- 神奈川県の主なインターナショナルスクール7校の所在地・対象学年・認定・学費(2026年9月時点・編集部が各校の公式サイトで確認)
- 入学金・登録料・施設費まで数えた「初年度に実際に出ていく額」の幅(約242万円〜約537万円)
- 保護者の英語力、学年ごとの英語要件、ドイツ語の要件など、募集要項に実際に書かれている入学条件
- 横浜市が公式に示している「除籍」と「市立中学校への入学は原則認められない」という取り扱い
- 学校が横浜市中区に偏っていること。湘南・県央・県西・三浦半島に選択肢がないこと
- 神奈川県内で「一条校のIB校」を選ぶという、あまり知られていない道
この記事は、オンラインインターナショナルスクール「NIJIN GLOBAL ACADEMY」を運営する株式会社NIJINが編集しています。自社サービスを紹介する記事です。そのうえで、他校の情報は各校の公式サイトの当該ページで確認できた内容だけを載せ、確認できなかったことは「確認できなかった」と書いています。学費・学年区分はすべて2026年9月時点・編集部調べで、改定されることがあります。最新の金額は必ず各校の公式サイトでご確認ください。
神奈川県のインターナショナルスクールは、まず「種類」を分けて考える
神奈川は東京に比べて学校数が少ないぶん、一校ずつの性格の違いが大きく出ます。同じ「インターナショナルスクール」という呼び名の中に、制度上も中身もまったく違うものが混ざっています。学費を比べる前に、次の4つの軸で分けておくと、あとで話がこじれません。
1)日本の法律上、どの位置づけか
ひとつ目は、学校教育法第1条に定める「学校」(一条校)かどうかです。横浜市は公式に「現状、横浜市内には、一条校のインターナショナルスクールはなく、それらの学校を卒業しても義務教育課程を修了したことになりません。」と書いています。市が自分の言葉で「市内に一条校のインターはない」と明記しているのは、判断材料としてかなり重い情報です。
一条校でない学校は、都道府県知事の認可を受けた「各種学校」か、認可を受けていない無認可の施設になります。今回調べた範囲では、ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクールが公式サイトで「recognized by the local government since 2004」として神奈川県からの学校法人としての認可に触れていました。他の学校については、各種学校の認可の有無を公式サイトで確認できませんでした。
2)国際的な評価団体の認定があるか
二つ目は、WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS といった国際的な評価団体の認定を受けているかどうかです。文部科学省は「大学入学資格について」で、大学入学資格が認められる者のひとつとして「国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した者」を挙げています。この認定の有無は、日本の大学を受けられるかどうかに直結します。
3)IB(国際バカロレア)認定校か
三つ目はIBです。文部科学省IB教育推進コンソーシアムによると、国内の国際バカロレア認定校等数は「273校(令和8年6月30日時点)」で、この数には認定校と候補校の両方が含まれます。内訳はPYP認定校91校・候補校36校、MYP認定校48校・候補校10校、DP認定校80校・候補校6校、CP認定校1校・候補校1校です。
同コンソーシアムの一覧で、神奈川県内の一条校ではないIB認定校として確認できたのは、CGKインターナショナルスクール(PYP)、ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール(PYP・MYP・DP)、サンモール・インターナショナルスクール(DP)、横浜インターナショナルスクール(PYP・MYP・DP)、キッズ大陸フロンタウン生田園(PYP)の5件でした。学校が「IB校」と名乗っていることではなく、この一覧に載っているかどうかで確認してください。IBそのものの違いはIGCSE・A-Level・IBの違いをやさしく解説にまとめました。
4)小学部以上があるか、プリスクールだけか
四つ目が神奈川ではとくに大きな落とし穴です。県内には英語で保育をする「プリスクール」「インターナショナルプリスクール」が非常に多く、就学前だけの施設も「インターナショナルスクール」を名乗ります。藤沢市の湘南インターナショナルスクールのように、湘南エリアで名前が挙がる施設の多くは就学前の園です。小学部以上があるかどうかは、必ず対象学年で確認してください。この記事の表は、小学部以上がある学校に絞っています。
神奈川県の主なインターナショナルスクール一覧
この記事では、次の2つをどちらも満たした学校だけを載せました。
- 小学部(1年生相当)以上がある。英語プリスクールのみの施設は除いた
- 公式サイトの当該ページで、対象学年と学費の実額を確認できた
この2つを満たした7校を、学校名の五十音順で並べています。認定の欄は、公式サイトの記載と文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧の両方で確認できたものだけを書き、確認できなかった学校は「確認できず」としています。載っていない=評価が低い、ではありません。学費が公表資料で確認できなかった学校は、この記事では外しています。
