不登校になりやすい親の特徴5選|500家庭以上を見てきた現場から

階段で手をつなぐ保護者と子ども

「子どもが不登校になるのは、親に原因があるのでは?」そんなふうに考えてしまう保護者の方は、少なくありません。

試しに、インターネットで「不登校 親」と検索してみてください。すると、「過干渉」「無関心」といったネガティブな言葉が目立ちます。しかし、現場で500家庭以上と関わってきた実感としては、少し違う視点が見えてきます。

そこで本記事では、NIJINアカデミー代表・校長の星野達郎が「不登校になりやすい親の特徴」を解説します。

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📝 この記事でわかること

  • 不登校になりやすい親に共通する5つの特徴
  • それぞれの特徴が子どもに与える影響
  • 特徴を持つ親へのポジティブなメッセージ
  • NIJINアカデミーが大切にしていること

📚 不登校の全体像を整理したい方へ

はじめの一歩から学びの選択肢まで、状況別に記事をまとめた「不登校の基礎知識」ガイドもあわせてご覧ください。お子さんに合う居場所探しの一歩にも。

目次

結論:「不登校になる子の親の特徴」を示す公的データはありません(早見)

先に、国のデータで分かっていることをまとめます。

  • 「過干渉」「無関心」など、特定の親の性格が不登校を引き起こすことを示した公的な調査はありません。
  • 文部科学省の令和6年度調査で、学校が把握した「親子の関わり方に関する問題」は不登校の12.6%(小学校16.9%・中学校9.9%)。9割近くの不登校では、学校はこの項目を挙げていません。
  • 多いのは子ども本人の心身の状態です:「やる気が出ない」30.1%/「生活リズムの不調」25.0%/「不安・抑うつ」24.3%(複数回答)。
  • 文科省の委託調査では、体調不良・不安・睡眠の乱れを、子どもと保護者は約7〜8割が挙げたのに、先生は2割弱。家庭で見えている不調が、学校には見えていないことがあります。

つまり「親のせい」と決めつける根拠はありません。そのうえで、500家庭以上と関わってきた校長・星野達郎が現場で「重なりやすい」と感じる5つの傾向(新しい働き方・家庭内の対話が多い・平均的ではない・その子らしさを大事にする・海外経験)を、この後で紹介します。

※5つの傾向は現場の実感で、医学的・統計的に証明された因果関係ではありません。子どもの心身の不調が続くときは、かかりつけ医やスクールカウンセラーへ。つらいときは24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(無料)。

不登校の理由のうち「家庭」に関わる項目はどれくらい?(令和6年度・比較表)

文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で、学校が不登校の児童生徒について把握した事実(当てはまるものをすべて回答)です。家庭に関わる2項目に色をつけています。

学校が把握した事実小学校中学校小中合計
学校生活に対してやる気が出ない等の相談30.1%30.1%30.1%
生活リズムの不調に関する相談26.2%24.3%25.0%
不安・抑うつの相談24.1%24.4%24.3%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出15.4%15.7%15.6%
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題11.8%14.1%13.2%
親子の関わり方に関する問題16.9%9.9%12.6%
家庭生活の変化に関する情報や相談10.3%6.6%8.0%
障害(疑い含む)に起因する特別な教育的支援の求め9.6%6.2%7.5%
いじめの被害の情報や相談1.8%1.1%1.4%

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(PDF)

表から読み取れること

  • 「親子の関わり方」は小学校16.9%が中学校9.9%の約1.7倍。年齢が低いほど家庭との関係が学校から見えやすく、話題にもなりやすいと考えられます。
  • それでも小学校で最も多いのは「やる気が出ない」(30.1%)と「生活リズムの不調」(26.2%)。家庭だけの問題として見ると、子どもの心身のしんどさを見落とします。
  • 数字は「学校が把握した事実」で、原因そのものではありません。

先生・子ども・保護者で、見えている理由が違う

文部科学省の委託で行われた「不登校の要因分析に関する調査研究」(公益社団法人子どもの発達科学研究所ほか、令和6年3月公表)は、同じ不登校の子について担任・本人・保護者の三者に回答してもらい、突き合わせています(先生1,424人分・本人239人・保護者200人)。

