「不登校は一つの生き方」-小中9年間不登校から東京藝大卒・作曲家内田拓海氏の進路講演会「不登校だった私が学んだ3つの生きるヒント」ー

内田拓海氏(作曲家/東京藝大卒)が語る不登校9年からの歩み|NIJINアカデミー講演会レポート|にじいろ

「小中学校の9年間、学校に通っていなかった子が、東京藝術大学に進学して作曲家になる」。そう聞いて、意外に思う保護者の方は多いのではないでしょうか。2025年11月、NIJINアカデミー主催のイベント「不登校を希望に変える進路2Days」にて、まさにその道を歩んだ作曲家・内田拓海氏をゲストに迎えた講演会が開催されました。

本記事では、内田氏が自身の不登校経験から見つけた「3つの生きるヒント」と、参加した保護者の声を交えながら、講演会の様子をレポートします。

📝 この記事でわかること

  • イベント「不登校を希望に変える進路2Days」の概要
  • ゲスト・内田拓海氏のプロフィール
  • 内田氏が学んだ「3つの生きるヒント」
  • うつ病を経て見つけた「居場所としての芸術」という仕事
  • 書籍『不登校クエスト』について
  • 参加した保護者の感想
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目次

イベント概要|「不登校を希望に変える進路2Days」とは

結論として、本企画は既存のレールにとらわれずに小中学生時代を生きた内田拓海氏をゲストに迎え、困難に直面したときの向き合い方や「自分らしい」生き方を見つけるヒントを得ることを目的に開催されました。

講演会のテーマは「小中9年間不登校から東京藝大卒・作曲家が語る『意外と大丈夫』の極意とは!?~不登校の私が学んだ3つの生きるヒント~」。このテーマに沿って、書籍『不登校クエスト』を執筆された内田氏を招き、自身の歩みを語っていただきました。

開催概要

  • 開催時期:2025年11月
  • 主催:NIJINアカデミー
  • 企画名:不登校を希望に変える進路2Days
  • ゲスト:内田拓海氏(作曲家)
  • 講演テーマ:小中9年間不登校から東京藝大卒・作曲家が語る『意外と大丈夫』の極意とは!?

ゲストプロフィール|作曲家・内田拓海氏

結論として、内田氏は小中学校の9年間をホームスクールで過ごし、その後東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業した経歴を持つ作曲家です。現在は作曲活動に加え、子どもや保護者への支援活動にも取り組んでいます。

NIJINアカデミー主催「不登校を希望に変える進路2Days」に登壇した作曲家・内田拓海氏

講演会に登壇した内田拓海氏

内田拓海氏プロフィール

  • 生年月日:1997年11月8日
  • 出身:神奈川県
  • 小中学校9年間:ホームスクール
  • 学歴:東京藝術大学音楽学部作曲科 卒業
  • 現在:作曲家として活動。書籍『不登校クエスト』著者

内田氏が学んだ3つの生きるヒント

結論として、内田氏が講演で語った生きるヒントは「①自分の興味を理解する」「②他人と比較しない」「③ありのままを受け入れる」の3つです。幼少期から現在に至るまでの道のり——挫折と克服、うつ病を経て作曲家としての道を見つけるまでの「人生の線」がつながっていく過程は、参加者に深い感銘を与えました。

内田拓海氏の講演資料「不登校の私が学んだ3つの生きるヒント」

講演で使用されたスライド「不登校の私が学んだ3つの生きるヒント」

①自分の興味を理解する

自身の情熱は、自分自身にしか分かりません。内田氏の場合、幼少期の「九九の暗記」に対する疑問をきっかけに母からの勉強が終わり、その後はハリー・ポッターなどの読書や、ゲーム音楽といった自発的な興味を通じて、学問や芸術に触れていきました。

15歳のとき、坂本龍一さんの楽曲『戦場のメリークリスマス』を聴いた瞬間に、将来への深い確信を得たというエピソードは印象的です。

「自分の情熱を理解することは、自分の生きがいを見つけることでもあります。何に興味を持てるのか、何が好きなのかを真剣に考えて理解していくことが、人生にとって本当に大切な柱になる」

②他人と比較しない

これは、内田氏が東京藝大在学中に経験した挫折と、その後のうつ病につながった最も大きな要因でした。周りの才能ある同級生や教員との衝突を通じて、劣等感や負のエネルギーに追い詰められ、最終的にはうつ病となり、卒業後に3ヶ月間の寝たきり生活を送る経験をされたといいます。