| 学校名 | 所在地 | 対象学年 | カリキュラム・認定 | 学費(確認できた実額) |
|---|---|---|---|---|
| 川崎インターナショナルスクール(KIS) | 川崎市川崎区大島2-13-8(初等部)/川崎市川崎区追分町11-6(幼児部) | 2歳〜12歳(初等部あり) | 独自カリキュラム(英語で実施)。国際的な評価団体の認定・IB認定は公式サイトで確認できず | 入学費用150,000円。授業料は月額制で、週3日9:00-12:30が35,000円/月、週5日9:00-14:00が60,000円/月、週5日9:00-17:00が80,000円/月、週5日9:00-18:00が95,000円/月。ほかに教材費50,000円/学年、メンテナンスサービス費30,000円/学年、延長保育料400円/15分。※学費ページに初等部と幼児部を分けた記載はなく、年度の表記も確認できず |
| サンモール・インターナショナルスクール(Saint Maur) | 横浜市中区山手町83 | 2歳半〜Grade 12(通常はGrade 11まで受け入れ) | IB DP/Cambridge(IGCSE)/International Primary Curriculum/CIS・NEASC | 2026-27年度 授業料:モンテッソーリ半日 1,780,000円/同全日 2,736,000円/Pre 1st Grade 2,945,000円/Grade 1-5 3,288,000円/Grade 6-8 3,362,000円/Grade 9 3,362,000円/Grade 10-11 3,374,000円/Grade 12 3,559,000円。ほかに出願料35,000円、登録料(Registration Fee)950,000円、再入学者の予約金(Reservation Fee)300,000円(いずれも返金不可)、Campus Development and Maintenance Fund 300,000円(毎年)、PSG会費2,000円(1家族)、生徒会費 中学部1,000円・高校部2,000円 |
| CGKインターナショナルスクール 初等部 | 横浜市中区南仲通2-25-2 | Grade 1〜Grade 5 | IB PYP認定校(文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧で確認) | 2027年度:出願料44,000円、入学金550,000円(いずれも1回限り)、授業料2,112,000円/年、施設費158,400円/年。ほかにバス送迎費224,400円または250,800円/年、EALサポート代346,500円/年(対象者のみ)、学習サポート代346,500円/年(対象者のみ)。兄弟姉妹は授業料20%引き |
| 東京横浜独逸学園(Deutsche Schule Tokyo Yokohama) | 横浜市都筑区茅ヶ崎南2-4-1 | 幼稚園〜アビトゥア(第12学年) | ドイツのカリキュラム。公式サイトに「the only school in Japan that offers the German International Abitur」と記載。IB認定はなし | 2026/27年度 年額:幼稚園(8:00-15:00)1,870,000円/午後延長1回付き1,900,000円/同5回付き1,960,000円。第1〜4学年1,700,000円/第5〜12学年1,840,000円。ほかに事務手数料75,000円、入学金650,000円(いずれも1回限り)、スクールバス380,000円/年、財団会費500円/年 |
| ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール(HJIS) | 横浜市神奈川区大野町1-24 | Preschool〜Grade 12 | IB PYP・MYP・DP/WASC(2019年認定)・CIS(2018年認定)/2004年から神奈川県の認可を受けていると記載 | 2026-27年度 授業料:EYP(Preschool・Pre-K・Kindergarten)2,440,000円/EYP半日1,680,000円/PYP(Grade 1-5)2,790,000円/MYP(Grade 6-10)2,890,000円/DP(Grade 11-12)3,040,000円。ほかに出願料45,000円、登録料500,000円、Building Fund 750,000円(いずれも1回限り)、Maintenance Fee 250,000円(毎年)、PTA会費5,000円/家族、EALサポート500,000円/年、スクールバス片道215,000円・往復300,000円/年、Technology Fee(Grade 1のみ)25,000円 |
