「家族崩壊の理由と乗り越え方」──タツロー校長が語る、“不登校”と“夫婦関係”のリアル

子どもの不登校をきっかけに、夫婦関係が悪化する家庭は「7割近く」にのぼります
実際に寄せられる声の中には、「意見が合わない」「価値観の違いが露わになった」「話し合うたびに関係が悪化していく」といった深刻な悩みが多くあります。

本記事では、不登校によって家庭に生じるズレ、その背景にある社会構造、そして乗り越えていくための道筋について、NIJINアカデミー校長、星野達郎(タツロー校長)が解説します。

「家族崩壊の理由と乗り越え方」──タツロー校長が語る、“不登校”と“夫婦関係”の
目次

不登校であらわれる“夫婦のズレ”

不登校をきっかけに、夫婦間の価値観の違いが一気に表面化するケースはとても多くあります。

タツロー校長

「不登校をきっかけに夫婦仲が悪くなった──本当に多い声です。」

片方は「行かせるべきだ」と考えている。
もう片方は「子どもの気持ちを最優先にしたい」と思っている。

このように、日頃は見えていなかった価値観の違いが、不登校によって急に浮き彫りになるのです。

不登校であらわれる“夫婦のズレ”

調査では、「不登校について意見が食い違う」家庭は 76.5%
つまり4人に3人がこの問題に直面しています。

タツロー校長

「夫婦とはいえ他人です。意見が違うのは当然のことなんです。」

しかし、このズレが激しくなってしまう背景には、もっと大きな構造的問題があります。

「学校しか選べない」社会構造が家族を追い詰める

タツロー校長は、家庭を追い詰めている“本質的な要因”は夫婦ではなく社会構造だと指摘します。

タツロー校長

「本当に問題なのは、“学校しか選択肢がない”という社会構造だと思っています。」

例えば習い事なら、サッカーかピアノか、やるかやらないか、複数の選択肢があります。
しかし、不登校は 「行く」か「行かない」か の二択しかありません。

「学校しか選べない」社会構造が家族を追い詰める

家庭に選択肢が少なければ少ないほど、対立は起きやすくなります。

現実的な負担の増加と、家庭のバランス崩壊

現実的な負担の増加と、家庭のバランス崩壊

不登校になると、家庭にはいくつもの新しいタスクが一気に押し寄せます。

・昼食をどうするか
・仕事の調整
・学校との話し合い
・学習フォロー
・付き添い登校の必要性

これらが重なり合うことで、家族のバランスは崩れていきます。

タツロー校長

「やることが増えて、考えなきゃいけないことが増えて、家族のバランスが崩れてしまうんです。」

どちらが仕事を休むのか、誰が対応するのか──。
現実的な負担が増えることで、夫婦間に溝ができやすくなります。

“蘭とタンポポ”が示す子どもの特性

タツロー校長

「不登校の子どもたちは、蘭の花のように繊細で、環境によって大きく変わる存在です。」

タンポポはどんな環境でも咲きますが、咲いた姿はどれも似ています。
一方、蘭の花は環境が合わなければ咲かず、咲いたときには一つひとつ違う花を見せます。

“蘭とタンポポ”が示す子どもの特性

不登校の子どもたちも同じです。
敏感で特性が強く、環境によって未来の伸び方は大きく変わります。

だからこそ、「平日8〜16時は学校にいるべき」という前提は、すべての子どもに合うわけではありません。

夫婦が同じ方向を向くための第一歩

タツロー校長

「夫婦で同じ素材を見て、同じ話題で話す。これが理解の第一歩です。」

タツロー校長のYouTubeを夫婦で一緒に見たことで、
「教育観が近づいた」「同じ方向を向けるようになった」
という声も実際に寄せられています。

同じ情報・同じ言葉を共有することで、夫婦の会話は“対立”から“対話”へ変わっていきます

子どもの姿を「目撃」することの力

リアルやオンラインのイベントで、久々に子どもの姿を見た保護者が驚くことがあります。

子どもの姿を「目撃」することの力
タツロー校長

「学校では暗かったのに、ここではこんなに楽しそうに笑っているんだ。」

子どもの姿を“事実として”目撃することで、
夫婦の認識が変わることがあります。

だからNIJINアカデミーでは、子どもたちの活動を積極的に発信しています。
家庭の中では見えなかった子どもの力や表情に気づける機会が、夫婦の歩みに影響を与えるからです。