項目三者の回答の傾向保護者ができること
体調不良/不安・抑うつ/朝起きられない・夜眠れない子ども・保護者は約7〜8割が回答、先生は2割弱家で見える体調や睡眠の様子を、具体的に担任へ伝える
学業の不振/宿題の提出三者の回答割合が比較的近いどの教科のどこでつまずいたかを一緒に確かめ、学校と共有する
いじめ被害/教職員からの叱責など先生と、子ども・保護者の回答に違いがみられた子どもの話を否定せず、日付と出来事をメモしておく

出典:文部科学省委託事業「不登校の要因分析に関する調査研究」報告書(PDF)。理由の順位をくわしく知りたい方は不登校の理由ランキング(令和6年度・全15項目)へ。

現場で見えてきた「不登校になりやすい親」5つの傾向(校長の見立て)

不登校の子を穏やかに支える保護者のイメージ(隣で静かに寄り添う様子)

500家庭以上と関わってきた現場の実感から言うと、それは「子どもを尊重し、柔軟に生き方を選べる力を持っている親」が多いのです。つまり、問題のある親が多いわけではありません。むしろ逆に、子どもの個性を大切にできる親だからこそ、子どもは「学校に行く・行かない」を自分で選びやすくなります。つまり、それは自然な選択の結果だという見方ができるのです。

📌 この記事の位置づけ

まず、以下で紹介する5つの特徴は、星野達郎が500家庭以上と関わってきた現場での実感にもとづくものです。そのため、医学的・学術的に証明された因果関係ではありません。あくまで一つの傾向として、参考にしてください。

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①新しい働き方をしている親

フリーランスや起業家、クリエイターなど、組織に縛られない働き方をしている親の子どもは、不登校になりやすい傾向があります。昭和から平成初期までは「組織に合わせる」ことが当たり前でした。しかし今は、個人で自由に働ける時代です。そのため親自身が「学校に行かなくても生きていける」と感じやすく、子どもにもその価値観が伝わります。

👶 子どもへの影響:学校という枠に縛られずに、自分のペースを大事にしやすくなります。反面、「集団に合わせる」経験が少なくなる場合もあります。

💌 親へのメッセージ:子どもの自己決定を尊重する力が、あなたの強みです。そこで、学校に行く・行かないの二択ではなく、「子どもにとって安心できる学び方」を一緒に模索していきましょう。

②家庭内の対話が多い親

子どもとのコミュニケーションが豊富な家庭も、不登校につながりやすい特徴があります。家庭内で深い対話があると、子どもは「家でも十分学べる」と感じやすくなるからです。その結果、学校に魅力を見出しにくくなるのです。

👶 子どもへの影響:言語力や探究心が伸びやすくなります。一方で「学校より家庭のほうが快適」と感じ、学校生活から距離を取ることもあります。

💌 親へのメッセージ:それは、家庭教育力が高い証拠です。だからこそ自信を持ちつつ、必要に応じて学校や地域の学びも組み合わせてみましょう。

③平均的ではない親

「ちょっと変わっている」「人と違う生き方をしている」親を持つ子どもも、不登校になりやすい傾向があります。親自身が平均的な枠組みにフィットしていません。そのため、子どもも同じように、学校という「平均的な場所」に馴染みにくくなるのです。例えば、研究や芸術、起業などに熱中している親や、HSPなど感受性が強い親があげられます。

👶 子どもへの影響:感受性や創造性に富み、独自の視点を持ちやすくなります。反面、集団の「平均的な価値観」とぶつかることもあります。

💌 親へのメッセージ:平均的ではないことは、弱みではなく強みです。だからこそ、「我が家は我が家のペースでいい」と割り切ることが、子どもに安心感を与えます。

お子さんの感受性やこだわりの強さが気になる方は、あわせて不登校とギフテッド・2Eの関係もご覧ください。

④学歴・偏差値より「その子らしさ」を大事にする親

「いい大学」「いい企業」より、「子どもの幸せ」や「その子らしさ」を優先する親がいます。そうした親の子どもも、不登校になりやすいといわれています。高度経済成長期のように偏差値で競う時代ではなく、価値観が多様化した結果です。

👶 子どもへの影響:他人と比べず、自分の価値観で生きやすくなります。一方で、受験競争に価値を見出しにくく、学校との距離が生まれることもあります。

💌 親へのメッセージ:「子どもが幸せかどうか」を軸に置けるのは、大きな強みです。そのため、社会の物差しよりも、家庭の物差しを大切にして良いのです。

⑤海外経験のある親

海外での生活経験がある親は、日本の教育を相対的に見る目を持っています。海外の学校で自由な学びを経験したり、多様な価値観を肌で感じたりしているためです。そのため「日本の学校に必ず行かなくてもいい」という考え方を自然に持ちます。その結果、子どもも柔軟に不登校を選びやすくなるのです。