| 横浜インターナショナルスクール(YIS) | 横浜市中区小港町2-100-1 | 3歳(ELC)〜Grade 12 | IB PYP・MYP・DP/CIS・NEASC。1924年創立 | 2026-27年度 授業料:ELC半日 2,120,000円/ELC全日 2,610,000円/Kindergarten-Grade 5 3,210,000円/Grade 6-11 3,345,000円/Grade 12 3,440,000円。ほかに出願料50,000円、登録料(Registration Fee)1,480,000円(1回限り)、Campus Development Fee 399,000円、翌年度の在籍継続デポジット300,000円、東京発のスクールバス395,000円/年(税込) |
| 横浜クリスチャンスクール(Yokohama Christian School) | 横浜市中区山手町66-2 | 2歳児クラス〜Grade 5(小学部はKindergarten〜Grade 5) | キリスト教主義。国際的な評価団体の認定・IB認定は公式サイトで確認できず | 2026-2027年度 授業料:小学部(Kindergarten-Grade 5)1,802,000円/Sprouts(3-4歳)全日1,715,000円・通常1,630,000円/Seeds(2歳)全日1,834,000円・通常1,630,000円。ほかに出願料30,000円、入学金300,000円、Registration Fee 42,000円(毎年・返金不可)、Annual Development Fee 250,000円(毎年)、学習サポート40,000円/学期、EALサポート140,000円/学期、アフタースクール登録料25,000円/年(Grade 1-5) |
2026年9月時点・編集部が各校の公式サイトの学費ページで確認しました。金額はいずれも改定される可能性があります。CGKインターナショナルスクール初等部の金額だけは、公式サイトに「2027年度費用」として掲載されているものです。
まとめサイトに名前が残っていても、今回の調査で表に入れられなかった学校があります。インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパンの横浜キャンパスは、公式サイトのキャンパス一覧に東京(江東区千石)しか掲載されておらず、横浜の記載を確認できませんでした。また、横浜の山手にあった Saint Joseph International School(Saint Joseph College)についても、現在の公式サイトを確認できませんでした。古い記事の情報をそのまま信じず、必ず公式サイトで今も募集しているかを確かめてください。
学費は実際いくらかかるのか
先に結論を書きます。インターナショナルスクールの学費について、全国的な「相場」を示す公的な統計は存在しません。だからこの記事では相場を断定せず、上の7校で実際に公表されている金額の幅だけを書きます。
授業料だけを見ると、年170万円〜355.9万円
年額の授業料がいちばん低かったのは東京横浜独逸学園の第1〜4学年で1,700,000円、次が横浜クリスチャンスクールの小学部で1,802,000円でした。いちばん高かったのはサンモール・インターナショナルスクールのGrade 12で3,559,000円、次が横浜インターナショナルスクールのGrade 12で3,440,000円です。川崎インターナショナルスクールだけは月額制で、週5日9:00-18:00のコースが95,000円/月でした。
初年度は、授業料に100万円前後が上乗せされる
学費の話でいちばん誤解が起きるのはここです。授業料の表に載っていない、一度きりの費用が大きい学校があります。
| 学校 | 入学時に一度だけかかる費用 | 毎年かかる授業料以外の費用 |
|---|---|---|
| サンモール | 出願料35,000円+登録料950,000円=985,000円 | Campus Development and Maintenance Fund 300,000円ほか |
| 横浜インターナショナルスクール | 出願料50,000円+登録料1,480,000円=1,530,000円 | Campus Development Fee 399,000円 |
| ホライゾン | 出願料45,000円+登録料500,000円+Building Fund 750,000円=1,295,000円 | Maintenance Fee 250,000円ほか |
| 東京横浜独逸学園 | 事務手数料75,000円+入学金650,000円=725,000円 | 財団会費500円(バスは380,000円) |
| CGK初等部 | 出願料44,000円+入学金550,000円=594,000円 | 施設費158,400円 |
| 横浜クリスチャンスクール | 出願料30,000円+入学金300,000円=330,000円 | Registration Fee 42,000円+Annual Development Fee 250,000円 |
| 川崎インターナショナルスクール | 入学費用150,000円 | 教材費50,000円+メンテナンスサービス費30,000円(いずれも学年ごと) |
