「学校がだるい」と感じる子への向き合い方

学校がだるい

「学校だるい」。子どもの何気ない一言に、ドキッとした経験はありませんか。

単なる甘えなのか、それとも何かのサインなのか。判断に迷う保護者は少なくありません。強く言えば反発され、放っておけば悪化しないか心配になります。

この記事では、「だるい」という言葉の背景を整理しました。様子見でよい場合の見分け方、そして保護者ができる声かけまで、具体的にまとめています。

📝 この記事でわかること

  • 「学校だるい」の背景にあるもの
  • 「だるい」から行き渋りに進むときのサイン
  • 様子見でいい場合とそうでない場合の見分け方
  • 保護者ができる声かけ(OK例・NG例)
  • 学校や専門機関に相談する目安
父親と子どもが向き合って話している様子
何気ない一言の裏にある気持ちに耳を傾けてみましょう
目次

「だるい」の背景にあるもの

「学校だるい」という言葉には、さまざまな背景が隠れていることがあります。単純な寝不足や疲れのこともあれば、もっと深い理由が隠れていることもあります。

  • 睡眠不足や生活リズムの乱れ
  • 友人関係の悩み、グループ内の気疲れ
  • 勉強やテストへのプレッシャー
  • 先生との相性や、叱られた経験
  • 将来への漠然とした不安
  • 発達特性による、集団生活での疲れやすさ

思春期以降は特に、はっきりした理由を自分でも言語化できないことがあります。そのため「だるい」という言葉でまとめて表現するのです。この一言だけで判断せず、他の様子もあわせて見ていくことが大切です。集団生活での疲れやすさが気になる場合は、不登校と発達特性の関係もあわせて読んでみてください。

「だるい」から行き渋りに進むサイン

「だるい」は、そのまま消えていくこともあれば。行き渋りの入り口になることもあります。次のような変化が重なってきたら、注意して見守りたいサインです。

  • 朝、布団からなかなか出られない日が増える
  • 頭痛や腹痛など、体の不調を訴えることが増える
  • 日曜の夜になると元気がなくなる
  • 遅刻や早退が少しずつ増えている

これらは「怠け」ではなく、心と体からのサインであることが多いものです。無理に登校を促す前に、まず気持ちを聞く時間をとってみてください。行き渋りへの向き合い方は行き渋りを無理やり学校に連れて行くべきかでも詳しく解説しています。

低学年で「だるい」と言いながら保護者から離れたがらない場合は、母子分離不安が重なっていることがあります。母子分離不安とは?年齢別の特徴と対応もご参照ください。

様子見でいい場合とそうでない場合

たまに「だるい」と言いながらも、休み明けには普段どおり登校できている場合は、一時的な疲れであることが多いでしょう。一方で、頻度が増えている場合は、背景を丁寧に見ていく必要があります。

  • たまに言う程度で、休み明けは登校できている → 一時的な疲れの可能性
  • 頻度が増えている、体調不良を伴う → 背景を丁寧に聞く必要あり
  • 朝になると強い抵抗を示す → 行き渋りのサインの可能性
  • 食欲・睡眠に変化がある、表情が暗い → 早めに相談を検討

大切なのは、「だるい」の頻度と、他の変化を合わせて見ることです。単なる甘えと決めつけず、お子さんのペースに合わせて対応していきましょう。

保護者ができる声かけ

「だるい」と言われたとき、まずは気持ちを受け止めることが第一歩です。否定から入ると、子どもは本音を話しにくくなってしまいます。

NGな声かけおすすめの声かけ
「甘えないで」「そっか、だるいんだね」
「みんな頑張ってる」「何かあった?無理しなくていいよ」
「行けば元気になる」「今日はどうしたい?一緒に考えよう」

まずは「そっか、だるいんだね」と受け止めた上で、「何かあった?」と余裕をもって聞いてみてください。無理に理由を聞き出そうとせず、子どものタイミングを待つ姿勢も大切です。すぐに答えが返ってこなくても、「気にかけているよ」という姿勢は必ず伝わります。

やってしまいがちなNG対応

⚠️ 良かれと思っても、逆効果になりやすい対応

「だるい」と言われると、つい正論で返したくなります。しかし「甘えないで」「みんな行ってる」と否定から入ると。子どもは「分かってもらえない」と感じてしまいます。その結果、次から本音を話さなくなることがあります。まずは気持ちを受け止め、理由を問い詰めないことが大切です。

また、原因をすぐに突き止めようと質問を重ねるのも、子どもには負担になります。「話したくなったら聞くよ」という余白を残しておきましょう。声かけの具体例は不登校の子への正しい声かけ・NGワード集にもまとめています。

学校・専門機関との連携

「だるい」が続く、体調不良を伴う、といった様子があれば。早めに周囲に相談しましょう。ひとりで抱え込まないことが大切です。

  • 担任に、家での様子を共有しておく
  • 在籍校のスクールカウンセラーに相談する
  • 体の不調が続くときは、小児科や心療内科に相談する
  • 教育委員会の教育相談も無料で使える

相談は「大げさかな」と思うくらいで、ちょうどよいものです。早めに動くことで、選択肢を広く持てます。

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📺 関連動画:「学校に行かなきゃ」にどう声掛けする?(脱・学校のタツロー校長)

不登校・行き渋りに悩む保護者の疑問を解決!我が子が「学校に行かなきゃ」にどう声掛けする?