「人それぞれ物事を学ぶこと、行っていくことには『進路(ペース)』がある。それは早い遅いではなく、その人の個性だと私は考えています。他人と比較することは、時に危険なエネルギーになってしまう瞬間がある」

比較から生まれる劣等感や不安は、自分を追い詰める負のエネルギーにしかならないと内田氏は断言していました。

③ありのままを受け入れる

これは「強がる」「かっこつける」ことの対極にある姿勢です。内田氏は、二度の大学受験の失敗を経て、この大切さを学んだといいます。

「むしろ自分の苦手なことを全てさらけ出す。そしてその上でできることとできないこと、あるいは得意なことと苦手なことをしっかり把握して、目標に必要な距離を測っていくステップを自分の中で作っていく」

「自分はきっとできる」という思い込みではなく、自分の弱いところや恥ずかしいところもすべて受け入れた上で、目標までの距離を明確にし、地道に努力していくこと。これが、自分の人生を自分らしく生きていくための土台になると強調されました。

うつ病を経て見つけた「居場所としての芸術」

結論として、内田氏はうつ病から回復する過程で、「音楽を通して人に寄り添う」という自身の使命を見つけました。

内田氏は、うつ病から回復した後、冷凍倉庫でのアルバイトという経験を経て、「自分の人生を立て直す」ことを決意したと話します。不登校の孤独、複雑な家庭環境の同級生との出会い、そして音楽を学んだという自身の「線」がつながる仕事として、「居場所がないと思っている人たちに、音楽を通して寄り添うこと」を見つけたといいます。

📌 講演が伝えたこと

この目的意識が、大学院での「社会実践」分野の研究や、書籍『不登校クエスト』の出版へとつながりました。現在は作曲活動に加え、多くの子どもたちや保護者への支援活動を展開しています。

書籍『不登校クエスト』とは

結論として、『不登校クエスト』は、内田氏自身の9年間にわたる不登校(ホームスクーリング)経験を、当事者としての視点から綴った書籍です。

書籍『不登校クエスト』について

作曲家である内田拓海氏が、自身の9年間にわたる不登校(ホームスクーリング)経験と、そこから東京藝術大学への進学、そして現在の活動に至るまでの道のりを、当事者としての視点から綴った一冊です。

内田氏の講演は、不登校という経験がハンディキャップではなく、「自分だけの生きがい」を見つけ、それを他者のための「力」に変えるための貴重な財産となることを、参加者に証明してくれました。

参加者の感想

結論として、参加した保護者からは「不登校も一つの生き方」「自分と向き合う時間を大切にしたい」といった声が寄せられました。

息子が小学校2年生なので、内田さんから小中9年間学校に行かなかったご経験をお聞きできてよかったです。大人びたところがあり、違和感から学校に行かなかったという点、我が子も似ているような気がしました。

ご自身で、この時代はこう思っていた、この時代の転機はこれだったと明確に振り返っておられ、内田さんの人生の濃縮版を一緒にたどったような気持ちになりました。不登校も一つの生き方で、いつか財産になるという言葉が印象的でした。そう思えたのは保護者の方などの接し方も大きかったのだろうと思うので、今後の見守りに参考にしていきたいと思います。

普段我が子のこだわりの強さや、敏感さが将来に影響するのではないかと不安な気持ちになっていました。お話の中で内田さんが大学受験のタイミングで自らの頑固な性格を見直さないといけないと感じたというお話があり、成長の過程で自らと向き合わなければいけない瞬間が来るのだということにとても心が震えました。

学校に行かないことで、自分の向き合う時間はたくさんあると思うので、自らを受け入れ自分らしく生きる道を探してほしいと改めて感じました。

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この記事の内容を確かめるための一次資料

学校以外の学びの場は、この10年で制度が大きく変わりました。いまは「学校復帰だけがゴールではない」というのが国の公式な立場です。選択肢の全体像と、それぞれが制度上どう扱われるかを押さえておくと、進路の話が現実的になります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「学びの多様化学校の設置者一覧」全国84校。旧・不登校特例校の全リスト
文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」高校に通わずに大学受験資格を得る制度
文部科学省「就学援助」学用品費・給食費などの経済的支援
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

東京都で使える公的な支援と相談窓口

民間の教室やスクールを探す前に、東京都で公的に使える支援を知っておくと、費用も選択肢の幅も変わります。市区町村の教育委員会が運営する教育支援センター(適応指導教室)利用料が原則無料で、通った日は在籍校の出席扱いにできます。

東京都の小中学校の不登校児童生徒数は33,831人(令和6年度・文部科学省調査)。在籍者に占める割合は約3.57%で、全国平均は約3.86%です。ひとりで抱えている家庭が、それだけ多くあるということでもあります。