この一度きりの費用を足すと、初年度に実際に振り込む額は次のようになります。小学部相当の学年で計算すると、横浜クリスチャンスクールが2,424,000円、東京横浜独逸学園の第1学年が2,425,500円、CGK初等部が2,864,400円、ホライゾンのGrade 1が4,365,000円、サンモールのGrade 1-5が4,575,000円、横浜インターナショナルスクールのKindergarten-Grade 5が5,139,000円です。同じ「横浜のインター」でも、初年度の負担は倍以上ひらきます。
授業料以外にかかるものを、先に一覧にしておく
- 出願料(Application Fee):30,000円〜50,000円。合否にかかわらず返金されない
- 入学金・登録料(Registration Fee/Enrolment Fee):150,000円〜1,480,000円。一度きりだが金額が大きい
- 建設・施設基金(Building Fund/Development Fee):一度きりで750,000円という学校がある
- 施設維持費(Maintenance Fee/Campus Development Fee):毎年158,400円〜399,000円
- 英語サポート(EAL):ホライゾン500,000円/年、CGK 346,500円/年、横浜クリスチャンスクール140,000円/学期。必要と判断されると毎年かかる
- スクールバス:215,000円〜395,000円/年。往復か片道かで変わる
- 再入学・在籍継続の予約金:サンモール300,000円、横浜インターナショナルスクール300,000円
- PTA・保護者会費、生徒会費:1,000円〜5,000円
とくに見落とされやすいのがEALです。英語がまだの状態で入ると、授業料に年間で数十万円が上乗せされる設計になっている学校があります。「サポートがある」と「サポートが無料である」は別の話なので、金額を必ず確認してください。
入学の条件と、実際に見られること
ここは各校の募集要項に実際に書かれていることだけを書きます。神奈川の学校は、東京の主要校と同じくらい条件がはっきりしています。
保護者の英語力を条件にしている学校がある
横浜インターナショナルスクールは出願資格として「At least one residing parent of the applicant must be fluent in speaking, reading, and writing English.」と書いています。日本に住んでいる保護者の少なくとも1人が、英語を話し、読み、書けることが条件です。
サンモール・インターナショナルスクールも「At least one parent speaks and reads English with sufficient fluency」を挙げています。一方で、CGKインターナショナルスクール初等部は「保護者面接は、日本語あるいは英語にて対応いたしますので、保護者様の英語力は問いません」と明記しています。学校によって前提がまったく違うので、ここは最初に確認する価値があります。
子どもの英語力は「学年による」
サンモールは「English Proficiency is desired, but not required for Grades 1 through 8.」としたうえで、「From Grade 10 and above, academic English proficiency and skills are assumed, required and essential.」と書いています。Grade 4からGrade 11の出願者には英語と数学の評価があります。
横浜インターナショナルスクールは、ELCと小学部について「Children are admitted regardless of English proficiency, provided there are no other additional learning needs.」としており、中学部は「sufficient competency in academic English」、高校部は「a high degree of academic English proficiency」を求めています。どちらの学校も、学年が上がるほど英語の要求水準が上がる設計です。「高校から英語を浴びせよう」という順番は通りにくいということです。
日本国籍の子どもの扱い
横浜インターナショナルスクールは、日本国籍の子どもについて「Japanese nationals who have been primarily educated in non-Japanese schools overseas or at other accredited international schools in Japan」を出願資格に挙げています。それ以外の場合は、インターナショナルスクールに出願する理由を書いた保護者からのレターが必要とされています。
サンモールも、日本からの出願者については帰国して間もない児童生徒、他のインターナショナルスクールからの転入、地域の学校に通うことが本人にとって有益でないと考えられる場合、という書き方をしています。帰国後の学校選びで迷っている場合は帰国子女が日本の学校になじめず不登校に…もあわせて読んでみてください。
ドイツ語・在留資格など、学校ごとの固有の条件