👶 子どもへの影響:「日本の学校がすべてではない」という視点を持てます。世界基準で物事を考えやすい一方、日本の学校文化に窮屈さを感じる場合もあります。

💌 親へのメッセージ:視野の広さを子どもに伝えられる、貴重な存在です。だからこそ、国内外の学びを柔軟に組み合わせていきましょう。

実際に、9年間ホームスクールで学び、道を切り拓いた例もあります。あわせて作曲家・内田拓海氏の講演レポートも参考にしてください。

5つの特徴 早見表

ここまで紹介した5つの特徴を、一覧で振り返ってみましょう。いずれも「問題」ではなく、子どもの育ちを支える家庭の力として捉えられるものです。

本文で解説した5つの特徴の要約です(記事内容のまとめであり、新しい情報は含みません)。
親の特徴子どもに表れやすいこと親の強み
①新しい働き方をしている親自分のペースを大事にしやすい。一方で「集団に合わせる」経験が少なくなる場合も。子どもの自己決定を尊重する力。
②家庭内の対話が多い親言語力や探究心が伸びやすい。一方で家庭が快適で学校と距離を取ることも。家庭教育力が高い。
③平均的ではない親感受性や創造性に富み、独自の視点を持ちやすい。反面、平均的な価値観とぶつかることも。「平均的でない」ことそのものが強み。
④「その子らしさ」を大事にする親他人と比べず自分の価値観で生きやすい。一方で受験競争と距離が生まれることも。「子どもの幸せ」を軸に置ける。
⑤海外経験のある親「日本の学校がすべてではない」という視点を持てる。反面、学校文化に窮屈さを感じることも。視野の広さを子どもに伝えられる。

「不登校になりやすい家庭」の特徴とは?

「親の特徴」と並んで検索されるのが「不登校になりやすい家庭」です。ただ、ここで注意していただきたいことがあります。文部科学省の調査でも、不登校の要因は本人・学校・家庭が複雑に重なって生じるものとされており、「この家庭だから不登校になる」と言い切れる型はありません(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。

その前提のうえで、現場で相談を受けていて「重なりやすい」と感じる家庭の状況を整理しました。当てはまっても、それは責められることではありません。むしろ手を打てるポイントが見えているということです。

よく言われる「不登校になりやすい家庭」と、実際に起きていること
よく言われること実際に起きていやすいこと今日からできること
親が忙しく会話が少ない子どもが「言っても仕方ない」と抱え込む時間が長くなる1日5分でいい。用件でない会話の時間を固定する
教育熱心・期待が高い期待に応えられない自分を責めやすくなる結果ではなく、取り組んだ過程を具体的に言葉にする
きょうだいと比べられる「自分は劣っている」という前提が育つ比較の言葉を1週間だけ意識して止めてみる
家庭内の変化が続いた安心の土台が揺れ、学校での踏ん張りがきかなくなる変化の理由を子どもにも言葉で説明する
「学校は行くもの」と強く伝えてきた休みたいと言い出せず、限界まで我慢する「つらいときは休んでいい」と先に伝えておく

大切なのは、原因を家庭の中に探して犯人捜しをすることではなく、子どもが安心して本音を出せる場が家庭にあるかという一点です。

「親のせいだ」と言われたとき、どう受け止めるか

周囲から、あるいは自分自身から「親のせいでは」という言葉が向けられることがあります。実際に相談を受けていて、この言葉ほど保護者の力を奪うものはないと感じています。

自分を責める気持ちが強いときの3ステップ

1

「原因探し」をいったん止める

原因を特定しても子どもは回復しません。今できることに時間を使うほうが、結果的に早く進みます。

2

事実と解釈を分ける

「学校に行けていない」は事実、「私の育て方が悪い」は解釈です。紙に分けて書くと整理できます。

3

第三者に話す場をつくる

スクールカウンセラー、親の会、自治体の相談窓口。保護者自身の相談先を持つことが、子どもへの余裕につながります。

保護者自身が使える相談先

  • スクールカウンセラー(学校経由で予約できます)
  • 教育支援センター(適応指導教室)/お住まいの市区町村の教育委員会
  • 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省
  • こども家庭センター(こども家庭庁
  • 発達特性が気になるとき:発達障害者支援センター(全国一覧
  • 生徒指導・不登校支援の制度全般:文部科学省「生徒指導」