話し合えない家庭が取ってもよい選択肢

タツロー校長

「いきなり夫婦で話し合うのは難しいと思います。」

不登校は、親にとっても急激な変化です。
すぐに受け止められないケースもあります。

その場合は、あえて“話し合わない時期”をつくる。
ママが主担当、パパが距離を置く──こうした形でも構いません。

タツロー校長

「時間を長く取ることで、子どもの元気が戻ってきた姿を見て、関係が動き始めることがあります。」

無理に今すぐ答えを出す必要はありません。

教育の仕組みが変われば、家庭はもっと救われる

タツロー校長

「学校に行けないだけで夫婦仲まで悪くなる。この国の教育制度に強い危機感を持っています。」

不登校は、子どもや親の責任ではありません。
選べない教育制度・固定観念の側に問題があります。

義務教育の前提をもう一度見直し、
子どもが自分に合った学びを選べる社会になれば、
家庭はもっと健全に、希望を持って子どもを支えられるようになります

あわせて読みたい

▶ 動画でより深く:YouTube(フル解説)

星野達郎校長が今回のテーマを動画で丁寧に解説しています。
夫婦関係が揺らぎやすい背景や、子どもの変化を見取る視点など、記事では紹介しきれない内容も含めて視聴できます。


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この記事の内容を確かめるための一次資料

学校とのやりとりは、担任個人の考え方に左右されやすい部分です。だからこそ国が学校に何を求めているかを知っておくと、話が噛み合いやすくなります。「認めてください」ではなく「要件を満たすには何を用意すればよいですか」と聞くのが、実務上いちばん通ります。

下の資料はすべて国・自治体・公的機関が出している一次情報です。学校や教育委員会と話すときは、この原文を示しながら相談すると、担当者によって対応が変わることを避けられます。

このテーマに関わる公的資料
資料何がわかるか
文部科学省「生徒指導提要」学校の生徒指導の基本方針(改訂版)
文部科学省「スクールカウンセラー等活用事業」SC・SSWの役割と配置の考え方
文部科学省「就学援助」学用品費・給食費などの経済的支援
文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等調査」小中の不登校353,970人。全国の最新の実数
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」「登校という結果のみを目標にしない」という国の方針
同 別記1(学校外の施設で相談・指導を受ける場合)教育支援センター等に通った日を出席扱いにする要件
同 別記2(自宅でICT等を活用した学習)自宅学習を出席扱いにする7つの要件
文部科学省「欠席中に行った学習の成果に係る成績評価」2024年8月の改正。学習成果を成績に反映できる3要件
文部科学省「COCOLOプラン」誰一人取り残されない学びの保障に向けた国の対策
文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」全国1,045市区町村の公式相談窓口
教育機会確保法(e-Gov法令検索)第13条が「休養の必要性」を条文で認めている
こども家庭庁「子育て支援」子育て世帯が使える支援制度の全体像
国立教育政策研究所「生徒指導リーフ」研究にもとづく生徒指導の考え方をまとめた資料

学校に相談するときの進め方

1

① 支援の目標をすり合わせる

「令和元年10月25日の通知にあるとおり、登校という結果だけを目標にするのではなく、社会的な自立を目指す形で相談させてください」——最初にここを共有しておくと、その後の話が噛み合いやすくなります。