東京横浜独逸学園は、幼稚園には「Grundkenntnisse der deutschen Sprache」(ドイツ語の基礎知識)を、小学部・中等部には年齢相応のドイツ語の口頭および筆記の力を求めています。第1学年への入学には、ドイツ語で行う幼稚園に2年通った証明か、学校が行う言語診断に合格することが必要とされています。英語のインターだと思って問い合わせると条件が合わないので、注意してください。
ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクールは「Upon enrollment at HJIS, students must either be Japanese permanent residents or hold an appropriate valid visa.」として在留資格の条件を挙げ、学生ビザの発給やスポンサーは行わないとしています。入学の流れについては「may include an assessment, student interview, and/or parent meeting」と書かれています。
空きがあるかどうかが、実は最大の条件
サンモールは、入学可能と判断されても定員に空きがない場合はWaiting Poolに入るとしており、「The pool is not sequentially structured」として、先着順ではなく学校との適合で選ぶと説明しています。横浜インターナショナルスクールも、応募者が定員を超えた場合はwait poolに入る可能性があるとし、在校生のきょうだいなどに優先順位があると書いています。ホライゾンは「Students are accepted on a space-available basis throughout the current school year.」としています。
今回の調査では、各校の待機期間の実績値を公表資料で確認することはできませんでした。問い合わせのときに「今、うちの子の学年に空きがあるか」を最初に聞いてしまうのが、いちばん時間を無駄にしない方法です。
通わせる前に知っておきたい、日本の制度との関係
ここは一次情報だけで書きます。神奈川県、とくに横浜市にお住まいの場合、全国的な説明よりも一段踏み込んだ記載が公開されています。
就学義務を履行したことにならない
文部科学省は就学事務Q&Aで、「保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。」と明記しています。
横浜市も同じ立場を示したうえで、さらに具体的に書いています。「日本国籍のみを有する方を一条校ではないインターナショナルスクール等の学校に就学させても、法律で規定された就学義務を履行したことになりません。」に続けて、「指定された学校での欠席状態が学年末まで継続した場合、原則として進級は認めず、学年末で除籍します。」としています。
「籍だけ残しておけばいい」とは、横浜市は書いていない
ここは、東京の記事などでよく見る「在籍校に籍を残したまま通えばいい」という説明と、横浜市の公表内容がずれる部分です。横浜市は続けて、「一条校でないインターナショナルスクール等の学校を卒業しても、小学校の課程または義務教育学校の前期課程を修了したことにならず、中学校から横浜市立中学校または義務教育学校の後期課程への入学を希望しても原則認められません。一条校でないインターナショナルスクールの中学部の途中で横浜市立中学校または義務教育学校の後期課程へ編入学をする場合でも同様になります。」と書いています。
文部科学省も同じ趣旨を「例えば一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります。」と示しています。入学を決めてから相談するのではなく、決める前に、お住まいの区役所と教育委員会に相談してください。取り扱いは自治体によって運用が異なる可能性があります。
二重国籍の場合は、就学義務の猶予・免除がありうる
横浜市は、日本国籍と外国籍を両方持つ子どもについて「将来的に外国籍を選択する可能性が高く、一条校でないインターナショナルスクール等への就学など、他に教育機会が確保されると認められる場合には、就学義務を猶予(免除)することができます。」としています。手続きは住民登録のある区役所戸籍課で、外国人学校等の在学証明書と外国籍を証明する書類などが必要とされています。外国籍のみの場合は、一条校以外に就学するなら手続きは不要とされています。
高校段階は「卒業資格」ではなく「大学入学資格」で考える
一条校でないインターナショナルスクールを出ても、日本の高等学校卒業資格は得られません。ただし、日本の大学を受験できないわけではありません。文部科学省「大学入学資格について」は、「国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した者」と「外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCEAレベル、国際Aレベル、欧州バカロレア資格を保有する者」を挙げています。「大学において個別の入学資格審査により認めた18歳以上の者」という経路もあります。