学校の外の選択肢を具体的に知りたい方は、フリースクールとは?費用・出席扱いと全国の探し方もあわせてご覧ください。

まとめ|不登校は「親の弱さ」ではなく「家庭の力」の表れ

「不登校になりやすい親」は、決して問題のある親ではありません。むしろ、以下のようなポジティブな特徴を持っている場合が多いのです。

  • 子どもを尊重している
  • 視野が広い
  • 教育的に賢い

つまり、学校に行かなくても、子どもは学び、成長できる環境を、家庭の中にすでに持っているのかもしれません。子どもへの関わり方に迷ったときは、あわせて不登校の子どもに親ができる対応も参考にしてみてください。

動画で見る・NIJINアカデミーについて

本記事の内容は、校長・星野達郎によるYouTube動画でも解説しています。あわせてご覧ください。

NIJINアカデミー校長・星野達郎が「不登校になりやすい親の特徴」を解説(クリックでYouTubeの動画を再生)▲

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よくある質問

Q. きょうだいの一人だけが不登校です。同じ家庭で育てたのに、なぜでしょうか?
同じ家庭で育っても、生まれ持った気質や、学校で置かれた状況、担任やクラスとの相性は一人ひとり違います。感覚が敏感な子、周囲の空気を読みすぎる子は、同じ環境でも消耗の度合いが大きくなります。家庭の育て方が原因なら、きょうだい全員に同じことが起きるはずです。そうなっていないこと自体が、家庭だけが原因ではないことを示しています。むしろ、不登校になっていないきょうだいが我慢していないかにも、あわせて目を向けてあげてください。
Q. 「不登校になりやすい家庭」に当てはまってしまいました。もう手遅れでしょうか?
手遅れということはありません。当てはまる項目があるということは、どこに手を打てばよいかが見えているということです。実際に相談の現場では、家庭の関わりを少し変えただけで子どもの表情が戻っていくケースを何度も見てきました。すべてを変える必要はなく、「1日5分、用件でない会話をする」といった小さな変化から始めて構いません。
Q. 共働きで、子どもと話す時間がほとんど取れません。
時間の長さより、その時間に子どもが安心して話せるかのほうが影響します。5分でも、スマホを置いて相づちだけ打つ時間があれば十分に意味があります。また、平日が難しければ休日にまとめて、という形でも構いません。話す時間が取れないことを引け目に感じる必要はありません。
Q. 夫婦で方針が合いません。片方は「行かせるべきだ」と言います。
よくあるご相談です。まず、子どもの前で方針を言い争わないことだけ決めておくと、子どもが板挟みにならずに済みます。そのうえで、スクールカウンセラーや第三者を交えて話すと、感情論になりにくくなります。夫婦の意見が違うこと自体は問題ではなく、子どもがどちらにも安心して話せるかが大切です。
Q. 親である自分が疲れきってしまいました。どこに相談できますか?
保護者自身の相談先を持つことは、とても大切です。学校のスクールカウンセラーは保護者も利用できますし、自治体の教育相談室、こども家庭センター、地域の親の会などがあります。「子どものことではなく自分のことで相談してよいのか」と迷われる方が多いのですが、保護者の消耗は、そのまま家庭の余裕に影響します。遠慮せず使ってください。
不登校は本当に親のせいではないのですか?

はい、親のせいと決めつける必要はありません。むしろ、子どもを尊重し柔軟な価値観を持つ親だからこそ、子どもが「学校に行かない」という選択をしやすくなります。つまり、それは自然な結果だという見方もできるのです。ただし、これは星野達郎の現場経験に基づく傾向であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

自分は当てはまらないのですが、それでも不登校になることはありますか?

もちろんあります。不登校の背景には、学校環境や発達特性、友人関係など、さまざまな要因が関わっています。そのため、今回紹介した5つの特徴は、あくまで傾向の一つとして捉えてください。

子どもが不登校になったとき、親はまず何をすればいいですか?

まずは「親のせい」と自分を責めすぎないことが大切です。そのうえで、子どもの気持ちに寄り添いながら、学校以外の選択肢も含めて情報を集めていきましょう。あわせて不登校の子どもに親ができる対応もご覧ください。

※本記事の内容は、NIJINアカデミー代表・校長である星野達郎が、500家庭以上との面談経験をもとに語った見解を記事化したものです。学術的な統計調査の結果ではありません。

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