2

② 具体的な場所を挙げる

「教育支援センターの利用を考えています」「オンラインのスクールを検討しています」と場所を具体的に伝えます。抽象的な相談より判断してもらいやすくなります。

3

③ 出席扱いの要件を一緒に確認する

「別記1(通所)/別記2(自宅ICT学習)の要件を満たすために、こちらで何を用意すればよいでしょうか」と聞きます。「認めてください」ではなく「何を用意すればよいか」のほうが通ります。

4

④ 決めたことを記録に残す

面談のあとに「本日確認したこと」をメールなどで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター全国1,045市区町村の窓口一覧

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

家庭でいまできること

制度や相談先が分かっても、明日からどう過ごすかは別の話です。うまくいかない日があって当たり前という前提で、いま無理なくできそうなものだけを選んでください。全部やろうとしないことが、いちばん大事なコツです。

いま家庭で確かめておきたいこと

睡眠のリズムが崩れていないか(起きる時間より、寝る時間を先に整えるほうがうまくいきます)

食事が極端に減っていないか。体重の変化はないか

頭痛・腹痛・立ちくらみなど、体の訴えが続いていないか(続く場合は受診を検討してください)

「学校の話」以外で笑える時間が、1日に少しでもあるか

保護者自身が眠れているか。抱え込んでいないか

学校との連絡窓口が、担任1人に集中していないか

声のかけ方で迷ったときは

「なんで行けないの」と理由を問うと、子ども自身も説明できないことが多く、答えられない自分を責めてしまいます。理由を聞くより、いまの状態を言葉にして返すほうが伝わります。「しんどそうだね」「今日はゆっくりでいいよ」——それだけで十分な日があります。

逆に、避けたほうがよい言葉もあります。「みんな行ってるよ」「そんなことでどうするの」「甘えてるだけでしょ」。どれも本人がすでに自分に言っている言葉なので、外から重ねると逃げ場がなくなります。

相談先の選び方|どこに何を聞けるか

相談先はひとつではありません。それぞれ役割が違うので、聞きたい内容で選ぶと早く進みます。

相談先の比較
相談先聞けること費用向いている場面
在籍校(担任・スクールカウンセラー)出席の扱い、校内の別室、学習の進め方無料まず学校での配慮を相談したいとき
教育支援センター(市区町村)学校外の公的な居場所、通所と出席扱い原則無料学校の外に一歩を踏み出したいとき
フリースクール(民間)体験活動中心の居場所、少人数の学び月1〜5万円程度興味や「やってみたい」から入りたいとき
オンライン自宅から参加できる学び、出席扱いの実務スクールにより異なる外に出るのが難しい/近くに選択肢がないとき
医療機関(小児科・児童精神科)体の不調の背景、診断と治療保険診療睡眠・食事・体の症状が続くとき
24時間子供SOSダイヤル子ども本人・保護者どちらの相談も無料・24時間いますぐ誰かに聞いてほしいとき(0120-0-78310)

どこから始めればいいか迷ったら

まずは市区町村の教育委員会(教育相談室)に電話してみてください。学校を通さずに保護者から直接相談できる自治体がほとんどです。「今すぐ通える場所はありますか」「対象は何年生からですか」の2つを聞くだけでも、次の一手が見えてきます。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

学校に伝えるときの文例

言いたいことは決まっていても、いざ書こうとすると手が止まる——という声をよく聞きます。そのまま使える形にしました。丁寧すぎる必要はありません。事実と、してほしいことが伝われば十分です。

① しばらく休むことを伝える

いつもお世話になっております。◯年◯組の◯◯の保護者です。
本人の体調と気持ちの状態から、しばらく学校をお休みさせていただきます。
毎朝のご連絡が負担になっているため、こちらから連絡がない日は欠席としてお取り扱いいただけますでしょうか。状況が変わりましたら、その都度ご連絡いたします。

毎朝の欠席連絡は、家庭にとっても学校にとっても負担です。先にこの一文で合意しておくと、朝の消耗がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