この記事の表でいうと、サンモール・横浜インターナショナルスクール・ホライゾンはCIS・NEASC・WASCのいずれかの認定を確認できました。東京横浜独逸学園はアビトゥアという資格の側から経路がつながります。一方、認定を確認できなかった学校を高校段階まで選ぶ場合は、個別入学資格審査や高卒認定が必要になる可能性があります。また文部科学省「大学入学資格ガイド ver.2」(令和6年6月)によれば、IBのCP修了者には大学入学資格が認められません。
神奈川県で「通う」以外の選択肢
ここが、神奈川という土地のいちばん語られていない部分です。
学校があるのは、実質2つの市だけだった
神奈川県は19の市と14の町村、あわせて33市町村からなり、横浜・川崎・横須賀三浦・県央・湘南・県西の6つの地域に分かれています。ところが、今回、公式サイトで小学部以上の実在と学費を確認できた7校の所在地は、横浜市に6校、川崎市に1校でした。
横浜市内の内訳はさらに偏っています。中区が4校(サンモールが山手町83、横浜インターナショナルスクールが小港町2-100-1、CGK初等部が南仲通2-25-2、横浜クリスチャンスクールが山手町66-2)、神奈川区が1校(ホライゾン)、都筑区が1校(東京横浜独逸学園)です。山手と関内・本牧という、幕末以来の外国人居留地の周辺に古い学校が集まっているという地理が、そのまま残っています。横浜インターナショナルスクールは1924年創立です。
裏を返すと、横須賀・三浦半島、湘南(藤沢・茅ヶ崎・平塚・鎌倉)、県央(厚木・大和・海老名・座間・相模原)、県西(小田原・秦野・箱根・湯河原)には、今回の基準を満たす学校が1校もありませんでした。この地域にお住まいなら、「神奈川県内に通える学校がある」という前提はいったん外して考えたほうが、時間を無駄にしません。プリスクールはあります。小学部以上が、ないのです。
学費が届かないとき、神奈川の補助はどうなっているか
神奈川県はフリースクール等に通う子どもへの支援について、「保護者の方に直接補助する制度ではございません。お住まいの市町村が事業を実施している必要があります。」と明記しています。県が市町村に補助金を交付し、市町村が保護者を支援する仕組みです。県のページで実施市町村として確認できたのは、相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町だけでした。横浜市と川崎市はこの6市町に含まれていません。
補助の基準額は「児童・生徒1人につき、通所月数×1万円」とされ、対象施設には「1年以上の活動実績」「原則として週に1回以上開所」「生活習慣の改善指導、学習支援及び教育相談等に関する取組を提供」「社会的自立に向けた相談業務が提供できる人員を配置」といった要件があります。
ここが大事なところです。インターナショナルスクールの学費がこの補助の対象になるかどうかは、今回調べた範囲では県および各市町の公表資料で確認できませんでした。対象になるとは書けません。利用を検討する場合は、お住まいの市町村の担当窓口に直接ご確認ください。フリースクールの制度そのものはフリースクールとは?費用・種類・出席扱いと全国の探し方にまとめています。
あまり知られていない道:神奈川には「一条校のIB校」がある
インターナショナルスクールを調べていると見落とすのですが、神奈川県には一条校でIB認定を受けた学校があります。文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧で確認できた県内の一条校は、神奈川県立横浜国際高等学校(DP認定校)、聖ヨゼフ学園小学校(PYP認定校)、聖ヨゼフ学園中学校(MYP認定校)、ビヨンディア・インターナショナルスクールやまた幼稚園(PYP認定校)、法政大学国際高等学校(DP認定校)、三浦学苑高等学校(DP認定校)です。
とくに神奈川県立横浜国際高等学校(横浜市南区六ッ川1-731)は、平成31年度に国際バカロレアコースを開設した県立高校です。同校のコースは「デュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム(DLDP、日本語DP)」で、英語と数学の授業を英語で実施し、他の教科は日本語で実施します。募集は一般が20名程度、海外帰国生徒が5名程度で、選抜は学力検査(国社数理英)、面接、特色検査(英語実技検査、自己表現検査)です。
聖ヨゼフ学園小学校(横浜市鶴見区東寺尾北台11番1号)は、「2018年1月9日付で日本の小学校として初めて『国際バカロレアPYP校』として認定されました。」と公式サイトに書いています。なお同校の公式サイトには2027年度生の募集要項が「開智横浜国際小学校児童募集要項」として掲載されており、校名が変わる予定であることが確認できます。一条校なので、日本の義務教育を修了したことになり、卒業資格も出ます。学費も国際教育も、という家庭には現実的な選択肢になりえます。
東京の学校に、神奈川から通うという選択
実際に、東京都心のインターナショナルスクールへ神奈川から通っている家庭はあります。逆方向の流れも起きていて、横浜インターナショナルスクールは東京発のスクールバスを2路線運行しており、その費用は年395,000円(税込)と公表しています。都県をまたぐ通学は、この地域では珍しいことではありません。
