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合) | 教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件 |
| 同 別記2(自宅でICT等を活用した学習) | 自宅学習を出席扱いにする7つの要件 |
| 文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」 | 2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件 |
| 文部科学省「COCOLOプラン」 | 誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策 |
| 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」 | 全国1,045市区町村の公式相談窓口 |
| 教育機会確保法(e-Gov法令検索) | 第13条が「休養の必要性」を条文で認めている |
| こども家庭庁「子育て支援」 | 子育て世帯が使える支援制度の全体像 |
| 国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」 | 研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料 |
学校に相談するときの進め方
① 支援の目標をすり合わせる
「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。
② 具体的な場所を挙げる
「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。
③ 出席扱いの要件を一緒に確認する
「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。
④ 決めたことを記録に残す
面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター(全国1,045市区町村の窓口一覧)
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。
家庭でいまできること
制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。
いま家庭で確かめておきたいこと
睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)
食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか
頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)
「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか
保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか
学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか
声のかけ方で迷ったときは
「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。
逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。
相談先の選び方|どこに何を聞けるか
相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。
| 相談先 | 聞けること | 費用 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 在籍校(担任・スクールカウンセラー) | 出席の扱い、校内の別室、学習の進め方 | 無料 | まず学校での配慮を相談したいとき |
| 教育支援センター(市区町村) | 学校外の公的な居場所、通所と出席扱い | 原則無料 | 学校の外に一歩を踏み出したいとき |
| フリースクール(民間) | 体験活動中心の居場所、少人数の学び | 月1〜5万円程度 | 興味や「やってみたい」から入りたいとき |
| オンライン | 自宅から参加できる学び、出席扱いの実務 | スクールにより異なる | 外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき |
| 医療機関(小児科・児童精神科) | 体の不調の背景、診断と治療 | 保険診療 | 睡眠・食事・体の症状が続くとき |
| 24時間子供SOSダイヤル | 子ども本人・保護者どちらの相談も | 無料・24時間 | いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310) |
どこから始めればいいか迷ったら
学校に伝えるときの文例
言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。
① しばらく休むことを伝える
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。
毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。
② 配慮をお願いする
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。
「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。
③ 出席扱いについて相談する
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。
ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。
④ 面談のあとに送る確認メール
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。
口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。
伝える相手の順番
この記事のテーマについて、よく寄せられる質問
同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。
Q. 私の育て方が原因でしょうか?
A. 国の通知はどこにも「保護者の責任」とは書いていません。むしろ家庭への支援が必要だという立場です。原因を一つに求められる問題ではないので、まず自分を責めるのをやめるところから始めてください。
Q. どう声をかければいいですか?
A. 理由を問うより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいい」で十分な日があります。逆に「みんな行ってる」「甘えでしょ」は、本人がすでに自分に言っている言葉です。
Q. ゲームばかりしていて心配です
A. エネルギーが落ちている時期は、体力を使わずに気が紛れるものに向かうのが自然です。取り上げるより時間帯だけを一緒に決めるほうが現実的です。回復してくると、自分から他のことに手が伸びます。
Q. 仕事があって家にいられません
A. 見守りは在宅である必要はありません。昼に一度電話を入れる、信頼できる大人の連絡先を本人に渡しておくだけでも安心につながります。自治体の居場所事業や訪問型支援も相談できます。
Q. きょうだいへの影響が心配です
A. きょうだいは「自分は我慢しなければ」と感じやすい立場です。短くていいので、その子だけと過ごす時間を意識してつくることが効きます。事情を年齢に応じて説明しておくことも大切です。
つらいときの相談先(24時間・無料)
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
- お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター
この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。