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家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

まぎらわしい用語の整理

不登校について調べていると、似た名前の制度がいくつも出てきて混乱しがちです。いちばん多い誤解は「教育支援センター」と「学びの多様化学校」を同じものだと思ってしまうことです。前者は在籍校に籍を置いたまま通う「施設」、後者は転校して在籍する「学校」で、まったく別物です。

似ているけれど別物の制度
用語正体在籍費用出席の扱い
教育支援センター
(=適応指導教室)
市区町村の教育委員会が運営する施設在籍校のまま原則無料要件を満たせば出席扱い
校内教育支援センター
(=校内の別室)
在籍校の中に置かれた部屋在籍校のまま無料出席として扱われる
学びの多様化学校
(旧・不登校特例校)
特別の教育課程を組める正式な学校(全国84校)その学校に転校公立は無償/私立は学費通常の出席
フリースクールNPOや民間企業が運営する民間施設在籍校のまま月1〜5万円程度要件を満たせば出席扱い
オンラインスクール自宅から参加する民間のスクール在籍校のままスクールにより異なる自宅ICT学習の要件を満たせば可
通信制高校・サポート校高校段階の学校と、その学習を支える施設その高校に在籍学校により異なる高校の在籍として扱われる

この表でとくに見ておきたいのは「在籍」の列です。転校が必要かどうかで、手続きも心の準備もまったく変わります。教育支援センターやフリースクールは在籍校に籍を残したまま通えるので、「合わなければ戻る」ことができます。

名前が違っても中身は同じことがあります

とくに教育支援センターは、自治体ごとに「適応指導教室」「ふれあい教室」「ゆうゆう広場」「チャレンジ学級」などさまざまな愛称がついています。お住まいの市区町村で見つからないときは「◯◯市 適応指導教室」「◯◯市 教育相談 不登校」でも検索してみてください。それでも出てこなければ、市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話するのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページにまとまっています。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 担任と話が噛み合いません

A. 「認めてください」ではなく「要件を満たすために何を用意すればよいですか」と聞き方を変えると通りやすくなります。それでも動かない場合は、学年主任・管理職・市区町村の教育委員会(教育相談室)へ相談先を上げてください。

Q. 毎日の欠席連絡がつらいです

A. 連絡方法は相談できます。「しばらく休むので、こちらから連絡がない日は欠席とみなしてください」と最初に合意しておくと、毎朝の負担がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

Q. 保健室登校や別室登校は出席になりますか?

A. なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。保健室登校についてもあわせてご覧ください。

Q. 学習の遅れが心配です

A. 学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。

Q. 面談で何を話せばいいですか?

A. ①いまの状態、②してほしい配慮を具体的に、③出席扱いの取り扱い、の3点に絞ると進みます。面談後に「本日確認したこと」をメールで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

「だるい」を毎日言われたら、休ませてもいいですか?

頻度が増えている場合は、心身のサインである可能性があります。無理に登校させることを優先せず、まずは体調や気持ちの状態を確認してください。必要であれば、休養も選択肢に入れましょう。一日ゆっくり休むことで、気持ちが整理されることもあります。

甘えさせすぎになりませんか?

気持ちを受け止めることと、甘やかすことは別のものです。まず気持ちを受け止めた上で、状況に応じて対応を一緒に考えていくことが大切です。受け止めてもらえた安心感は、次の一歩を踏み出す力になります。

「だるい」の裏にいじめがある可能性もありますか?

あり得ます。持ち物の紛失・破損、体の傷、交友関係の急な変化などにも注意を向けてください。気になる場合は、学校にも相談してみましょう。

理由を聞いても「わからない」と言われます

本人も理由を言葉にできないことは、よくあります。無理に聞き出そうとせず、「話したくなったら聞くよ」と伝えて待ちましょう。安心できる環境が整うと、少しずつ話してくれることがあります。

朝だけ体調が悪く、昼から元気になります。仮病でしょうか?

朝に強い不調が出て。時間とともに回復するのは、心のストレスが体に表れているサインのことがあります。仮病と決めつけず、体調不良が続くようなら医療機関にも相談してみてください。

まとめ

「学校だるい」という言葉の背景は、さまざまです。疲れのこともあれば、行き渋りの入り口のこともあります。頻度や他の様子もあわせて見ながら。まずは気持ちを受け止める声かけから始めてみてください。

ひとりで抱え込まず、学校や専門機関にも早めに相談しましょう。お子さんのペースに寄り添うことが、いちばんの近道です。

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