ただし、毎日のことです。今回の調査では、東京都内の学校が神奈川県内にスクールバスの停留所を置いているかどうかまでは、各校の公表資料で確認できませんでした。通学時間の上限を家庭で先に決めてから候補を絞るほうが、結果的に早く決まります。東京都内の学校を検討する場合は、姉妹記事の東京都のインターナショナルスクール一覧に10校の学費と条件をまとめています。
「通う」形にこだわらない
通学圏・学費・空き枠。この3つのどれかで詰まったとき、国際教育そのものをあきらめる必要はありません。オンラインのインターナショナルスクールという形が出てきています。地理的な制約がなく、校舎を持たないぶん学費の水準も変わります。ただしオンラインには固有の弱点もあるので、オンラインインターナショナルスクールのデメリットを先に読んでおくことをおすすめします。
オンラインという選択肢(NIJIN GLOBAL ACADEMY)
ここからは、この記事を編集している株式会社NIJINが準備している学校の話です。判断材料のひとつとして読んでください。
NIJIN GLOBAL ACADEMYは、6〜18歳を対象にしたオンラインのインターナショナルスクールです。1クラス8名の少人数で、入学試験も選抜も英語要件もなく、まず対話(面談)から始まります。英語が話せなくても日英バイリンガルのメンターが伴走し、日本語のサポートを受けながら英語に触れられる設計です。カリキュラムはCEFRレベル別の選択式授業を軸に、希望者はCambridge IGCSE・A-Levelに進めます。通い方はフルスクール型と、今の学校と併用するダブルスクール型の2種類です。
NIJIN GLOBAL ACADEMYは2027年9月開校予定で、まだ開校していません。学費は未公表です。日本の一条校ではないため、日本の小学校・中学校・高等学校の卒業資格は出ません。また在籍校での「出席扱い」について、公式サイトに記載は確認できませんでした。出席扱いの可否は在籍校の校長判断です。必ず在籍校と教育委員会に相談してください。途中入学・退会・返金の規定と、欠席時の録画視聴の方針は、いずれも「開校に向けて整備中」とされています。
NIJIN GLOBAL ACADEMYは6〜18歳対象のオンライン・インターナショナルスクールです。1クラス8名、入学試験も英語要件もなく、日英バイリンガルのメンターが伴走します。校舎を持たないため対面のインターナショナルスクールより学費を大きく抑えた価格を予定していますが、金額は未公表です。2027年9月開校予定で、日本の一条校ではないため卒業資格は出ません。
神奈川県の家庭からよく出る、3つの誤解
誤解1|「横浜なら学校はいくらでも選べる」
実際には、今回の基準で確認できたのは県内7校、うち横浜市中区に4校という状態でした。学校が集まっているのは山手と関内・本牧の周辺で、市内であっても青葉区・港北区・戸塚区・金沢区などからは、毎日の通学として現実的かどうかを必ず確認する必要があります。
そして県全体で見れば、横須賀・湘南・県央・県西には、小学部以上の学校を確認できませんでした。「神奈川は都会だから大丈夫」という前提は、住んでいる場所によって成り立ちません。まず通学時間の上限を決めてください。
誤解2|「入れてしまえば英語は勝手に身につく」
学年によります。横浜インターナショナルスクールはELCと小学部では英語力を問わないと明記していますが、中学部は「sufficient competency in academic English」、高校部は「a high degree of academic English proficiency」を求めています。サンモールもGrade 10以上は「assumed, required and essential」としています。
さらに、英語サポートは有料の学校があります。ホライゾンのEALサポートは年500,000円、CGK初等部のEALサポート代は年346,500円、横浜クリスチャンスクールのEALサポートは1学期あたり140,000円です。「英語がまだだから浴びせよう」という順番は、費用の面でもいちばん高くつきます。英語を伸ばすこと自体が目的なら、インターナショナルスクールとは?1条校との違い・学費・メリットデメリットで仕組みを確認してから、別の手段と比べたほうが早いことがあります。
誤解3|「日本の学校にはいつでも戻れる」
これは、神奈川では他の地域よりもはっきり注意が必要です。横浜市は「指定された学校での欠席状態が学年末まで継続した場合、原則として進級は認めず、学年末で除籍します。」と明記し、さらに一条校でないインターの小学部を卒業しても「中学校から横浜市立中学校または義務教育学校の後期課程への入学を希望しても原則認められません。」としています。中学部の途中での編入学も同様とされています。
一方で、日本国籍と外国籍の両方を持つ場合は就学義務の猶予(免除)の道があります。つまり「戻れなくなる」かどうかは、国籍と手続きによって変わります。思い込みで判断せず、住民登録のある区役所戸籍課と教育委員会に、入学を決める前に確認してください。フリースクールとインターの違いに迷っている場合は不登校×フリースクール×インターナショナルスクールの違いが整理の助けになります。
見学・説明会で必ず聞きたい8つのこと
| 聞くこと | なぜ聞くのか |
|---|---|
| うちの子の学年に、今そもそも空きはありますか | 神奈川の学校は待機の仕組みが先着順とは限らない。最初に聞けば、その後の手間が丸ごと省ける |