東京都全体の相談窓口

東京都の広域相談窓口
窓口リンク
東京都教育委員会 不登校・中途退学対策公式ページを見る
東京都教育委員会 生活指導ポータル公式ページを見る
東京都教育相談センター公式ページを見る
TOKYO多様な学びの場・居場所ナビ公式ページを見る
24時間子供SOSダイヤル(全国共通・無料)0120-0-78310

東京都内48市区町村の窓口をまとめた一覧は、東京都の教育支援センター(適応指導教室)一覧にあります。掲載しているリンクはすべて実際にアクセスして到達を確認済みです。

東京都で相談を始めるときの進め方

どこに何を聞けばいいか分からないまま電話すると、たらい回しになりがちです。順番を決めておくと、1本の電話で話が進みます。

相談の順番

1

① 在籍校か、市区町村の教育相談窓口に連絡する

担任・スクールカウンセラーに伝えるか、東京都の教育委員会(教育相談室)に保護者から直接電話します。多くの自治体が保護者からの直接相談を受け付けています。

2

② 「今すぐ通えますか」「対象は何年生からですか」を最初に聞く

教育支援センターは定員があり、小4以上を対象とする自治体が多いです。ここを最初に確認すると、次の手を早く打てます。

3

③ 見学・体験から始める

保護者だけの見学から始めても構いません。部屋の雰囲気と、指導員との相性を見てください。

4

④ 出席扱いの扱いを学校と確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

費用の負担を軽くする制度

  • 教育支援センターは利用料が原則無料(教材費・昼食・交通費は自己負担の場合あり)
  • 就学援助(学用品費・給食費などの補助)は、東京都の教育委員会が窓口です
  • フリースクール利用料の補助制度を設けている自治体も増えています。東京都に制度があるか、教育委員会に直接お問い合わせください

東京都に関するよくある質問

Q. 東京都の教育支援センターは無料ですか?

A. 利用料は原則無料です。市区町村の教育委員会が運営する公的機関のためです。ただし教材費・体験活動の材料費・昼食・交通費は自己負担になることがあります。給食がない施設が多く、弁当持参が一般的です。

Q. 東京都で通える場所がない場合はどうすればいいですか?

A. ①在籍校の校内別室(保健室登校を含む)を確認する、②訪問型支援があるか窓口で聞く、③自宅でのICT学習を出席扱いにする道(別記2)を学校と相談する、④オンラインを検討する——の順で当たるのが現実的です。東京都の状況によっては、通える範囲に施設がないこともあります。

Q. 学校を休ませてもいいのでしょうか?

A. 教育機会確保法の第13条は、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」と条文で明記しています。休むことは制度の外側にある逸脱ではなく、法律が想定している状態です。文部科学省の通知も「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」と述べています。

内田拓海氏はどんな経歴の作曲家ですか?

1997年生まれ、神奈川県出身。小中学校の9年間をホームスクールで過ごし、東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業した作曲家です。うつ病からの回復を経て、現在は作曲活動と、不登校の子どもや保護者への支援活動を行っています。

書籍『不登校クエスト』はどのような内容ですか?

内田氏自身の9年間にわたる不登校(ホームスクーリング)経験と、東京藝術大学への進学、現在の活動に至るまでの道のりを、当事者としての視点から綴った書籍です。

NIJINアカデミーの講演会にはどうすれば参加できますか?

NIJINアカデミーでは、今回のような保護者向け講演会・イベントを随時開催しています。最新情報は公式サイト(academy.nijin.co.jp)でご確認いただけるほか、平日毎日実施しているメタバース体験説明会でもご案内しています。

まとめ|不登校は「自分だけの生きがい」に変わる

内田拓海氏の講演は、不登校という経験がハンディキャップではなく、「自分だけの生きがい」を見つけ、それを他者のための「力」に変えるための貴重な財産となることを、参加者に証明してくれました。

自分の興味を理解すること、他人と比較しないこと、ありのままを受け入れること——この3つのヒントは、不登校のお子さんを持つ保護者の方はもちろん、多くの人にとって大切な指針になります。自分らしい生き方を模索するすべての人に、心に留めておいてほしいヒントです。

NIJINアカデミーでは、今後も子どもたちや保護者の方に「希望」を届ける講演会やイベントを企画していきます(参考:全国のフリースクールを探す|にじいろ不登校に発達障害が多い理由とは?)。

※本記事は2025年11月開催のNIJINアカデミー主催イベント「不登校を希望に変える進路2Days」の内容をもとに作成しています。

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