② 配慮をお願いする

◯◯は、教室の人数と音の多さで疲れてしまうことが多いようです。
つきましては、登校できた日は保健室や別室で過ごさせていただくことは可能でしょうか。
また、給食の時間だけ別室にする、掃除の時間は無理をさせない、といった形でもかまいません。
本人が続けられる形を一緒に考えていただけると助かります。

「配慮してください」だけでは学校も動きにくいので、場面と具体的な対処をセットで書くのがコツです。診断名は必須ではありません。

③ 出席扱いについて相談する

学校外での学びについてご相談させてください。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)に、学校外の施設で相談・指導を受けた場合や、自宅でICT等を活用した学習を行った場合の指導要録上の出席扱いについて定めがあると伺いました。
本校ではどのような運用になっていますでしょうか。また、要件を満たすために家庭で用意すべきものがあれば教えてください。

ポイントは「認めてください」ではなく「何を用意すればよいですか」と聞くことです。学校側も判断材料を求めています。要件の全文は教育支援センターとはの記事に原文どおり掲載しています。

④ 面談のあとに送る確認メール

本日はお時間をいただきありがとうございました。
確認させていただいた内容を念のためお送りします。
・当面は◯◯(別室/午後のみ など)で対応いただく
・◯◯(教育支援センター等)への通所を検討し、決まり次第ご連絡する
・出席の取り扱いについては、◯月◯日までにご回答いただく
認識に相違がありましたらお知らせください。

口頭の合意は、担任が変わると消えてしまいます。短くていいので記録に残しておくと、翌年度も引き継がれます。学校側にとっても助かる手順です。

伝える相手の順番

担任で止まっていると感じたら、学年主任 → 生徒指導主事 → 教頭・校長 → 市区町村の教育委員会(教育相談室)の順に相談先を上げてください。感情的にならず、これまでの経緯と依頼内容を時系列で整理して伝えるのが最短です。全国の窓口は文部科学省のページから探せます。

この記事のテーマについて、よく寄せられる質問

同じような状況の方から実際によく届く質問をまとめました。あてはまるものから読んでください。

Q. 担任と話が噛み合いません

A. 「認めてください」ではなく「要件を満たすために何を用意すればよいですか」と聞き方を変えると通りやすくなります。それでも動かない場合は、学年主任・管理職・市区町村の教育委員会(教育相談室)へ相談先を上げてください。

Q. 毎日の欠席連絡がつらいです

A. 連絡方法は相談できます。「しばらく休むので、こちらから連絡がない日は欠席とみなしてください」と最初に合意しておくと、毎朝の負担がなくなります。多くの学校が対応してくれます。

Q. 保健室登校や別室登校は出席になりますか?

A. なります。校内で過ごした時間は在籍校の判断で出席として扱われるのが一般的です。保健室登校についてもあわせてご覧ください。

Q. 学習の遅れが心配です

A. 学校外での学習も、計画や内容が教育課程に照らし適切と判断されれば成績評価に反映できることが2024年8月の制度改正で明確になりました。詳しくは教育機会確保法の記事にまとめています。

Q. 面談で何を話せばいいですか?

A. ①いまの状態、②してほしい配慮を具体的に、③出席扱いの取り扱い、の3点に絞ると進みます。面談後に「本日確認したこと」をメールで送っておくと、担任が変わっても引き継がれます。

つらいときの相談先(24時間・無料)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(全国どこからでも、24時間・無料。子ども本人も保護者も利用できます)
  • お住まいの市区町村の教育委員会 教育相談室/教育センター

この記事は情報提供であり、医療的・心理的な診断や個別の助言に代わるものではありません。心身の不調が続く場合は、かかりつけ医やスクールカウンセラーにご相談ください。

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つらい気持ちを今すぐ話したいとき(全国共通・24時間)

24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310

お子さんからでも、保護者の方からでも相談できます。お住まいの地域の教育相談センターにつながります。

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