| 初年度に実際に振り込む金額の合計を、内訳つきで教えてください | 登録料や建設基金など、一度きりの費用が75万円〜148万円という学校が実際にある |
| 2年目以降、毎年かかるものは何がいくらですか | 施設維持費・バス代・保護者会費など、毎年かかる費目が学校ごとに違う |
| 英語サポート(EAL)は有料ですか。いくらで、いつまで続きますか | 年間で数十万円が上乗せされる設計の学校がある。何年続くかで総額が変わる |
| 保護者の英語力について、何が条件になりますか | 「少なくとも保護者1人が英語を話し読み書ける」ことを条件にしている学校と、英語力は問わないと明記する学校が県内に両方ある |
| この学校はどの国際的な評価団体の認定を受けていて、次の更新はいつですか | 認定の有無が日本の大学入学資格に直結する。「認定校と名乗っている」だけでは確認にならない |
| 横浜市(お住まいの市町村)の教育委員会に、在籍の扱いを相談した家庭はいますか | 横浜市は除籍と市立中学校への入学制限を公式に明記している。学校側の対応実績が分かる |
| 通学経路と所要時間、スクールバスのルートと停留所を教えてください | 県内の学校は横浜市中区に偏っている。毎日のことなので、体感時間を必ず確認する |
迷ったときの考える順番
情報が多すぎて動けなくなったとき、順番を決めてしまうと進みます。
- 1.住民登録のある区役所・市町村の教育委員会に、就学義務と在籍の扱いを先に確認する(横浜市は区役所戸籍課)
- 2.通学に毎日かけられる時間の上限を、家庭で先に決める(そこから候補校がほぼ決まります)
- 3.初年度と2年目以降の支出上限を、きょうだいの分も含めて数字で置く
- 4.残った学校について、認定団体とIBの状況を文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧と公式サイトの両方で確認する
- 5.空き状況とEALの費用を問い合わせ、条件が合う学校だけ見学に行く
- 6.通学圏・学費・空き枠のどれかで詰まったら、一条校のIB校やオンラインを含めた別の形を検討する
1から3までは、学校を調べる前にできます。ここを飛ばして学校比較から入ると、条件が合わない学校の資料を延々と読むことになります。お子さんに合う学びの場の方向性から整理したい場合は、うちの子に合う学びの場診断も使ってみてください。
よくある質問
この記事の内容を確かめるための一次資料
- 横浜市教育委員会「インターナショナルスクール等への就学について」(最終更新2025年7月3日)(ページ)
- 文部科学省 就学事務Q&A「学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」(ページ)
- 文部科学省「大学入学資格について」(ページ)
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「日本におけるIB認定校等」(令和8年6月30日時点)(ページ)
- 神奈川県「フリースクール等に通う子どもへの支援(市町村による取組を支援)」(ページ)
- 神奈川県「神奈川県内の市町村」(ページ)/「神奈川県私立学校名簿」(令和8年5月1日現在)(ページ)
- Saint Maur International School「Tuition Fees」(ページ)/「Admissions Criteria and Guidelines」(ページ)/「Frequently Asked Questions」(ページ)
- Yokohama International School「Tuition & Fees」(ページ)/「Admissions」(ページ)/「Admissions FAQs」(ページ)
- Horizon Japan International School「Tuition & Fees 2026-2027」(ページ)/「Accreditations & Affiliations」(ページ)/「Admissions」(ページ)
- Deutsche Schule Tokyo Yokohama「Schulgebühren」(ページ)/「Informationen zur Anmeldung」(ページ)
- CGKインターナショナルスクール初等部「入学案内」(ページ)/「初等部について」(ページ)
- Yokohama Christian School「Fees & Tuition 2026-2027」(ページ)
- 川崎インターナショナルスクール「入校について」(ページ)
- 神奈川県立横浜国際高等学校「国際バカロレアコース」(ページ)
- 聖ヨゼフ学園小学校「探究の時間(国際バカロレアPYP)」(ページ)/「入試要項」(ページ)
- NIJIN GLOBAL ACADEMY 公式サイト(カリキュラム/入学案内/よくある質問)
NIJIN GLOBAL ACADEMYは入学試験も英語要件もなく、面談から始まります。無料体験クラスを2026年9月から毎月開催予定です。開校は2027年9月予定で学費は未公表、日本の一条校ではないため卒業資格は出ません。それでも情報だけ先に集めておきたい方へ、開校に向けた最新情報をお届けしています。

